3年買えない最終

不動産投資に興味を持ち、物件購入を決意したものの、なかなか条件に合う物件が見つからない。探しているうちにすでに1年以上が経過している……そんな投資家予備軍はいないだろうか。長く買えないでいるとモチベーションが落ちて、不動産投資自体を諦めてしまう人がほとんど。

今回は「物件を探し始めてから”2年以上”経過しても、購入に至らなかった投資家」3名にインタビューを行い、購入しようと思っても、購入できなかった理由を振り返ってもらった。また苦しい時期を乗り越えて最終的には不動産投資物件を購入することができた投資家は、買えない状態からどのように抜け出したのかも詳しくリサーチする!

物件探しを続けて7年目に高利回り物件を取得
(埼玉県在住 本郷武さん 40代 営業職のサラリーマン)

本郷さんが不動投資を知ったのが10年前。親から戸建てを相続し、その物件を貸して家賃収入を得たのがきっかけだとか。

「真剣にやってみようと思い1年間本やセミナーで勉強して、条件に合う物件をずっと探していました。ようやく購入できたのは7年後の2012年です」

10年前といえば、不動産投資の書籍もほとんどない頃。本郷さんはどのように勉強したのだろうか。

藤山勇司さんの本を読んで、競売不動産があることを知りました。それから2006年には大家検定の1期生として、大家さんの業務について学びました。とにかくインターネットで物件を探し続け、物件調査に行き、地場の情報に強い不動産業者とのパイプを深めていました」

前々から株をやっていて、頭金は物件価格に対して2~3割程度は出せたそう。ただし家族の協力はない。サラリーマンゆえ週末に物件見学に行くしかなく、週末ごとにでかけてしまう本郷さんに対して、奥様の不満も溜まっていたそうだ。

「当時、子供の部活動で車送迎が必須でして、家族との折り合いが大変でした。なにせ車でしか見に行けないような物件でしたから、妻を説得して物件を探し続けました。エリアについては、最初に狙っていたのが栃木の宇都宮市です。転勤していたこともあり、地の利に詳しかったのが理由です。しかし見つからないので、そこから栃木県まで広げて、出てこないので群馬県も入れて、一時期は茨城も探していました」

本郷さんが教えてくれた物件の検索条件はコチラ!

・エリア:群馬もしくは栃木
・金 額:5000万円以下
・利回り:15%

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とにかく金額と利回りが基準で、物件種別については、木造アパートと軽量、RCマンション何でも良く、築年数にもこだわりはなかったという。

「本を読んで勉強して条件を決めました。イールドギャップ(利回りと銀行金利の差)が12%あるべきだと思いまして。借りられる金利3%くらいと仮定したら、利回り15%は欲しいと思いました。当時は積算評価を考えず、完全に手残り重視ですね」

何十件も物件を見ていく中で、買う直前までいって気づいた事故物件もあったそうで、決済の時に知ってやめたことも……。

やっぱりモチベーションは下がりますね。まわりがどんどん買えていくのに買えないですから。それでも物件探しはやめませんでした。ルーティンで物件を探し、気に入った物件があれば見学していく……それを繰り返していました。

とはいえ、見学したい物件すらない時期もありましたよ。今考えると頭でっかちになっていたと思います。勉強をしながら物件を探していましたから、だんだん知識が増えてきて、リスクもわかるので踏み込めないのです」

買うチャンスはあったが、なかなか契約から決済まで辿りつかない本郷さん。そうやって7年間が過ぎ、迷ったけれど妥協はしなかった。

「いろいろ迷ったけれど、基準は変えませんでした。リーマンショックや震災など、ふりかえると、買い時だったと思う時期もあります。でも、当時は客観的に見ることができませんでした」

そうして2012年、いよいよ1棟目の物件を購入する。

群馬県で築18年の軽量鉄骨アパートを8戸2200万円で購入しました。単身者向けの1LDKで、駅からは距離はありますが駐車場はきちんと確保されています。懇意にしていた業者さんからの情報です。社長さんや専務とも信頼関係を築いていましたから、この業者からきた情報なら信用できるなと即判断しました。タイミングよくきたので、もう買うしかない。ここで買わなかったら一生買えないと思いました

埼玉県在住ということで、融資には隣接する群馬県もOKという埼玉の信金を業者さんがアレンジしてくれた。

金利条件1%後半、期間20年と非常に良い条件です。利回り13~14%で、イールドギャップは12%とれます。その物件は地場の業者さんが保有していた物件で、利益確定の売却だそうです。表に出る前のいわゆる川上情報を得て買うことができました

待っていたかいがあり、好条件で1棟目のアパートを無事購入できた本郷さん。7年間探し続けられた理由は、「仲間とのつながり」だという。1人だったらモチベーションたもてず折れていたかもしれない、まわりに仲間がいる状態だから、つねに物件を探し続けられていたそうだ。

 

群馬アパート(1)2

本郷さんが購入した群馬県の木造アパート 外観

群馬アパート(2)

