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昨今、団塊世代の退職に伴って「二地域居住」が注目を浴びている。「二地域居住」とは、平日は都市部の住居で生活し、週末は農山漁村で生活するといった、生活区域を2つ構える生活スタイルのこと(国土交通省のHPより)。

例えば、退職した親が都市部を離れ田舎へ引っ越し、都市部に残る子は週末に親元を訪ねるようなスタイルが見受けられる。「二地域居住」は地域振興のために国土交通省が推進している生活スタイルでもある。

この「二地域居住」の流行は、地方の不動産需要を高めていくように思えるが、実態はどうだろうか。本記事では2005年の国土交通省のアンケート調査結果と2015年の内閣府の世論調査結果を用い、「二地域居住」の一端を明らかにした。

二地域居住の実情

2005年に国土交通省が公表した『「二地域居住」に対する都市住民アンケート調査結果と「二地域居住人口」の現状推計及び将来イメージについて』によると、二地域居住人口は2005年当時で約100万人と推計されている。また、二地域居住に関する各種政策支援の実施・普及が想定された将来シナリオによれば、二地域居住人口は増加し、2010年に約190万人、2020年に約680万人と見込まれていた。

しかし、今月内閣府によって公表された『国土形成計画の推進に関する世論調査の概要』によると、2015年現在の二地域居住人口は約76万人と算出できる。2005年に行われた見込みには到達せず、逆に減少していることがわかる。

二地域居住の今後に注目

一方で、同資料では約3割の人が二地域居住に関心ありとし、関心のある人が二地域居住を実現するために必要なことは、経済的余裕(85.2%)、時間的余裕(64.1%)であるとの回答結果も出ている。制約付きだが、二地域居住の需要は確実に存在する。

今後の国土形成計画によって、交通インフラ網の整備が進み、二地域居住に対する各種政策支援が有効に実施され、経済的・時間的コストが減少すれば、二地域居住者は増えていくものと思われる。

二地域居住と不動産需要

現時点では、「二地域居住」が地方の不動産投資に与える影響は小さい。しかし、今後の政策次第では重要な要素となる可能性は十分にありえそうだ。

 

○参考:

・内閣府『国土形成計画の推進に関する世論調査の概要』より約76万人を算出
 http://survey.gov-online.go.jp/h27/h27-kokudo/gairyaku.pdf

・国土交通省『「二地域居住」に対する都市住民アンケート調査結果と「二地域居住人口」の現状推計及び将来イメージについて』
 http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/souhatu/
h16seika/14hantei/14_nichiiki04.pdf