エアコンありなし最終_04132015

所有物件の空室対策でまず検討していきたいのは、設備面での充実を図ること。費用対効果を追求し、より効率的な投資を行っていきたいところだ。

たとえば、エアコンを付けるか否かといった小規模な投資は、賃貸経営にどのくらい影響があるのだろうか。コストパフォーマンスの良い投資をするためのコツを、「満室経営株式会社」代表取締役など、マルチに活躍する空室コンサルタントの尾嶋健信氏に伺った。

エアコンの有無で家賃は変えられるのか?

尾嶋氏は「そもそも現在、エアコンは付いていて当たり前だと認識している入居者が多い」と話す。そのため、エアコンがあるという理由だけで家賃を上げるのは難しいそうだ。

実際に、1Kの部屋に最近引っ越したというFさん(26歳/男性)に部屋探し時を振り返ってもらったところ、「エアコン付きの部屋で探していたし、基本的には付いているものだと思っていた」とのこと。

しかし尾嶋氏曰く、エアコンの設置で賃料を上げられるケースもあると言う。

「ファミリー用の物件はLDKになっていて、リビングが広いですよね。全国的にさまざまな物件を見てきましたが、リビングにはエアコンを設置しないことが多いように思います。

理由は面積が広い分、設置するエアコンが高価になってしまうから。そのため、ファミリー物件のリビングにエアコンを設置するのであれば5000円程度の賃料アップは可能でしょう。

入居者が2年間住んだとして、自分で15万円程度のエアコンを購入することに比べれば、月々5000円の家賃がプラスされても2年で12万円分の追加にしかなりません。そうすると、15万円のエアコンを購入するよりも得になるのです。

また、それを強みに仲介会社の営業担当者が他物件との差別化を行ってくれる可能性も高まります

オーナーから見れば、その入居者が2年半住むことで15万円(5000円×30カ月)の回収が可能となる。新品のエアコンが2年半で壊れることは考えにくいので、費用対効果も高いと言えるだろう。

シングル物件での差別化要素とは?

それでは、シングル向け物件ではエアコンによる賃料アップは難しいのだろうか。尾嶋氏は、「エアコン本体に差別化要素が含まれている」ことが賃料を上げる秘訣になると話す。

「エアコンの有無そのものを部屋の売りにするのは厳しいですが、シングルの部屋でも良いエアコンをつけることで賃料を上げることは可能です。多くの大家さんは3万円〜5万円程度の安いエアコンを設置しますが、自分で掃除をする機能が付いているエアコンや肌に優しいエアコンを選んで、付加価値をつければ良いのです。

たとえばABCという3つの部屋があって、Aだけは差別化されたエアコンが設置されている代わりに家賃が2000円高いとしても、選んでもらえる可能性はあります」

家賃は2000円高いが肌への潤い効果があるエアコンの部屋と、普通のエアコンの部屋。どちらに住みたいかをHさん(23歳/女性)に聞いてみると、次のような答えが返ってきた。「2000円くらいなら、良いエアコンの部屋を選びます。冬場にワンルームにいると、エアコンの風が直接当たって顔が乾燥するのが苦痛なので」

しかし、賃料を上げることについては注意する必要があると尾嶋氏は語る。

賃貸経営でもっとも留意すべきことは、空室を出さないことです。家賃を上げた結果、入居者が先々負担を感じてしまい、結果として入居期間が短くなってしまうこともあります。

ですから、実際に募集をかけてみて、問い合わせが何件、内見が何件あったかを、丁寧にテストしてください。もし家賃を上げられなくても、入居者が2週間で決まったとしたらそのほうが良いですよね。機会損失を防ぐためにも、入居者目線になることがポイントです」

「女性目線」で設備投資をしていくべし!

最後に、エアコン以外で付加価値があるものを伺ってみた。そのキーワードは「女性目線」

浴室乾燥機も付加価値になります。女性にとって、室内で洗濯の全工程が完結することは防犯上でも大切。生活に安心を付加するという意味では、TVモニター付きインターホンもありますね。また、シャワーのノズルをイオン効果があるものにしたり、浴室にミストをつけたりすることでも、家賃は上げやすくなります。女性入居者の目線で必要なものを設備として取り入れるのがポイントです」

とはいえ、男性にとってはなかなかイメージがしづらいのも事実。尾嶋氏はどのようにして「女性目線」を取り入れているのだろうか。

「私がリフォームに関わる際には、最終的に妻や女性営業担当に見てもらって、女性の意見を参考にするようにしています。上記で挙げたような女性ならではの感覚が分かり、大変参考になりますよ」

実例としては、大阪市で付加価値となるエアコンをつけて賃料を5000円アップできたケース、愛知県犬山市で5世帯、浴室乾燥機をつけて賃料を3000円アップできたケースがあるという。

エアコン一つとっても、快適性を追い求めがちな男性と、美容面にまで細かく気を遣う女性とでは重視するポイントが違う。シングル物件はもちろん、ファミリー物件においても物件選びの最終判断は妻の意見が優先されることが多い。設備投資を効率的に実行し、物件価値を高めていくには、女性目線を積極的に取り入れることが鍵と言えそうだ。

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