皆様こんにちは,リスク管理大家です。前回の続きです(前回を読んでいない方は是非昨日のコラムを読んで下さい)。先日大家仲間から電話がありました。話を聞いて見ると,セミナーで知り合った不動産業者が投資用区分マンションの営業をしている。誰か紹介してほしいとのことで営業マンに会ったのですが,資料不足で出直してくることになりました。今度は上司も同行しています。

営業マンが上司を連れて出直してきました

 最初に営業マンが来て3日後,その営業マンから電話が来ました。この前の宿題の回答ができたので是非伺いたいとのことでした。次の日の午前中私の家に上司を連れてやってきました。

営業マン「先日は大変申し訳ありません。今回は色々資料を取り揃えてまいりました。こちらは私の上司でCといいます。今回の資料の補足説明をお願いしております。」

上司「先日はうちのAが勉強不足で大変申し訳ございません。前回のお話を聞いて私も彼に厳しく叱りました。お客様は高い買い物をするのに,お客様が満足する資料を作るのは当然だろうと。今回はリスク管理大家さんも満足されると思いますよ。」

上司の方は50代で一見バリバリできる営業マン風です。営業成績も良さそうです。名刺には営業部長の肩書がありました。

「いえいえ,こちらこそご足労かけて申し訳ありません。それでは説明の方よろしくお願いします。」

営業マン「はい!わかりました。前回の質問の年間の実質利回りなんですが,こちらの資料の通り,金利が1%と仮定すると,月々の家賃収入は12.5万円,管理費等積立金,固定資産税等を考慮すると年間30万円のCFがでます。」

「そうですか~まず質問がいくつかあるのですが,家賃収入12.5万円って高くないですか?私あれから,物件の近くの家賃相場を調べてみたんですよ。2LDKで相場は8万~9万位ですよ。」

営業マン「・・・・・・」

上司「やはり新築ですので,設備も他の物件と比較して段違いですし,今回はリスク管理大家さんには特別に最初の1年間は家賃保証をお付けしようと思っているんですよ。」

「それって新築プレミアってことですよね。3年位までならその家賃設定でいいと思いますが,それ以降その家賃は取れませんよね。それは,事業計画に加味されているんですか?あと最初の1年間は家賃保証付けるとおっしゃいましたが,新築で家賃保証を付けなければならないほど入居付けが難しいんでしょうか?」

上司「いえいえそんなことは無いですが,万が一入居付けが遅くなった場合でも私どもでその家賃をお支払いしますよっていう意味です。入居付けが難しいのであれば,私どもが損をしてしまいますので,逆に入居付けに自信がある証拠と思って下さい。」

新築プレミアムの家賃設定は?」

上司「私どもの販売しているマンションのブランド力では3年程度で家賃が下がるとは考えておりません。実際同じシリーズのマンションでは家賃が上がっている例もある位です。」

敵もさるもの,さすが営業部長です。

「わかりました。それでは,このマンションを買った場合のリスクについて説明してください。」

営業マン「リスクは特にありません。」リスクが無いって・・・私があっけにとられていると,上司がすかさず話に割って入ります。

上司「すいません。あえてリスクがあるとすると,金利の上昇リスクは確かにございます。ただし,日本全体の景気や人口減少を考えると,極端な金利上昇はないと考えています。」

「事業計画には,室内の補修費関連は計上されていませんが,どう考えています?まさか30年間同じ人が住み続けるとは思っていませんよね。」

上司「当然補修費はかかると思いますが,現時点で入居者がいつまで入居するのかはわかりませんでしたので,計上しておりません。」

「普通は想定でも補修費は計上しますよね,あとこのマンションの修繕積立金,あまりに安くないですか?私同じシリーズのマンションの修繕積立金調べて見たのですが,建ててから3年位で2倍になっていますよね。」

上司「・・・・・」

「そちらの計画書ではCFが年間30万円の計算ですが,実際退去があれば広告料もかかりますし,クロスの張替を考えたら20~30万円単位でお金がかかりますよね。しかもこのマンションに使用されているガス関連の給湯設備ですが,給湯設備なんてもって10年~15年ですよね。交換に50万単位のお金がかかりますよね。その辺CFにどう組み込んでいますか?」

上司「・・・・・」

「もっと言うと,30年後は支払いが終わって自分のものになるっていいますが,30年後にマンションの価値って二束三文になっていませんか?30年後は人口減りますよね。失礼ですがこの物件の地域ってもう人口減少が始まっている地区ですよね。30年後に需要があると思いますか?」

上司「・・・・失礼ですが不動産関連にお勤めになってます?」

「いえ,専業大家です。」

 それから,上司と営業マンはそそくさと退散しました。あの営業マンこっぴどく怒られているだろうな~ターゲットは間違いなくサラリーマン向けだからな~

 ここでは省略して書いていますが,実際は1時間以上も議論を交わしていました。ですが上司の口数もだんだんと減ってきて・・・でも不動産営業マンの営業トークは勉強になりました。皆様もこんな不動産の営業トークには気を付けて下さいね。

 最後までお読みいただきありがとうございます。