築古の格安物件をどんどん買い進める方がいます。

投資規模を拡大していく上では有効な方法です。

しかし、近年では満足いく利回りの物件がないので、

このやり方には少々疑問を感じえません。

築古物件を買い進める方の傾向は、

利回りの高めの築古ボロ物件を探しているようです。

割安感のある築古物件が魅力に見えてしまうのかもしれません。

しかし、そうした割安感のある物件は売却価格が安い根拠があるのです。

 

全て構造物は「形あるものはいつか壊れる!」というのが常識です。

建築物においてもそれは例外ではありません。

構造によっては多少の実質耐用年数の違いはあるものの、

普通に使用できる建物の寿命は50年程度ではないでしょうか。

もちろん費用をかけて色々な対策で100年利用できる建物も可能ですが、

日本の建築規制ではなかなか難しいものがあるでしょう。

 

こうした建物の「寿命」を考慮した場合、

築年数の経過した建物の購入は割安であってもそれなりのリスクが伴います。

特に築30年以上の建物は注意すべきでしょう。

購入時に割安感があっても大きな修繕が発生したり、

小さな修繕でも多数発生すればその費用は大きくなるのです。

築年数以外同等の条件で1,000万円安く買えたとしても、

修繕に1,500万円必要になればもはやその物件は割高だったのです。

さらには築古であるということはその時点での建物価値は低いのです。

 

築古物件ばかりを買い進めて行くことについて、

金融機関の融資がポイントとなります。

通常不動産投資で融資を引く場合、

対象物件の残存法定耐用年数が目安になることが一般的です。

法定耐用年数が終わっていたり、

残存年数が少ない場合は融資不可となるケースが多いです。

しかし、

属性の良い方や資産を多く保有している方などには融資が可能になります。

そうした方においては築古物件でも買い進めることができるのです。

ここで勘違いしてはいけないことは、

融資が引けるから問題のない物件なのだろうと思ってしまうことです。

この場合、金融機関は物件に融資するというよりも、

投資家の属性に融資するからです。

 

築古物件を買い進めた場合何が起こるのか?

その買い進めた物件が本当に優良物件であればとても良い投資になります。

修繕も少なく、いつも入居率が良い状態であれば良いでしょう。

しかしそういった物件は稀だと思います。

建物は築年数経過と共に修繕は増していきますし、

入居率は下がり、家賃も下がるのを避けられません。

入退去に伴うリフォーム費も築年数が多いほど高額になるでしょう。

 

そして最大の懸念は出口が難しいことかもしれません。

前述したように築古物件は融資が出辛いため買い手が限られてしまうのです。

買い手が少ないということは競争原理も働かない為、

買い叩かれて安値でなければ売れないという状況が想像できます。

また、現在のように不動産市況が良い時期であればまだ救われますが、

現在のような市況がいつまでも続くことはあり得ません。

またいつ不動産不況が来るかわかりません。

そんな時代が来てしまったら不良債権を抱えたような状況になるでしょう。

 

築古物件が売れなくなってしまうというのはあくまでも想像の世界です。

しかし、築浅物件を買い進める方法に比べるとはるかにリスクは高いです。

その辺のリスクをしっかりと把握せずに、

ただ割安感だけで築古を買い進める行為は非常に危険だと認識すべきでしょう。

 

ある不動産仲介会社がこっそりと漏らしていた話ですが、

「○○物件が売れたようです、あんなボロボロの物件よく売れましたね。」

「あの物件は土地値以下でも売れない物件で困っていたんだよね。」

「××さんは築古物件ばかり買っているけどよく融資が引けましたね?」

「××さんは△△上場会社へ勤めているから銀行も貸しやすいんだよ!」

「一応値引きしたみたいだけど、それでも割高だよね。」

「利回りが良いから儲かりそうにみえるんだろうね。」

「雨漏りもしているみたいだから修繕費とか考えると絶対に利益は出ないね!」

まぁ、こういった感じです。

これは実話です。

 

築古物件が全て悪いと言う訳ではありません。

中には本当にお買い得な物件も少ないながら存在します。

注意しなければならないのは築古粗悪物件を買い進めることです。

逃げ場の少ない物件はリスクの塊かもしれませんので。

 

戸田 匠