本郷さんが購入した群馬県の木造アパート 内観

入札しつづけても落札できない……競売不動産を狙って3年目に購入
東京都在住 金井綾子さん 40代 主婦)

都内に住む金井さんご夫婦が、不動産投資をはじめたきっかけは、年金問題。

「テレビで見て不安になりました。主人に聞いても、年金はあてにできないだろう、と言います。だったら年金替わりに不動産をひとつ買えばいい、と思いました。

主人は銀行員で、銀行員というと堅くてマジメな印象ですが、実家がもともと商家だったこともあり、両親も株と不動産投資はやったほうがいいという考え方。そこで、夫婦で話し合った結果、物件を購入することを決めたのです」

それが2005年のこと。最初から競売不動産だけを狙っていたそうだ。

2007年までは東京の競売物件を狙っていました。競売にしようと決めたのは、主人の意見です」

理由は以下の3つ。

1 任意売却物件や市場に出回る良い物件、誰もが欲しがる物件は、キャッシュのある人が購入する。また融資も難しい

2 競売は仕組みがシンプルでフェア。入札だからみんな横並び

3 良い立地にある物件もある

当時、銀行の融資担当であったご主人に代わって、金井さんが入札を行っていた。

条件は、東京23区内で鉄筋造と鉄骨造の駅から近い1棟マンションです。築年数はこだわりませんが、銀行評価が出る物件ということにはこだわりました。というのも自己資金を使わず、すべて融資で行う予定だったのです。だから違法建築の物件については対象外としました。金額の規模は1億円程度で、目標利回りは8~10%です

不動産投資書籍やセミナーといった外部の情報ではなく、基準はご主人が自分の経験値から決めたという。はじめての入札は高円寺駅5分1億円の物件を1億2000万円で入札したが、前日に取り下げられてしまう。そんなことが2~3回続き、都内で競売を行うことの厳しさを知る。

「2年間、都内の競売をチェックし続けました。その間、入札したのは4回です。入札する物件は必ず現地調査しますから、数は少ないですが実際には結構大変でした。学芸大学の駅から歩いて15分に裁判所の分室があり、そこで情報のチェックを毎日行っていました。競売の一覧をみてコピーして、持ち帰って主人に見せる……それが日課でした」

当時はすでに3点セット(競売の物件明細セット)の閲覧はインターネットで出来たが、金井さんはアナログなやり方を続けていたそうだ。そして、入札を続けても買えないことから、東京で競売を行うことを諦めた

「正直いって、都内で銀行評価が出るような物件は買えません。それがよくわかったので、対象を全国に広げたのです。エリアを広げてから価格帯も下がりました。同じ規模の物件でも東京で1億円するものが、地方では5分の1の2000万円から3000万円です」

とはいえ、簡単には物件は見つからない。銀行員の融資担当という、いわばプロの目から見て、購入対象となる物件は数が多くないのだ。

「ようやく見つけた物件も東京ほどではないですが、やはり競争が激しいのです。その当時、東京の業者が最低入札価格の3倍で入れることもありました。全国に広げてから、2回ほど入札していましたが、2000万円の物件に、うちが3000万円で入札すると、東京から6000万円で入札がはいるのです」

そこから購入できるまで、さらに1年が経過する。

「方向転換してしばらくたった頃、栃木県にピンとくる物件を主人が見つけました。鉄筋で道路付がよい理想的な物件でした」

栃木県は金井さんの出身県ということで、土地勘がある地域。物件のある街は駅へのアクセスもよく、公的機関やオフィスも近い。

1階が店舗で2階以上が住居という10室のマンションです。前面道路が広く、間口も広くて駐車場も増やせそうです。夫婦ともどもぜひ欲しいと思う物件でした。ということは、つまり他の業者も狙ってくるということです。最低入札価格は3800万円、坪数やかかる修繕費からいうと4300万円程度の入札が多いのではないかと推測して、入札価格は4800万円としました」

その結果、競売をはじめて3年目にしてようやく落札することができた。

「蓋をあけたら、たしかに4200~4300万円が何人もいたのです。もし3倍の値段をつけてくる東京の業者がいたら落札することはできませんから、ラッキーだったとも思います」

融資についても、積算評価が1億円あるということから、日本政策金融公庫から満額+修繕費を借入することができた。

「本当に買えてよかったと思っています。法人借上げだったところ一斉退去で空室からスタートしたこと、経験不足からリフォームがうまく進められなかったことなど、その後にも様々な問題がありましたが、なかなか買いたいと思う物件がない中、理想の物件が購入できましたから」

金井さんに物件取得ができた理由を聞くと、ずばり「地域を変更したから」

地域以外の条件については一切妥協しなかったため、すぐに買うことはできなかったが、それでも買える可能性は広がったという。

なかなか買えないときは、絶対に譲れない部分と、ここは仕方ないと妥協できる部分これをしっかり見直した方がいいと思います」

競売資料02_2

金井さんの購入した鉄骨マンションの資料 物件明細

競売資料01_2

ご主人が作成した事業計画書と物件調査結果

現金戸建て投資は、ライバルが多すぎて、なかなか買えない!
(東京都在住 西原真琴さん 40代 主婦)

