こんばんは。地主の婿養子大家です。現在、一棟ビルに指値の申込を入れています。もし、売主から良いお返事が貰えれば、駅徒歩1分のビルが表面利回り9%で購入できます。そろそろ回答が来るので、ここ数日そわそわしています。
さて、今日は予告通り売主の売却動機についてしつこく追究していきたいと思います。
なぜ、売主の売却動機を知る必要があると思うかについて理解していただきたいので、一つ一つの売却理由からどんな推測ができるかを考えたいと思います。
①売却理由を知り、安く買えるかを知る
物件購入の際に、よく出てくる「売却理由」にはどんなものがあるでしょう。
1.相続:相続人が不必要だから売却→相続人の考え方次第で交渉余地あり
相続人が複数人の場合→代表者か仲介の考え方次第で交渉余地あり
2.破産:債権者次第→任売の場合等、債権者と仲介で落としどころについて
事前に取り決められていることが多い
3.転売:利益確保の為、下限あり→基本的には交渉幅が狭い
※1年事業用ローンの期限が迫っている場合(謄本の抵当権の欄で確認)や
決算が近い場合は損切の可能性もあり。(ホームページで確認)
<注>売主業者が自ら決算が近いから大幅値下げと言っている場合は、計算の
範疇なので真に受けないで下さい。
4.資産整理:これが出てきた場合は、注意。他の理由を探してください。
(例)相続がらみ→上記1.へ
買替えの為→ほぼ必ず、売主が売りたくなる理由が物件にあります。
資金化 →これもだいたい売りたい理由が物件にあると思います。
5.空室が多く嫌気→エリアの需要に問題なければ、安く買える可能性あり。
(例)オーナー居住中のガラボロ物件に多い気がします。
6.管理が続けられない(転勤・引っ越し)→本当の場合もあるが、それでも理由が物件にある可能性はある。
②本当に売りたい理由を考える
売主、仲介が言う「売却理由」が釈然としない場合、必ず本当の理由を考えましょう。
【周辺エリアの賃貸事情の問題】
★賃貸借契約書の内容を見て、無理やり満室にしていませんか?
・フリーレントが3か月とかになっていませんか?
・ほかの物件の募集条件をネットで調べて、敷金・礼金が低すぎませんか?
・ワンルーム物件の場合、最近はやりの建売業者の新築アパートの競合戸数を把握してますか?激増してませんか?
私の主戦場エリアでは、2年前まで木造築25年駅歩4分で退去から3か月かかることは一度もありませんでしたが、昨年は最大で5か月かかりました。私はあえて賃料を下げすぎずに、乱立した競合新築アパート計90戸とのランキングを比較するため、様子を見ました。
私のアパートはランキング2位だったようで、1位の物件20戸が満室になったあとに決まりました。これなら、私のアパートはまだこれからも戦えますので売却する必要はありません。
余談ですが、他の新築アパート70戸は、完成後、半年以上空室があり、ひどいものでは1年間2部屋しか決まらない駅歩8分8戸のアパートもありました。新築アパートの乱立については、他のコラムニストさんたちも色々書いておりますが、私もまた書きたいと思います。)
【入居者の問題】
・滞納癖のある入居者がいませんか?
・騒音問題はありませんか?
・ほかの入居者へ迷惑をかけるような問題児はいませんか?
※これらは部屋の前の廊下をみればわかることがあります。
(例)やたら私物を廊下に置いている等
【管理の問題】
・EVのリニューアルが近くありませんか?(部品供給停止は築20年以降)
・大規模修繕が近くありませんか?
・漏水や、その他心労へつながる問題はありませんか?
【資産価値激減リスク】
・アンテナ基地局撤退
・法人契約一括の契約満期が近い
・サブリース業者の契約満期が近い、家賃交渉があった
※解約時にサブリース業者の一部は入居者を一気に別の物件へ移します。
・店舗等の賃料比率が高めの部屋の契約満期が近い
※私のマンションで、購入時に既に高齢の医者が退去した時は埋めるのに大変でした。(この話もいつかしたいなと思います。)
以上、これらの売却動機を踏まえると下の方程式がほぼほぼ成り立ちます。
売却理由の方程式
①売却理由 = 売主自身に問題がある場合 = 値引交渉可能性あり
②売却理由 = 売主自身に問題がない場合 = 物件に問題がある可能性高い
したがって、①の場合は、儲かる物件の可能性があり、②の場合は、物件の抱える問題を加味しても儲かる金額でなければ購入してはいけないと思います。
以上、売却理由から見える可能性を掘り下げてみました。
最後まで、お読みいただきありがとうございます。
次回、コラムニストになろうと思った理由について書きたいと思います。
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