オフシーズン対策最終_05082015

年明けから年度末にかけての「年間最繁忙期」が過ぎた今、読者が保有する物件の募集状況はいかがだろうか。どんなオーナーも満室で迎えたいこの季節だが、残念ながら空室が残ってしまっている場合にも、あせらず冷静に対処していきたいところだ。

しかし、一般的には部屋探しのオフシーズンとされるこの時期、何の打ち手も持たないままでは空室を埋めることは難しい他のオーナーはどんな方法でオフシーズンを乗り切ったのか。10年以上賃貸物件の管理に従事し、日々オーナーへの提案と実践を行っている都内管理会社勤務の村田勝さん(34歳/仮名)に話を伺った。

オフシーズンの空室対策を、具体的な打ち手から考えてみたい。

入居が決まる“3要素”は、どれもハードルが高い……

業界歴10年の村田さんが取引しているのは、6室前後を保有するオーナーが大半。オフシーズンの空室対策は、多くのオーナーに共通する悩みだ。村田さんは入居が決まる物件に必要な要素を、「立地(駅からの距離)」、「賃料」、「設備」の3つに分けて考えているという。

この3要素のうち、2つが魅力的な条件であれば入居は決まるはずだと考えています。たとえば、駅徒歩1分の物件で室内設備が充実していれば賃料がエリア相場より多少高くても勝負できる。逆に、相場より安い賃料に設定してリノベーションを済ませれば、駅から徒歩15分以上かかるような場所でも入居が決まりやすいですね」

問題は、既存の物件であれば「立地」の条件を改善することが不可能であるということだ。駅から遠い物件を保有する場合は、賃料を下げたり、コストを投下したりしてリノベーションを行わざるを得ないということになる。

村田さんが担当するオーナーの中でも、リノベーションに積極的なのは「保有物件数が多く、資金力に余裕がある人」。実際、4棟・140室を保有するとあるオーナーは、年間の賃料収入が約2億円あり、駅から遠く築25年を超える物件については空室が出るたびにリノベーションを行っているという。

床材の刷新や水回りの修繕、場合によっては間取りの見直しを行うこともあり、その場合には一部屋あたり200万円程度のコストがかかる。

「そうしてリノベーションを行った部屋でも、賃料は据え置きにせざるを得ません。設備を充実させたからといって賃料を上げてしまっては、3要素が崩れてしまう。リノベーションは“家賃を上げるため”ではなく、“現状の家賃を維持するため”に行うものだとアドバイスしています」

入居希望者が主に情報を入手する手段である「賃貸情報サイト」では、エリアや賃料などの希望条件で絞り込みが行われる。物件紹介で「リノベーション済み」とアピールしていても、相場より高い賃料で勝負していては絞り込み結果に反映されず、情報を見てもらうことさえできなくなる可能性もあるのだ。

とはいえ、“3要素”はどれもハードルが高い。立地は変えようがないし、賃料を下げたり、コストをかけたりしてリノベーションを行うことも難しい決断だ。別の観点で、ずばり、あまりコストをかけずに勝負ができる方法はないのだろうか。このような相談に対して、村田さんは「募集条件の緩和」を提案しているという。