こんにちは。税理士兼大家の鵜之沢巧です。
税理士をしていると、副業がばれるかどうかについて聞かれることが多く、サラリーマンの方はかなり気にしています。
まずは就業規則を確認
お客様のお話を聞いていると、個人で行っている不動産投資ならば副業に当たらないとしている会社が多いように感じます。
これは以下のように考えられていることが原因かと思います。
・相続で親から不動産を取得するケースもある
・不動産投資は時間的制約が少なく、仕事に支障を与えない
・事業ではなくあくまで投資である
一方で法人を設立して不動産投資をした場合で、その法人の役員となっている場合は、副業とみなされるケースが多いです。
これは、たとえ給与を受け取っていなかったとしても、形式上はお勤め先以外の会社に所属していることになるためです。
理解ある会社ならば、人事に説明してOKをもらえるかもしれませんが、基本的に厳しいでしょう。
お勤め先からしたら、行っている事業が本当に不動産投資のみなのかを確認するのは難しいからです。
やっていることは同じ不動産投資にも関わらず、個人と法人でこのような違いが出てきます。
個人の不動産投資はなぜばれるのか?
個人で行う不動産投資は副業に当たらないとしている会社は多いと伝えましたが、まだ一部の会社や公務員では厳しいというケースもあるようです。
また仮に副業に当たらなかったとしても、変に勘繰られるのも嫌なので、隠しておきたいという方もいると思います。
こういった個人の不動産投資(不動産以外の副業も含む)が会社にばれるのは、住民税の通知書が原因です。
住民税の通知書は毎年5月頃にお勤め先に届き、その通知書に記載されている金額で、6月以降の給与から住民税が天引きされます。
この通知書には住民税の計算の根拠が示されています。
例えば給与が〇〇万、不動産所得が〇〇万なので、住民税は〇〇万です。というような感じです。
これを人事に見られることによって不動産投資を行っていることがばれてしまいます。
利益が出ていれば普通徴収を選択すればOK!しかし、損失の場合はNG!
このことを説明すると、普通徴収を選択しているから大丈夫なはずと言う方がいます。
普通徴収とは不動産やその他副業にかかる住民税を自分で納める方法で、これならば確かに住民税の通知書からは副業の有無はわかりません。
ちなみに普通徴収を選択するとは、以下(申告書2枚目(第二表)の右下部分)の赤枠の箇所にチェックをつけるということです。
しかし、この方法は利益が出ている時しか使えません。
損失となっている場合は、そもそも自分で納める住民税が発生しないためです。
従って損失の場合は、お勤め先に不動産投資がばれてしまうリスクは残ってしまいます。
損失だけどどうしてもばれたくない場合は…
不動産投資を行うのがNGで、どうしても副業がばれたくない場合は、あえて経費を削って少しだけ利益を出すという方法もあります。
これならば利益が出ているので普通徴収を選択できます。
また、損失の場合はそもそも申告義務がないので、申告をしないという方法も考えられます。
但し、申告をしないと融資の申し込みをした際に申告書を提出できないので、次の物件購入を検討している方は、経費を削る方法をおすすめします。
最近は副業解禁の流れもありますので、不動産投資をしていて、問題になるケースは少ないとは思いますが、気になっている方も多いのでコラムにしました。
次回は法人で不動産投資を行っているケースについて記載します。
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