近年首都圏では建築単価の高騰が注目されています。

収益物件を新築するに当たっても、

建築費が高くなれば初期費用が余計に必要となります。

建築費が高いといって家賃を上げることは難しいので、

トータル的な利益が減ってしまうわけです。

 

現状ではRC造で建築坪単価は120万円以上といわれていて、

木造であっても80万円以上などと言われております。

建築単価は当然地域差があるものの、

首都圏に近い周辺地域においてはRC造であっても坪単価70万円程度です。

これは杭長10m程度を考慮しての金額ですので、

如何に首都圏の単価が高いかということがおわかりでしょう。

 

首都圏で建築単価が高騰しているのは東京オリンピックの影響もあるでしょう。

では、東京オリンピック関連建設が終われば単価が下がるかというと、

これは難しいかもしれません。

建設関連の職人が非常に不足しています。

建設関連の職人は高齢者の比率が多く、

団塊の世代と呼ばれる方々が多いのです。

この世代の方々は既に60歳を越えている方も多く、

普通の会社員であれば定年の歳になります。

そして高齢になった方から徐々に引退して行きます。

 

他の業種であれば高齢者が引退しても、

新規若者の参入で就業者人口の激減は無いのですが、

建設業においては若者の人気が低く、人手不足が続いています。

この先、更に人手不足は解消されることはないでしょう。

建設業においても将来はAIの進化で対応できる職種もあると思いますが、

早々近未来に実用できるものではないと思います。

 

こうした理由から人手供給が追いつかないため、建築単価は上がる方向です。

職人を抱える会社では忙しさを理由に請負金額を高く出します。

更に忙しくなると「この金額を出すならやってやる!」的な、

法外な金額を提示してきます。

当然こうした職人達の技術が必要なゼネコンは、

請負金額が高くても発注せざるを得なく、

最終的に施主の負担する工事費は高騰するという仕組みです。

 

坪単価120万円は明らかに高過ぎです。

現在の相場が高いのですから仕方ありません。

もし相場が下がれば現在の単価で建築された建物は割高であり、

高値掴みをしてしまったと捉えることになるでしょう。

しかし、仮に相場が下がったとしても、

赤字にならない程度の家賃収入を得ていれば破産はしません。

物件はあくまでもインカムゲイン目的の物件として持ち続けることができます。

または出口として売却しても損が出ない段階で売れば何の問題もありません。

問題は初めからインカムでは利益が出ず、売却時のキャピタル狙いの投資です。

新築は計画から竣工まで1年以上かかることが普通ですので、

その間に何らかの経済危機で相場が下がる危険性があるからです。

こうなると完全に高値掴みになり、売るに売れない状況に陥るでしょう。

 

首都圏の建築費はこれから先も大きく下がることは無いと思います。

しかし、経済危機などが起こり、建築量が減れば需要は減ることになり、

建築費は下落する可能性はあります。

しかしこのような時にはなかなか融資を引くことが難しくなるので、

結局は新築する計画自体が困難になるでしょう。

例え坪単価120万円であってもちゃんとCFが確保できる物件であれば、

現在の建築費相場でも実行しても良いのではないかと考えます。

 

戸田 匠