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 同じ満室時年収の物件があったとして、短期入居と長期入居でどれだけの収入が異なるかを計算して検証してみましょう。

 一般的にワンルームの狭い部屋は短期入居物件です。学生対象では2年~4年の入居で退居していきます。
 ある程度広くなり、ファミリータイプだと長期入居が見込めます。子供がいる家庭では学校の都合もあるので短期での引っ越しはあまり考えません。また高齢者向け物件も長期入居の傾向があるようです。

 物件を選ぶときに、表面利回りに注目が行きがちで、どの層をターゲットとしている物件かはあまり問わない人も多いと思われますが、実際の手残り金額は長期入居と短期入居で大きく違ってきます。

短期入居物件と長期入居物件の収入差を計算してみました。

 同じ満室時家賃年収が720万円(一部屋あたり家賃6万円で10室)の物件で、短期入居と長期入居でどれだけの収入が異なるかを計算してみましょう。

 短期入居のアパート(A棟とします)は、狭いために概ね22ヵ月で退居してしまうと仮定します。募集期間は2ヵ月です。つまり2年間で2ヵ月は空室であるということです。稼働率は92%になります。
 同時に退去時のクリーニング等の修繕で毎回4万円。新規入居が決まれば、ADや仲介手数料で2ヵ月分(合計12万円)かかるとします。つまり1回の入退居で合計コストが16万円です。
 2年間で入退居が起こりますので、全部で10部屋のこのアパートは1年あたり5件ほどの入退居があると見込めますので、1年間の入退去に伴うコストは5件×16万円=80万円かかると見込めます。

 満室時720万円ですが、稼働率が92%なので家賃収入が年間660万円。5%の不動産管理課者への手数料で33万円。入退去コストで80万円。固定資産税や共用部水道光熱費やローン返済などの他のコストを計算に入れなければ、この時点での収入が年間547万円です。

 一方長期入居アパート(B棟とします)は、平均入居期間を46ヵ月として、募集期間を2か月とします。各部屋が4年で入れ替わる計算です。年間で2.5件の入退居が起きる計算です。その他の条件をA棟と同じとしまします。

 細かい計算は省きますが、結論からいうと、入退去コストが年間40万円でA等の半分です。稼働率も良いので年間家賃収入の見込みが690万になります。よって同様計算で収入が年間615万円になります。

 A棟とB棟の収入差は年間約69万円になります。同じ満室時年収でも10%の差分が出てきます。

長期入居者をターゲットした物件のほうが10%程度効率が良い。

 いかに長期に入居してもらえる物件のほうが長い目で見て効率よく稼ぐことが出来るかが分かります。逆に言えば、大家として現在の入居者向けサービスを拡充して長期に入居してもらえるような対策を施すことが収益向上につながると考えても問題ありません。

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根本 伸之