僕は今年まで確定申告は白色申告を利用していたのですが、来年(今年度の所得分)の確定申告から青色申告を利用することにしました。

一般的に不動産経営の事業的規模とは5棟10室が基準とされています。ただこの数字はあくまで目安なので絶対に必要な条件ではありません。

例えば区分マンションを8室しか保有していなくても1室の月間家賃が50万円であれば、8室の年間家賃収入は4,800万円になります。文句無しで立派な事業的規模ですよね。

50万円 × 12ヵ月 × 8室 = 4,800万円

逆に区分マンションを12室保有していても1室の月間家賃が2万円であれば、12室の年間家賃収入は288万円になります。これだと(数字上では)基準はクリアしていますが事業的規模とは言えません。

2万円 × 12ヵ月 × 12室 = 288万円

一概に保有物件数や年間家賃収入だけでは判断ができないケースも多いので、少しでも可能性があれば税務署に相談するべきですね。

※ちなみに今回の論点はここではありません。

事業的規模に満たない場合の申告は?

ですが、実は事業的規模に満たない場合でも青色申告を利用することは可能なんです。

確定申告の種類には「白色申告」、「青色申告(最大65万円控除)」、「青色申告(最大10万円控除)」と大きく3種類に分けられます。青色申告にはいくつかありますが一番分かりやすいメリットは青色申告特別控除です。

そして不動産経営において事業的規模が求められるのは「青色申告(最大65万円控除)」を適応するための条件です。言いかえれば「青色申告(最大10万円控除)」であれば事業的規模であることは求められないんですね。

それでは「青色申告(最大10万円控除)」を利用したい場合はどうすれば良いでしょうか。

青色申告を利用するには青色申告承認申請書を提出する必要がありますが、記載する際にはいくつか注意点があります。
まずは簿記方式を選択します。複式簿記で確定申告を提出する場合は65万円の控除が適応されますが、簡易簿記の場合は10万円です。勿論、複式簿記の方がお得なのですが、不動産経営の場合は事業的規模での経営と認められないと65万円控除は適応されません。
他にも備付帳簿名と言う項目があり青色申告のため備付ける帳簿を選択します。かなり沢山あり最低限どれを選択すれば良いのか分からなかったので電話で税務署に確認したところ、「現金出納帳」、「経費帳」、「固定資産台帳」、「総勘定元帳」、「仕訳帳」辺りを選択していれば問題無いとのことでした。
ただ選択したからと言って必ず用意しなければいけない訳では無いのでここでは特に心配はいらないですよ。

実はもう一つ必要な書類が…

青色申告を利用するにはもう一つ必要な書類があります。それは開業届です。「当たり前だ」と言われてしまいそうですが…僕、実は青色申告承認申請書を提出する際、実際に開業届を提出し忘れてしまっていたんですね(涙)
※税務署の方にご指摘頂きました。

当初より相続などにより事業として不動産経営をしている場合は既に開業届を提出しているはずですが、一般の会社員が(不動産経営と言うよりは)投資目的で小規模な区分マンションなどを所有する場合は、余り事業だと意識しておらず意外と開業届の提出をしていない場合があります。
青色申告を利用しない場合はそもそも開業届は提出する必要(義務)は無いから余り意識しないかもしれませんが、青色申告承認申請書の受付けは開業届が提出されていることが前提となります。
※一般的には開業届と青色申告承認申請書を併せて提出することが多いです。

ちなみに青色申告承認申請書は開業した年以外で提出する際は3月15日までに提出する必要があります。それ以降に提出した場合は翌年の所得分からの適用になります。

 

少し前までの僕もそうでしたが、不動産経営で事業的規模に満たない場合は青色申告を利用できないと勘違いしている方も意外と多いです。
また、青色申告を利用したい場合は必ず青色申告承認申請書を提出する必要がありますが、提出していても白色申告を利用することも可能なので、もし迷ったら提出しておいて損は無いですよ。
まだ白色申告の方は一度検討してみては如何でしょうか。