先日ある不動産投資家の依頼で新築物件の完成検査に立ち会いました。

施主の完成検査ということでしたが、

訪れた時にはまだ外構が終わっていない状況でした。

新築完成検査時期というのは時期的に微妙なところであり、

早すぎると未完成部分が多く、

遅すぎると入居者が入ってしまうことになります。

ただ、今回においては、

外構工事が途中であったからこそ確認できた不具合でした。

 

まず、配管の写真を見て下さい。

 

 

この写真をパッと見て何が悪いのか気が付くでしょうか?

排水は右から左へ流れていきます。

この写真を見て、何の配管であり何が悪いのかわかった方は上級者です。

まず、この配管は汚水配管です。見た目には雑排水配管と見分けはつきません。

汚水配管はトイレからの汚水が流れてくる配管です。

固形物も混ざりながら流れてくるのです。

何となーく、配管のカーブがきつく詰まりそうな気がしませんか?

しかも流れて行く方向と逆の方向へ一度曲げています。

ハッキリ断言します!この配管のままだといずれ詰まります!

 

ちょうどその場に配管業者さんが居ましたので、

なぜ、この様な配管になってしまったのか尋ねてみました。

配管屋さん曰く、上流配管と下流配管の位置が微妙にずれているので、

普通にエルボ(90゚に曲げる配管)を使うと曲がりきれないとのことでした。

しかも両配管の勾配を合わせるのが難しいとの回答です。

私的には???な感じでしょうか。

 

私はこう指示しました。下流側の配管を手前にずらすか、

または45゚エルボを使えば容易につながるのだと。

そして45゚エルボを使ってつなげば高さ(勾配)調整も容易にできるのです。

実際、次のの写真でわかるように45゚エルボを使って解決しました。

ちょっと撮影角度が違いますが同じところです。

どうでしょう?最初の施工よりも明らかに流れやすいと思いませんか?

この変更工事には1時間もかかっていません。

 

配管施工の基本として汚水配管や雑排水配管は詰まり易いのです。

そのため、できるだけ90゚エルボは使用せず45゚エルボで対応が望ましいのです。

そうは言っても限られたスペースでは90゚エルボも使わなければなりません。

でもそれはできるだけ流れを妨げないように使うことが基本です。

今回の事例は正直、非常に驚きました。

もし、そのまま土の下に埋められてしまったら、

こんな施工していることに気付かず、

「排水が詰まる!」という苦情が頻繁に来ていたかもしれません。

なぜよく詰まるのか判明しないまま、

何度も住人からのクレームに対応する羽目になっていたでしょう。

 

こうした隠蔽されてしまう工事箇所は「工事写真」を提出させることです。

気の利いた施工業者はこちらから依頼しなくても自主的に工事写真を撮り、

工事完了後には整理して提出してくれます。

新築契約時には工事写真の有無を確認し、撮影する予定が無いようであれば、

あらためて契約時に完成書類として提出を義務化すべきでしょう。

 

建築工事は常に施主が現場へ行き、工事確認をする訳にはいきません。

また、工事確認を行ったとしても、

その施工の良否を判断するのは難しいでしょう。

しかし、

工事写真が多く残っていれば、

後から不具合が出たときの原因がわかることがあるのです。

今回の事例でも工事写真を残していれば後から確認ができたでしょう。

ただ、今回の事例は普通やらないことをやっていたので、

工事写真で確認する以前の問題でした。

工事写真を依頼すると隠蔽部においても、

いい加減な施工ができなくなりますので、

その辺の抑止効果も期待できます。

せっかくの新築物件ですのでできるだけ問題がない形で受け取りたいですね。

 

戸田 匠