主婦や派遣社員など低属性の投資家を中心に、盛り上がりを見せるキャッシュ購入の戸建て投資。融資というレバレッジを使わない分、投資スピードは遅いが、小規模のため低リスクではじめられることから、とくに女性投資家に人気を集めている。

東京都在住の主婦、西原さんが、物件購入を決めたのは2003年のこと。都内の戸建てを探しはじめた。

予算はコツコツ貯めた1000万円です。東京都心から城南地域を中心に床面積50㎡以上の戸建てを探していました。築年数は問いませんが、駅からの近さなど立地は重視しています」

物件探しは、様々なサイトをチェック。特に、マイホーム向けの情報をチェックしていたそうだ。

西原さんが教えてくれた物件の検索条件はコチラ!

・エリア:東京都23区内
・金 額:1000万円以下
・利回り:戸建賃貸

≫今すぐ、上記の条件で「楽待」の物件を検索してみる!

 

「マイホーム向けといっても、違法建築だったり、既存不適格(建てた当初は適法だったが、法改正により現在は違法となっている物件)だったり、借地権や再建築不可(建てなおしができない)とうように、低価格の物件はワケありばかりです。何軒も見に行きましたが、なかなか、これはという物件には出会えませんでした」

見に行った中には、港区青山という好立地ながら、カビだらけでペット臭がしみついたボロボロの再建築不可物件や、吉祥寺から徒歩圏ながら家の真ん中に亀裂が入って傾いた借地権物件など、とても購入できるような物件ではなかったという。

「探していると都内でも、意外と安い物件は見つかるものです。しかし、古くてボロいのは覚悟していましたが、リフォームにいくらかかるかわからない物件は買えません。ごくまれに“この物件なら欲しい!”と思える物件が出ますが、あっという間に売れてしまいます」

聞けば都内低価格投資は、そのほとんどは融資が付かないような物件ばかり。そのため、現金購入できる投資家が狙っている。つまり購入スピードが速く、物件が出たら奪い合いになるそうだ。また築古物件を愛好する投資家同士のコミュニティもあり、情報交換を行える反面、それぞれが強力なライバルとなっている。

「今の不動産投資ブームで、1棟物件でも情報が出て数分でなくなる……なんて話を聞きますが、都内の格安戸建てに関していえば、もっと前からそのような状況です。結局、私は1軒目の戸建てを買うまで4年かかりました」

西原さんが購入したのは都内S区、JR駅から徒歩10分以内にある築40年の戸建て。金額は約1000万円。延べ床面積が100㎡近くあるので20万円近くで貸し出すことができる。なんと利回り20%と近いそうだ。

「商店街がすぐ近くにある利便の良い立地です。リフォームは必要ですが、長く待っていたかいがありました。今でも満室稼働しています」

西原さんは条件を変えることなくずっと探し続けていたが、このままずっと買えないのでは……という不安はなかったのだろうか。

「それはありません。東京には古い住宅がたくさんありますから、待っていれば必ず物件は出ると信じていました。当たり前の話ですが現金で購入する投資法は、購入するときに現金を使わなければなりません。よっぽど資金が潤沢でない限り、立て続けに買うことができませんから、購入する物件からしっかり収益を得なければ次に進めません。

とくに都内の激安物件は、リスクがあると言われている物件が多いですから、妥協をしないで吟味に吟味を重ねた方がいいと思っています」

キャッシュフローと貯金をベースに現金投資を進めている西原さんだが、彼女にとって今は貯めながら待つ時期だとか。

数百万円程度で購入する戸建て投資が流行っていますが、それが1000万円を超えるとライバルが減りますから、またコツコツ貯めて次のタイミングをうかがっています。もちろん、情報収集は怠りません」

西原さんの場合は、その投資手法から、はじめからスピードを求めていないのも買えない時期を脱出できた理由のひとつ。これからも時間をかけてじっくり進めていきたいという意向を持っている。

再建不可戸建て (1)

西原さんの購入した都内S区にある戸建て。外観

西原さんの購入した都内S区にある戸建て。 内観

西原さんの購入した都内S区にある戸建て。 内観

 

こうしてみると、買えない時期を経て購入に至った投資家には、共通項がある。それは、絶対に諦めないこと。本郷さんや西原さんのように、条件を変えずに買いたい気持ちをずっと保ち続けている投資家もいれば、金井さんのように条件に折り合いをつける投資家もいるが、とにかく「必ず買える!」と信じて行動を起している

行動し続けるにおいて、やはりモチベーションは一番。投資仲間がいたり、夫婦で協力したりと、投資について相談したり話し合える環境があるのも大きいようだ。

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