こんにちは。税理士兼大家の鵜之沢巧です。

昨日に引き続き返済期間についての個人的考え方です。

投資中期以降は短期借入もあり

短期借入のメリットは一般的には以下のようなことです。

・元金の減りが早く、純資産が増えるのが早い
・支払利息の総額が少ない
・金利が低い(場合がある)

逆にデメリットは毎月の返済額が多い、これにつきます。

これによりキャッシュフローと現金残高が増えず、融資審査においてもマイナスの影響があるので、投資初期においては長期借入方がいい、というのは昨日のコラムの内容です。

ただ、このデメリットを吸収できる投資中期以降は、短期借入をあえて選択するという方法もありだと思います。

この場合の投資中期以降とは、既にある程度のキャッシュフローと現金を保有しており、手元現金よりも純資産の拡大を優先したい場合です。

短期借入により純資産はこれだけ増える!

1億を元利均等返済で借入した場合の実際の数字を見ながら考えてみましょう。

【短期借入の場合】
金利:2%
期間:15年
年間返済額:772万

【長期借入の場合】
金利:3.5%
期間:30年
年間返済額:539万

この条件で15年経過した際の両者の純資産の差額を計算します。

【短期借入の場合】
15年で返済が完了しますので、残債は0円となります。

【長期借入の場合】
短期借入と比べ毎年の返済額は233万少なくなり、同額の手元現金が増えます。
15年間トータルだと、233万×15年=3,495万です。

一方で15年経過後の残債はまだ6,281万残っています。

仮に3,495万の手元現金を全て繰上返済したとしても、6,281万-3,495万=2,786万の残債がまだ残ってしまいます。

短期借入では残債は0円でしたので、この2,786万円分が、長期借入と比べ純資産が拡大した金額です。

これだけ見ると短期借入のほうが圧倒的に良さそうに見えます。

しかし、短期借入を選択したがために、毎月のキャッシュフローがマイナスになってしまっては、そもそも15年間も返済し続けられない可能性もありますし、次の物件購入のハードルになってしまう可能性もあります。

だからこそ、短期借入をする場合は、ある程度余裕が出てくる投資中期以降にすべきだと思っています。

上記で扱った返済のシミュレーションは、ネットで検索すると色々と出てきますので、皆さんも試してみてください。