皆様こんにちは。新之助でございます。
前回は「こんな投資家は嫌われる」仲介業者編を執筆させて頂きました。
運営していく中でいかに家賃を落とさず入居率を確保するかが投資家として、経営者としての腕の見せ所になります。中でも、仲介業者と良好な関係を築く事が満室経営においては非常に大切ですよね。
仲介会社の営業マンに優先的に自分の物件を勧めてもらうには、入居者に好まれる部屋作りが必須になってきます。
結果として、コストをかけずにクオリティーの高い部屋を提供するにあたりそれを仕上げるリフォーム業者や管理会社の営繕担当との関係構築が必須になってきます。
今回は最終回「こんな投資家は嫌われる」リフォーム業者編をお送りいたします。
私は20代前半をに左官職人として、現在はハウスメーカーに従事し十数年、戸建てやアパートのオーナー様からのリフォーム工事を受ける側に立っています。従って双方の気持ちはよく理解できているつもりで、この経験は投資家としても、自身に相当役立っていると実感しています。
不動産投資においても、住宅業界の実務的なスキルや折衝が必須になるため今回の内容は投資家の皆様にとって、購入後の運営においてかなり役立つに違いないと思っています! ぜひご期待下さい!!
さあ、リフォーム業者の嫌う投資家とは、どんな人?
ワースト5:商品について全く勉強していない人
大手のリフォーム業者であれば営業やコーディネーターがついて1から10まで丁寧に提案してくれるでしょう。ただ、当然ながらコストが非常に高く採算が合わない事は目に見えています。一度見積もりを取ってみればわかります。
管理会社の営業部門でもそれなりの数字がノルマとして与えられているのでコスト的にもそんなに安くないと思います。
このコラムを読んでいる方はコスト度外視の投資家ではないですよね? コストを抑えるとなるとどうしても地場の工務店や職人に直接工事依頼をしていくことになります。
そういった工務店の監督や職人はいちいち細かな資料を用いて丁寧に説明してくれることは非常に稀です。
最初のうちは相手にしてくれても、次第に「この人はめんどくさいな」と思われて連絡がつきにくくなったり、工事の依頼をしても理由をつけて受けてくれなくなってきます。
せめて、部屋の内装や設備機器にまつわる商品知識を身に付けて、ある程度同じ目線でお話ができるようにしておいた方がよいでしょう。
例えば、クロスや床材、設備機器メーカーの名称や平均的な施工単価。そして施工方法などの知識をつけておくと会話もスムーズに運び、交渉もうまくいく可能性がグンと上がります。しっかり勉強し、実践で生かすことがベストです。
ワースト4:見積もりマニアな投資家
賃貸事業だけではなく、どの業界でも相見積もりはコスト管理において大切なミッションです。ただ闇雲に見積もりをお願いするのも考えものです。住宅業界においては、車や家電などと違い個々に状況が違うんですよね。
リフォーム業者は見積もりを出す為に現場に出向いて細かく数字を拾い出します。職人もいろんな人が関わってくるので見積もりを一つ出すのにもコストと時間がかかり大変です。
この辺りを理解してお付き合いをしていかないと嫌われてしまう要因になりかねません。リフォーム業者も相見積もりをされるのは覚悟の上ですがあまり露骨に競わされると、うんざりしてしまいます。
地域により人工や材料単価の相場が違いますので、最初のうちは複数の業者から見積もりを取り、比較することは仕方のないことかもしれません。
ただし、ある程度相場観がわかってきたら自分の予算をしっかり決めてこちらからリフォーム業者に「この予算でお願いできないでしょうか?」というように折衝していくとお互いにスムーズに話が運ぶようになるでしょう。
ワースト3:“いいとこ取り”の投資家
昨今、投資家自身が“いいとこ取り”をする事を推奨するセミナーや書籍が多く見受けられるように思います。
例えば、材料はオーナー支給で、工事は業者で……よく聞くフレーズですよね(笑)
アマゾンや楽天など、インターネット通販で資材を買えば、当然安くコストが抑えられますので否定はしません。私も材料支給でお願いするケースもあります。
それも、ある程度のお付き合いのある業者であったり、そこそこまとまった金額の発注がある業者であったりすればよいと思いますが、大した発注もなく都合の良い時にだけ声をかける場合だと嫌われてしまいます。
