日本全国、どこへ行っても地震のリスクは避けることができません。しかし、そのリスクは場所によって大きく異なります。熊本地震はどの程度のリスクがあったのでしょうか。

活断層の危険度

今回の地震は「布田川・日奈久断層帯」とよばれる活断層が動くことによって起きた地震です(難しいことをいいだすとキリがないので、このように言います)。

この布田川・日奈久断層帯は、地震が発生する確率は「やや高い活断層」で「今後30年間に地震の発生する確率(最大値)が、0.1%以上-3%未満」ということになっていました(地震調査推進研究本部)。

いいかえれば、「特に重大な危険性を指摘されていた活断層ではないが、多くの活断層の中では比較的心配されていた活断層のひとつ」という感じです。

一般の方にすれば「30年で0.1%-3%なのに地震が起きた。おかしい、間違っている」ということですが、考え方をかえると「この程度の活断層は日本に数十~数百あるので、例えば確率1%とすると30年に1回くらいは(厳密にいうと、こうはならないけど、また今は活動度が高い時期なのでもう少し多く)、どこかで活断層による地震が起きてもあたりまえ」ということもいえます。

NIEDの地震ハザードステーションによると

NIEDは国立研究開発法人防災科学技術研究所という機関で、地震ハザードステーションという、地震の危険性を示す地図を公開しています。

その地図によると、九州は全体として見ると比較的地震の危険性が低い地域が多いのですが、熊本市から益城町にかけては地震に対して危険な地域として区分されています。

数字でいうと「今後30年間で震度6強以上になる確率が地盤の悪いところで5%程度、大分部の場所で2%程度、比較的地盤のよいところで0.5%程度」といったところです。

私は以前のコラムで「不動産投資で地震の危険性を見積もるためには、このNIEDの地図が一番いい」と言ってきましたが、今回の熊本地震でも改めてそれを確認しました。

不動産投資に際しての地震リスクは、このNIEDの確率を見込んでおくのが、良いと思います。

いわゆる地震予知は全滅

いわゆる「地震予知」はかなりウサンクサイものから、科学的にナルホドと思わせるものまで様々なものがありますが、今回の熊本地震を予知できていたと言えるものはありません。

中には日本全体の三分の一くらいの面積に対して「ココは地震が起きる」といっている予知なのに、九州中部だけは危ない範囲に入っていない予知などもあって、ガックリきてしまいます。

ちなみに、日本ではM=7以上の地震は年間3回、M=6以上の地震は17回ほど起きているので、広い範囲で「大きな地震が起きる」といっておけば必ず当たります。

この断層は危ないと言っている学者もいた

以前京大の総長をされていた尾池和夫さんは「布田川・日奈久断層帯は危ない」と警告されていたそうで、2013年の講演でもそのように明言されていたそうです(私は聞いてないけど)。

彼によると、現在一番危ないのは和歌山県北部の中央構造線沿いとのことです。和歌山市から橋本・吉野にかけての地域ですね。私も中央構造線沿いの地震危険度は、前から高いし今度の地震でより一層高くなったと思っています。不動産投資に際しては中央構造線沿いの町については、少し注意したほうがいいかもしれません。