こんにちは、税理士兼大家の鵜之沢巧です。

今回は融資のコツその2として利益に対する考え方をコラムにしたいと思います。

節税対策と融資対策の関係性

まず原則として、節税対策と融資対策は相反するものです。

ここで言う節税対策とは、例えば節税用の保険に加入したり、4年落ちの中古車を購入したりと、必要以上の経費をつけて課税所得を圧縮する行為です。

一方で融資対策は色々とありますが、やはり利益を出して純資産を厚くするということが王道です。

もちろん属性がもの凄くよくて、個人で多額の金融資産をお持ちの方や、すでに規模を拡大していて、実績が豊富にある方はこういったことは気にしなくていいとは思います。

ただ、一般的な大多数の投資家がこれから規模を拡大していくことを考えるならば、過度な節税は辞めておいた方がいいでしょう。

経費を使うことによる融資への影響

利益を出すということは当然ながら納税をするということです。
どうせ納税をするくらいなら…ということで経費を使って納税額を少なくする方が多いです。

しかしその経費、本当に事業に必要なものでしょうか?
もちろん売上の増加に結び付くような事業に必要な経費は積極的に使って頂いて結構です。

そうでない経費については、以下の2点から銀行評価上マイナスとなることを理解する必要があります。

・手許現金が減る
・利益が減り、純資産が少なくなる

特に大きな額の経費を使う場合は、この銀行評価のことを考えるようにしましょう。

具体例

例えば法人税の税率をざっくり30%とし、経費100を使ったとします。
そうすると100×30%=30の税金が少なくなります。
これが節税の効果ですね。

しかし、この経費が事業運営上の必要性が乏しい経費だったとします。
経費を使ったことによる100のキャッシュアウトがある一方で、30の節税効果があります。

差し引きで70のキャッシュアウトがあり、この分の手許現金、利益、純資産が少なくなるのです。

確かに納税額は減って節税となっていますが、経費を使うことによりそれ以上のキャッシュアウトがあり、融資に悪影響があることは明らかです。

特に投資初期の段階では少し利益が出たからといって、財布のヒモを緩めすぎないようにする必要があります。

利益が出ているときは気持ちよく納税をして、納税をした額以上の融資を低金利で受けるようにしましょう。

以前のコラムでも書きましたが、100万納税することによって1億の融資を受けられるようになることだってあるのです。