不動産投資で成功を収めている著名現役投資家に「もし、これから不動産投資をはじめるのなら、どんな物件を選ぶのか」をインタビューする当企画、第3回は藤山勇司さん。
競売不動産が世の中にほとんど知られていない22年前、商社マンでありながら業務の一環として手さぐりで競売投資をスタート。その後、勤めていた商社が倒産して専業大家となった経緯を持つ、まさに海千山千の投資家だ。
自身の体験を元に著した『サラリーマンでも「大家さん」になれる46の秘訣』がベストセラーとなり、これまでの著作が25冊という作家としての一面も持っている。
競売不動産投資もすっかりメジャーとなってライバルが増えた今、藤山さんは一体どんな物件を選ぶのだろうか?
節約と株で、たった1年半で自己資金1250万円をつくる
藤山さんがはじめて不動産投資にチャレンジした22年前には、競売不動産はもちろん、不動産投資自体もマイナーで、一般のサラリーマンで知る人はほとんどいなかった。当時、サラリーマンだった藤山さんはなぜ競売で不動産投資をはじめることになったのだろうか。
「既に倒産してしまいましたが、私は大倉商事株式会社という商社に勤務していました。ここはホテルオ―クラや大成建設の親会社でした。ラーメンから人工衛星まで、総合商社の一角を担っていた会社です。
新規事業として、競売不動産を落札しリフォームして転売する……そんなビジネスモデルはどうだろうかと、稟議起案をしたところ会社からは“話はわかるが実績がないからダメだ!”という、つれない返答でした」
競売不動産ではどのようなリスクがあるかわからないし、実際に儲かるのかもわからないとしごくまっとうなものだった。
「そこで“それなら自分で実績をつくります!”と部長に啖呵をきります。とはいえ、当時の私は預貯金もない状態でした。“会社からは一切貸さないぞ”と部長から言われました。 ではどうしたか?
まず自分の愛車、マツダのペルソナを叩き売りました。そのころ私は手取りで31万円ほどもらっていましたが、1日1000円で暮らす生活に切り替え、月額27~28万円を貯金に回し、ボーナスも全額を貯めました。独身で寮暮らしでしたから、そんな無理もききました」
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