建物の立地には隣地からの影響というものがあります。

よほど山奥か生活環境が整っていない未開の地で無い限り、

周囲には様々な建物が建てられているのが一般的です。

その立地場所によっては周囲の建物からの影響を受ける場合もあり、

それら影響は「不快」に感じるものも少なくありません。

そして簡単に解決できない影響も多く含まれるのです。

 

例を挙げていきます。

隣の建物が朽ちている建物である場合、

シロアリが発生している可能性があります。

その他建物に悪影響を及ぼす害虫小動物も棲みついているかもしれません。

ずっと隣の建物内に留まっていれば問題ありませんが生き物は移動します。

いずれは害虫や害獣は移り住んでくる危険性があるのです。

 

隣が工場である場合は直接の被害も想定されます。

工場には温水や蒸気を作り出すために、

「ボイラー」が設置されていることがあります。

そのボイラーには煙突が付属しており、

煙突からは重油などを燃やすことにより煤煙が発生します。

この煤煙が問題であり、金属に付着すると錆を発生させるのです。

隣にボイラーの煙突がある場合は注意が必要です。

 

そして錆の問題では、鉄工所の周囲も錆びやすくなります。

鉄工所では鉄材の切断時に切り粉が発生します。

この切り粉が風向きによっては飛んでくるのです。

鉄の切り粉は錆びやすい特徴があり、その鉄粉が錆びて他の金属に付着すると、

鉄粉の付着した金属が鉄粉の影響で「貰い錆」となって錆びていきます。

この貰い錆はステンレスでも錆びやすくしてしまいます。

 

食品工場の近くでは工場から発生する残材を目当てに、

鳥、ネズミ、害虫、野良猫が多く集まります。

工場内にだけ集まっているのでれば問題ありませんが、

餌を得た動物達はその餌を持って近隣の土地へと移動するのです。

結果それら動物達の棲み付きや糞害に悩まされることになります。

また、食品工場からは様々な臭いも発生するので、

その影響も考慮すべきでしょう。

 

食品工場の部類にはなるのですが、

食肉工場では野犬が棲みついていることがあります。

工場が動いている昼間はどこかで潜んでいるのだと思いますが、

夕方に工場が終了して人気が無くなると、

どこからともなく野犬が集まってきます。

これも工場から出た食肉の残材を食べに集まってくるのです。

野犬なのに妙にふっくらしているのが特徴です。

周囲の住人も慣れてしまえばどうってこと無いようですが、

慣れない人が遭遇すると結構恐怖かもしれません。

 

工場では生産機械の音や空調機器類の音や振動も気になるところです。

騒音や振動に関しては法律でも規制しているため、

驚くような影響はありませんが、

静かなところや静かな時間帯では気になることもあります。

音や振動に関しては個人差もありますので一概には言えませんが、

気になる人はノイローゼになる人も居ますので無視できません。

 

以上のように物件購入時の周辺調査にて、

周囲に思い当たる建物が存在する場合はご注意下さい、

「どこかのコラムニストが何か言っていたな?」、

程度に思い出してもらえれば幸いです。

物件選択時の調査ポイントのひとつにもなるかと思います。

 

戸田 匠