一般的に消費者が物を買う場合、大方の商品には定価が存在します。

最近ではオープン価格という定価の存在しない商品もありますが、

大体の金額は決まっており、

特別高いとか安いとかという商品は少ないでしょう。

不動産物件においては定価がありません。

相場みたいなものはありますが、これはあくまでも参考価格みたいなものです。

普通の商品と違い、同じものが存在しないことから定価が付けられないのです。

 

とは言うものの、不動産にも値段は表示されます。

これは税金課税価格を基準にしたり建築価格を基準にしています。

しかしあくまでも基準であるため、値段は有っても無いようなものなのです。

いわゆる売手側の言い値で価格が付けられているのです。

そのため、買い側の評価額とは数千万円の乖離が発生することもあるのです。

 

提示されている金額が妥当であると買手側が納得できれば売買は成立します。

買手側が高いと思い○○円でなら買いたいと申し出て、

売手側が納得すれば成立です。

売手と買手が双方で歩み寄った金額で成立する場合も有ります。

このように買手が希望金額である指値をすることにより金額は下がるのです。

ただ、現在の不動産市況では売手市場の為、

人気物件では指値はあまり行われていないようです。

指値をすれば満額で提示している買手に買われてしまうというのが現状です。

 

しかし割高な物件をわざわざ売手の言い値で買うのは馬鹿馬鹿しいと思います。

本当にその言い値の価値があるのなら自己判断で買えば良いのですが、

なかなかそういった物件はお目にかかりません。

私の周りでは、

実際の価値以上の金額で買っているとしか思えないような買い方です。

物件が欲しいけどなかなか条件の良い物件が無い場合に起こる現象です。

購入後に赤字になって後悔しなければ良いのだが、と祈るしかありません。

 

今の売手市場では指値はできないのか?といえばそうでもありません。

人気物件をわざわざ買わなければ良いのです。

人気物件は何らかの良い条件が揃って人気があるのでしょうが、

本当にその条件が良い条件なのか十分に検討しなければわかりません。

実際に買ってしまったあとに、

「こんなはずじゃ無かった!」なんて事例も多くあります。

物件を見た目上良くしているハリボテ物件も実際に存在します。

私は人気の無い物件を吟味し、その物件の不人気理由を洗い出し、

不人気理由は対処できないものなのか検討する必要があるのでは?と思います。

何らかの形で対処できるようであれば、

そういった不人気物件は指値が有効です。

ライバルが居ない場合も多く、長年買い手が付いていなければ売手も弱気です。

例えば外壁の痛みが激しく見た目が悪いなんて物件であれば、

外壁修繕費を大目に見込んだ指値で通ってしまうことがあります。

そういった物件であれば外壁修理をしたばかりの物件を買うことができ、

同時に指値まで通ってしまったという二重の好条件が付いてくるのです。

 

不動産物件は定価が無いからこそ指値がしやすいと考えます。

1億円の言い値物件を8千万円で購入したなんて事例は山ほどあります。

いきなり2千万円の値引きなんて相手の気分を害してしまうのでは?

なんて考える人も多いでしょう。

でも実際にその価値であると判断したのであれば、

それ以上の価格で買ってはダメです。

交渉の方法として若干希望価格よりも安い価格を提示して、

希望価格で決定でも良いでしょう。

いずれにしても自分が思っている価値以上で買ってしまうと、

あとで後悔することになります。

高い買い物ですので高値掴みは避けたいところです。

 

戸田 匠