こういった発想は後々自分の首を絞める事になってきます。
例えば、あなたがコストの高いリフォーム業者と付き合っていた場合、リフォーム業者は潤いますが自身の運営は徐々に厳しいものになってきます。
それと反対に、投資家がリフォーム業者の採算を考慮せず足元を見た付き合いばかりしていたら運営が苦しくなるので、暇な業者以外は去っていくことになります。
賢い投資家はこの事を頭にいれながら活動していかなければなりません。
大抵コストが安く腕のいい業者はどこでも引っ張りだこです。面倒で儲からない仕事にはかまっていられない……。
自分自身で通販などで材料を調達し、業者に施工だけお願いした事のある方はやってみて経験したことがあるかもしれませんが、コスト自体は抑えられるのですが意外に自分の手間がかかるのです。
また、材料支給だと故障した場合、製品の問題なのか取付の問題なのか、責任の所在がはっきりしないので逆にとても面倒になります。
これは私も経験済みです。かなりやっかいでした(苦笑)
私は現在、基本的に多少コストが高くてもリフォーム業者に材料、工事をセットでお願いしています。そうすれば、何かあった場合でも電話一本で工事後でもメンテナンスのために動いてくれる。
何年も経っていれば別ですが、ある程度工事に携わっていると責任施工という観念で無償で対応してくれたりします。目先の利益にとらわれると、後々時間とコストが思った以上にかかって痛い思いをするかもしれません。
ワースト2:プランがころころ変わる投資家
「自分のイメージと違った……やり直して別のクロスに貼り替えて欲しいな……」こういった事はよくあります。
私も多くの部屋を手掛けてきましたがパーフェクトな部屋にできた事はなかなかありません(苦笑)
なにせ、時間に追われる事が多いのでクロスも建具もカタログを見てその場で即決する事が多いせいもあるでしょう。
こんな時に平気で「別の品番のタイプに貼り替えて欲しい。もちろんお金を払いますので」などど言う方がいらっしゃいます。
言ってる方としては理屈として間違っていませんし、お金も払うと伝えているので罪の意識はあまりないでしょう。
でも、施工する相手はプロ意識の高い職人さんです。大抵の職人はかなり頭に血が上ります。なにせ職人魂で一生懸命施工したものをすぐにやりかえるのですから……。これはお金の問題ではありません(苦笑)
私も職人時代にこういった事がしばしばありましたが、相当気分を害しました。それをなだめる現場の監督も大変です。
施工したプランの評判が悪く、客付けできないような場合を除き、修正は最小限にし、次の工事に生かすような気持ちのゆとりを持つほうがよいかもしれません。
ワースト1:工事完了後に値引きを要求する投資家
これをやったら信頼関係は一発で壊れます。後のお付き合いはないと思ってください。
事前に見積もりを提示し、合意のもとで施工するわけですから、リフォーム業者もその数字を見込み下請け業者に発注するなどの段取りをしていきます。工事も完了し、工事代金をもらう段階になって出し渋られるとリフォーム業者は相当困ります。
こういった、最後に値引きを要求する客はけっこういるんです。さらにたちが悪いと支払いをわざと遅らせたり分割要求したりして(苦笑)
私がお付き合いのあるリフォーム業者の「S技研のやっさん」が、つい数日前にこんな話をしてました。
「依頼された工事を仕上げて、請求の話をしたらいきなり分割にしてほしいと言われてしまって……。たった1万2000円の工事をですよ! 下手に断って気分を害して払わないと言われたら最悪だから、もう笑って要求を飲むしかないですわ~」
これが例えば工事のクオリティーが悪かったり違った商品に傷がついてたりして実害があった場合は交渉してもよいでしょう。
でも、それがいいがかりに近い言い回しだとこれも揉める原因になります。
こういった後出しじゃんけん的な値引き交渉をしていると、住宅業界の職人のネットワークは横のつながりが強いので、いざという時に工事を受けてくれないなんてことになりかねません。
強い立場を利用して相手を困らせる事はぜったいにやめましょう。
さあ、今回の企画「こんな投資家は嫌われるワースト5」はいかがだったでしょうか?
プロフィール画像を登録