これは単なるくい打ちデータの偽装ではない

今回の問題は、単に「くい打ちの作業員が、途中で掘削を止めてズルをした」というだけの話ではありません。
問題は
「設計して準備していたクイの深さになっても支持層が出てこない」
「工期もないし、クイを長くすると予算も増える」
「たぶん大丈夫だろう、予定深度のまま打設しちゃえ」
「バレタラこまるので、データを偽装した」すると、
「全然大丈夫じゃなくて、建物が傾いちゃった」
ということです。
なお、テレビなどで説明している図面はちょっと違います。横浜市が説明用に配布している図面が正しいです。

データ偽装そのものはよくある話だと思う

「記録器の紙送りが悪かったり、インクが途中で切れて書けていない時など、後で自分の手で書き加える」といったことは現場ではよくある話だと思います。すべての記録が完璧にきれいなグラフになっているなどとはとても信じられません。しかし、それは施工そのものがちゃんとできている場合の話で、今回のように支持層に達していないことを隠すための偽装ではありません。

工期と予算が一番の問題

本来なら、予定していたクイの深度まで掘削して支持層が出てこなかったら、クイを追加(継ぎ足しか、新たに作るか)しなければなりません、それが当たり前です。しかし、そうすると、工期が大幅に伸びますし、予算も超過することになります。
そこで、だれか(作業員か、下請けか、元請けか、発注者か、あるいは全員か)が「まあ、大丈夫だろう」ということで、その深度で止めたのだと思います。

こうした欠陥住宅を避けるためには

こうした事態、意図的なミス、不注意によるミスは、どうしてもでてくる、避けられないことであると思います。また、建物が建ってしまったら、もうわからないことも事実です。ならば、こうした欠陥住宅をできるだけ避けるにはどうしたらよいか。

建設ラッシュの時の建物は買わない

まずは「建設ラッシュの時に建てられた住宅は買わない」ということだと思います。今回のマンションも2005年着工で、建設ラッシュがピークの時でした。また、同じく横浜市でクイが支持層に達していなかった「パークスクエア三ツ沢公園」も2003年着工で建設ラッシュが始まりかけた時でした。

建設ラッシュ時期は、どうしても工期に無理が多く、それが工事の質に影響を及ぼすことは避けられません。

大手分譲の建物を買う

問題が発覚した時に、ちゃんと保障してもらえるかどうか、これはやっぱり大手のほうが安心ですね。小さな会社だと、問題が発覚した時には、もう会社がなくなっていることも多いですから。

クイ基礎のことだけを考えると

ちょっと専門的な話で、クイ基礎のことだけを考えると、確かにここは問題が起きやすそうです。山・丘陵に近接した平地(軟弱地盤)では、クイ基礎の深度を適正(長くてもお金がかかるし、短いと今回のように大変なことになる)に設計することはかなり大変です。問題が起きやすい地盤といえます。

これを語り始めると長くなるので、今回はこれくらいで。