前回からの続きです

3 熊本地震の被害の特徴は「地盤変状」です

地盤変状とは「斜面の変状」「地面のキレツ」などです。今回の地震では、この地盤変状とそれに伴う家屋の被害が目立ちました。

<盛土した所が崩れているところが非常に多い>

今回、一見して目につくのは、石垣、擁壁が崩れているところが非常に多いことです。熊本城の石垣崩壊が、この盛土部の崩れの代表的なものですが、一般の民家でも非常に多くの、大小様々な場所で斜面、石垣、擁壁が崩れています。
そして、崩れたところが家屋にかかると、いかに頑丈な家であっても、簡単に倒壊してしまっています。

<片切、片盛の造成地では家屋は盛土部分にかからないように>

斜面の土地では上側を削って、下側に盛土して平らな宅地にすることが一般的です。こうした土地では盛土部分は切土した部分に比べてかなり弱くなっています。地震、大雨の時には盛土部分だけが被害を受けるということはよくあります。

こうした宅地では家屋が盛土部分にかからないようにしておくことが非常に重要です。

<熊本・大分は火山灰質の土砂なので良い盛土を作るのが難しい←首都圏も同じかも>

九州はシラスとよばれる火山灰質の土砂が広がっています。もともとこの地質は崩れやすいうえに、「転圧」が難しい土なので、なかなか良い盛土ができません。これも今回、盛土部分の崩壊の一因となっていると思います。
実は、首都圏でも関東ロームと呼ばれる火山灰質の土砂が広く分布しています。東京丘陵地帯の造成地は大丈夫かなあと思ってしまいます。

<自然斜面にも大きな被害>

阿蘇大橋を崩落させた大規模崩壊がこの自然斜面崩壊による被害の代表例です。この阿蘇大橋近傍、阿蘇山周辺では他にも無数の斜面崩壊があります。南阿蘇村の学生用アパートが押しつぶされて多くの被害がでたのもこの自然斜面の崩壊による被害です。

<活断層、液状化による地盤の変状もある>

今回の地震は、活断層に沿って多数のキレツ、変状が出現したのも大きな特徴です。こうしたキレツ・変状の上に家屋が建っていると、当然ながら大きな被害を受けます。ただ、「キレツをまたいで立っているのではない限り大きな影響はない」ということも言われています。

また、東日本大震災などに比べるとはるかに規模は小さいのですが、地盤の液状化による被害もでています。これは地震動による被害が大きかった益城町ではなく、熊本市西南部で液状化が多くみられたようです(すみません、これも私は見ていません)。