みなさまこんにちは!
ストレージ大家のひらです。
物件を購入する理由の1つとして、
「将来建て替えられる」
ということがあります。
例えば容積率が余っている時です。
容積率200%中100%しか使っていない物件
というのは、特に珍しくはありません。
特に戸建ての場合は賃貸向けではなく、
自分が住むための設計ですから、
間取りや適度な部屋数、
使いやすい駐車場の配置などで
元々建ぺい率も容積率も使い切る発想ではありません。
仲介も「将来建て直せる」なんて簡単に言います。
私もそういう目線で確かに物件を見ることがあるし、
以前私の弟子志願者(弟子は却下)はそんな物件を見つけてきて、
私も「有り」だと答えしました。
ですが、今一度よく考えて見て下さい。
今回は不動産投資の逃げ道のように存在する、
「建て直し」の話をしたいと思います。
建て直しは現実的か?
建て直しというのは果たして現実的でしょうか?
では、建て直すにはまずどういった手順が必要でしょうか?
・入居者がいる場合は退去してもらう
・退去してもらうには定期借家で契約するか引っ越し代を支払う
・退去を固辞された場合は係争に発展する
・空室の間は返済のみの支払いが発生する
・解体費用が発生する
・新たな借り換え、借入れが必要になり、融資の問題が発生する
その他建たないリスクなど様々ありますが、
これら全てをクリアするのに一体どのくらいの損失があるでしょう?
集合住宅は難しい
ここで集合住宅の場合は大変難しいとわかると思います。
6戸あったとして、2年ごとの普通借家の契約なら、
すんなりいっても全空にするのに2年近く時間が掛かる覚悟が要ります。
引っ越し代も1戸50万なら300万、
その間家賃が入らないのですから、
その分の自己負担もあります。
途中から定期借家に切り替えて募集したら埋りは悪くなります。
もっと強引なやり方もできるかも知れません。
契約途中でも引っ越し代を上積みするなど。
ですが、その分ペイできるでしょうか?
新たに現金投下しないとならなくなったり、
建て直すまでの期間現金が拘束されたり、
自腹で返済したり、
案外計算すると割りに合わないものです。
実はこれらもろもろの煩わしさやリスクを考えると、
それならもう一棟フルローンで買ってしまた方が手っ取り早い
となるのです。
まして退去しないと言い出す入居者が現れれば混沌とします。
実は戸建て向き
実はこの建て直すというスキームは戸建て向きです。
戸建ての場合、退去のタイミングで全空になります。
引っ越し費用も発生しません。
ただ戸建ての場合も、
融資を引き直したり、
空室と借り直すまでの間やはり自腹で返済したり、
なかなか大変です。
そして何よりいつ退去してくれるかわかりません。
建て直すなら今
実は、
いずれ建て直す、最後は建て直せる、
というスキームは、
後にすればするほど機会損失そのものなのです。
もし建て直すことを考えているなら、
後ではありません。
やるなら今です。
入居者がいて退去がわからないものを買うのではなく、
いま空室か退去に応じてくれる物件を買うべきなのです。
建て直しというのは案外現金も拘束されれば、
入居者との軋轢も生まれますし、
何より機会損失が大きいです。
それまでの間も良い投資であるなら、
出口を盤石のモノにできるという補完の意味合いもありますが。
もし建て直すことを目標に買うのであれば、
その間は非常に効率が悪くなりますので、
初めから建て直せる物件を購入した方が良いです。
ですから私は将来建て直せるは最近あまり意識していません。
やるなら今です。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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