すでに不動産の価格に含まれている自然災害、まだほとんど含まれていない自然災害。色々とありますが、価格に含まれていない可能性が一番大きいのは造成地の盛土・切土の区別です。

宅地の切土と盛土では災害に対しての危険性がまったく違う

これは以前、一度書いたことですが、宅地の切土と盛土では、特に土砂災害に対する危険性がまったく異なります(地震時の振動もだいぶ違います)。

これは以前にも書いたことなので、それを要約すると:

  1. 山地や丘陵地を造成した場所では、自然災害に対する危険性は、切土部と盛土部ではまったく異なる
  2. 盛土部は大地震時には沈下・崩壊の被害が多発する
  3. 切土部は地震時の揺れが少なく、被害がほとんど発生しないことが多い
  4. 一番被害が多発するのは切土と盛土の境界部
  5. 1970年以前の造成地では特に注意

古い造成地では切土・盛土の区別は価格には反映していないものが多い

古い造成地(だいたい1990年以前)で、切土・盛土の区別と公示地価の差を調べたことがあります。

結論は「古い造成地では、地価は切土部と盛土部で有意な差は生まれていない」でした。当然、地価は色々な要素で決まるので、まったく同じものを比較するわけにはいかないのですが、少なくとも盛土部だから安い、切土部だから高いという、はっきりとした傾向は見られません。

ただ、最近の造成地では最近作られた造成地では、そこが切土なのか、盛土なのかが、購入者にもわかるようになっているものが増えてきました。またその価格も切土・盛土の区別をある程度反映しているものもあります(それが適切な価格差とは思えませんが)。

災害が起こった後も、地価の変動に差はない

災害が起こって盛土部が被災した時、当然、被災した場所は土地の値段が大きく下がります。ただ、不思議なのは、その周辺の土地の価格の動きが、切土部も盛土部もほとんど同じであることです。

我々専門家からしますと「被災した部分のみが特に悪かったわけではなく、その造成地の盛土部分のすべてが同じような問題を抱えており、次の災害では他の盛土部分も災害が発生する可能性がかなり大きい。そのために盛土部の価格は下がってしかるべき」と思うのですが、土地の価格はそのようには動いていません。

切土か盛土かを調べる→状況は大きく変わってきた

「切土と盛土の価格差がない」というのは、そこが切土か盛土かを調べる方法がほとんど無いというのがひとつの理由でした。しかし、ここ数年で大きく状況が変わってきています。切土・盛土を調べる方法→これは次回。