こんにちは。税理士兼大家の鵜之沢巧です。

今回は私が銀行員から聞いた銀行内部の決裁権限について少し記載したいと思います。

支店決済と本店決済

融資を申し込むと支店決済で承認を取れることがあります。

支店決済の場合は、承認を取れるスピードが速く、優秀な担当者ならば、既に支店内で上長に根回しをしていますので、融資NGになることというのは少ないです。

一方で本店決済の場合は、時間もかかりますし、支店ベースで融資OKとして稟議をあげていたとしても、本店で覆されてしまうこともあります。

一般的には融資金額や返済期間、その人の年収・既存借入残高・決算書の内容等で支店と本店どちらで決済するか決まります。

また、支店ごとに支店内で決済できる条件に違いがあります。
たとえばA支店ならば2,000万までならば支店決済できるが、B支店ならば5,000万まで支店決済OKということがあり得ます。

基本的には規模の大きな支店の方が決済枠が大きいと考えた方がいいでしょう。
この点を踏まえて、近隣にある支店のうち、大きい支店にアプローチするというのも有効かもしれません。

ただ、不動産投資ですと融資の申込金額が大きくなりがちですので、戸建てや少額のアパートを除き本店決済となることが多いように思えます。

本店決済でも審査する人数が変わってくる

本店決済だったとしても、更に本店内で審査をする人数も変わることがあります。

ある金融機関ではその金融機関からの融資残高に応じて、以下のように審査人数が増えていくそうです。

1億まで    本店審査1名
3億まで    本店審査2名
5億まで    本店審査3名
10億まで    本店審査3名+取締役会
10億超     本店審査3名+取締役会+頭取

当然ながら本店審査の人数が増えると、担当者の手間も増えていきます。
にも関わらず融資の難易度もアップするので、融資残高が増えていくにつれて、担当者が及び腰になり、審査をする前から融資を断られることもあると思います。

このように融資残高が多いからという理由で融資NGとなってしまった場合は、すぐに改善は難しいので、他の金融機関にあたった方がいいのかもしれません。

本日も最後までお読み頂きありがとうございました!