こんばんは。地主の婿養子大家です。検討中の一棟ビル、明日現地案内となっております。タイムリーに、携帯アンテナ基地局付きの物件です。。。購入できるかどうか、後日、報告させていただきます。

さて、今日は、「携帯基地局アンテナ」について、実際に起こった恐ろしい経験をお話しいたします。

まずは、携帯基地局アンテナの簡単な概要をご説明します。

携帯基地局アンテナとは

 

こんなアンテナがマンションや商業ビルの屋上についているのを見たことがあるでしょうか。私は、ある日こんな電話が入るまで気にしたことがありませんでした。

携帯アンテナ設置受託会社営業(以下、営業)と私のやりとり

営業 「もしもし、地主の婿養子大家さんですか?」

私  「はい。そうですが。」

営業 「私、携帯会社○○のアンテナの設置を○○より委託されて調査しております、株式会社△△の者です。」

私  「はあ。」

営業 「実は、某所でアンテナの設置が必要でして、ご所有されております、マンションが周辺エリアでは一番電波を傍受する場所に適しておりまして。」

私  「へえ。」

営業 「是非、こちらにアンテナを設置させていただけないかとお願いしたく存じます。」

営業 「建物の構造計算上、問題がないか調査をいたしますので、構造上問題はありませんし、撤去の際には原状回復工事までいたします。また、地主の婿養子様のご承諾をいただけるのであれば場所をお借りする賃料をきちんとお支払させていただきます。」

私  「そうですか。では、お話しを伺いますので。こちらまでいらしてください。

営業 「ありがとうございます。」

 

後日、営業との面会を控え、私はインターネットで調べ、だいたいの概要を把握しました。

【アンテナ設置のメリット】

1.アンテナ設置場所の賃料収入による増収

2.該当携帯会社の電波が良くなる

 

【アンテナ設置のデメリット】

1.電波障害の恐れによる、入居者退去リスク

2.建物の美観を失うリスク

 

尚、インターネットや実際にアンテナ基地局と賃貸借契約を締結している知人によると、月額賃料収入はだいたい下記の通り。

PHSなどのアンテナ収入・・・・数千円~数万円

大手携帯会社アンテナ収入・・・支柱1本につき5,6万円。

               その他機器と併せると5万円~20万円

※設置する支柱の本数や基地局の大きさや貸借する面積にもよる。

なんと、美味しい話なのだろうと、契約する気満々で面会の日を迎えました。

営業との面会日

営業 「本日は、お時間をいただき誠にありがとうございます。ご所有のマンションは、エリアでは類を見ない好条件を有してますので携帯会社とかけあいましてかなり破格の条件をご用意させていただきました。」

私  「ありがとうございます。っで、どのような条件ですか。」

営業 「小さな機器設置に3万円、大きなアンテナ一つで6万円、合計で9万円です!」

私  「思ったより、低いですね。知人は、14万円もらっているらしいですけど。私もそれくらいかと思ってわくわくしていました。」

営業 「え?基地局の大きさも同じですか?」

私  「そうですよ。違うのは携帯会社が違うだけですね。この話を相談したら、受託会社を紹介しようか?と言われましたが、とりあえず、御社にお話しを伺ってからと思っています。」

営業 「わかりました。では、地主の婿養子大家さんがご納得いただける賃料はいくらでしょうか?それをそのまま、携帯会社の方へ全力で通すようにいたします。」

私  「いろいろ調べますと、他社のアンテナで20万円もらっている方もいらっしゃると伺いましたので、せめて16万円くらいが希望です。」

営業 「20万円までいくとアンテナ1本ではなく、様々な機器が乗っている思いますが、全力でぶつけて参ります。」

※知人の下りは本当ですが、20万円の話はどんな機器を設置しているかも知らない適当な話です。。。

第二回営業との面会

私      「いかがでした?」

営業   「本来、小型機器一つと、アンテナ支柱1本ですと前回の9万円がこれまでの上限でしたが、他社様との比較検討の件を上にあげまして、なんとか12万まで値上げすることが出来ました。これ以上はどうやっても難しいので何とかこれでご承諾いただけないでしょうか?」

私     「ご尽力いただきありがとうございます。宜しくお願いします。」

契約決定。

これでこれまでの家賃収入に年間144万円が加算されることになり、内心大喜びでした。

アンテナが建たない!

契約が完了し、工事の計画が確定したら連絡がくる予定でしたが、半年経ち、一年経っても連絡が来ません。(もちろん賃料は支払ってくれてます。)

気になって営業に連絡すると、ほかの現場を一つずつ進めており、まだ手が回らないようです。っと回答。

結局、私はこの物件は売却しましたが、引渡後半年程で解約の通知が来たらしいです。理由は、電波状況の改善が進み、対象不動産への設置が必要なくなったとのこと。要するに、他で良い場所が見つかったのでしょう。

本件からの教訓

最近の一棟マンションには、ちょくちょく見かけるようになったアンテナ収入。

もちろん、売却時のレントロールにも加算され、利回りにも反映されています。

しかし、アンテナ収入は決して過信してはいけません。一時的な臨時収入くらいに捉えておかないと、解約時に大打撃を受けます。

購入時のシミュレーションでは、アンテナ収入がない場合でも問題がないかどうか見極めてから購入した方が良いのでないかと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

次回は、上記物件の売却エピソードにいたします。