「不動産の価格と自然災害リスク」の関係についての続きです。

法律で指定された場所は、すでにリスクが価格に含まれていることが多い

土砂災害(地すべり、土石流、がけ崩れ)については、土砂災害防止法、砂防三法などの法律が定められています。こうした法律で指定された場所では、様々な制限が課せられますし、不動産取引に際しては告知義務があります。

こうした場所では、指定された場所と指定されていない場所の間には明瞭な不動産価格の違いがあり、すでに自然リスクが価格に含まれていることが多いように見えます。(ただ、それが適正な価格かどうかというと、そうではないような気もしますが)

新たに法律で指定されると価格が大きく下がる

土砂災害防止法というのは比較的新しい法律です。そのため、現在は危なそうな場所を調査して危険地域に指定することを徐々にやっている段階です。

この指定の作業がなかなか進まないのですが、このひとつの原因に、指定されてしまうと地価が大きく下がるため、地主さんが反対するということがあります。

確かに、法律で指定される前後の地価の変化を見ると、土砂災害防止法で指定された場所は、はっきりと不動産価格が下がります(もっとも、公示地価については、鑑定士さんが法律による指定を勘案するという事情もあります)。

不動産価格が下がるので法律の指定は大変

私の知人にも土砂災害防止法に基づく指定のための調査をやっている人たちもいますが、彼らに言わせると「いあや、特に地元説明が大変なんですよ。そもそも技術的なことだけで決まりませんから」ということでした。

法律で指定されても不動産価格が変動しない所があった

色々な場所の不動産価格の変動をみている中で、土砂災害防止法で指定されても、不動産価格が変動しない場所がありました。「おかしいな、どうしてかな」と長年思っていたのですが、最近、現地へ行ってわかりました。法律で指定されても不動産価格が下がらない場所というのは「もともと、誰が見ても非常に危ない(例えば崖のそば)」場所で、すでにリスクを過剰に含んでしまっているのですね。