こんにちは。税理士兼大家の鵜之沢巧です。

以前のコラム「融資を受け続けるための決算書の作り方」で記載した通り、融資を受けやすい決算書作成のコツについて紹介していきます。

法人で購入する

そもそも論の話として個人で購入するべきか、法人で購入するべきかという論点があります。
それぞれの事情はあるでしょうが、融資の観点からは法人で購入した方がいいでしょう。

なぜなら個人の決算書は、以下の観点から事業の実態の把握がしにくいためです。

・決算書(申告書)の枚数が少なく、そこから情報を読み取るのが困難
・貸借対照表(B/S)を作成しないこともあり、保有資産・負債が不明確
・家計と事業共用の資産や経費等あり、純粋な事業資産及び収支がわからない

一方で法人ならば、貸借対照表(B/S)を作成し、更にその貸借対照表(B/S)の各科目について詳細を示す内訳書まで作成しますので、法人所有の資産・負債については明確になります。

また、当たり前ですが、家計と費用が混同するようなこともないので、事業から生み出される収支を簡単に把握できます。

もちろん個人でもとびきり属性の良い方や優良資産を購入している方は、継続的に融資を受けることは可能です。

但し、上記で提示した通り、法人の方が事業の実態の把握が容易で、銀行員からしても評価をしやすいのです。

法人化でプロパー融資を引き出す

不動産投資を始めるとまずはパッケージ型のアパートローンで融資を受ける方も多いと思います。

これはサラリーマンとしての属性を担保に融資を受けているということです。
物件はある一定レベル以上のものであればよく、物件よりもむしろ個人の属性が大事になることも多々あります。

アパートローン自体は悪いものではありませんが、融資限度額に年収の〇倍等の制限があり、いずれ頭打ちが来てしまいます。

これに対しプロパー融資は不動産賃貸業経営者としての実績が評価の対象となり、融資の可否が決まることが多いです。
ここには融資の限度額の制限はほぼありません

不動産投資を拡大していくならば、このプロパー融資をどのように引き出していくかが重要になってきます。
そしてこのプロパー融資を受けやすいのが法人となります。

私自身も直近で購入した物件は、築40年越えの築古木造ですが、ある金融機関さんから金利1%台、返済ペース30年で借入できました。

木造で金利1%台、30年ペースで返済できる物件なんて、新築くらいだと思っていたので驚きました!
プロパー融資はオーダーメイドとはよく聞きますが、色々な可能性がありそうです

ちなみに本物件は土地値以下で比較的立地が良い場所に購入しています。
建物が使えなくなるまで持ち続けてもよし!売却してもよし!建て替えてもよし!の出口戦略が豊富な物件です。

土地値以下で購入することで最低限のリスクヘッジはできており、いずれは売却or建て替えで仕切り直しがくるはずですので、返済を長くとることには抵抗がありませんでした。

融資を受け続けるためのコツその1は以上です。
その2以降もまたコラムにしていきます。