当たり前のことですが、

建築工事の見積もりを取った場合、

できるだけ工事金額の安い業者を選択したくなります。

しかし、最安業者が優良業者とは限りません。

他の業者と比較して極端に安ければむしろ疑ってかかった方が良いでしょう。

極端に安くない場合でも最安値の業者見積は精査が必要です。

 

人が誰しも物を買う場合、サービスを受ける場合など出費がある場合、

できるだけ安くできるだけ良い物を望みます。

この場合、大量生産している規格品であれば、

個々の製品性能は基本的に同じであり、

同じ性能のものであれば安いほど買い得感はあります。

ところが建築工事のような一品物の場合は定価が無いので、

買い得感の判断は難しくなります。

極端な例では、見積書の内容を「一式工事」と表記し、

実際の工事では見積もっていない想定外な工事が発生したという理由で、

工事終了後に多額な請求をされてしまうことです。

これは実際に良く起こるトラブルであり、

その金額も元の見積もり額以上になるケースもあるのです。

実際、建築に精通されている方であればなぜ追加が発生したのかを追求すれば、

それが本当に必要な追加工事であったのか、

追加工事として認められる内容であるのか、

追加工事の金額が適正なものであるのか等々、

妥当性を把握でき、対抗もできると思います。

しかし、一般の方が説明を受けても判断するのは難しいでしょう。

 

こうした後からの訳のわからない追加請求を防ぐにはどうしたら良いのか?

まずは「一式工事」の項目を減らした見積もりを再度作ってもらうことですが、

大概の場合見積書の再作成は手間がかかるので嫌がります。

その場合、契約前に一式工事に含まれる内容を説明してもらいましょう。

内容は筆記して最後に業者に確認してもらいます。

ここまでやれば大概の工事で大きな追加は出ないと思われます。

 

さらに良い方法があります。

私はいつもこのパターンですが、

「一式工事」という項目を逆に利用してしまうのです。

「一式工事だから全て含まれているんですよね!

後から想定外だったから追加請求は一切ダメだからね!」と。

そしてどうしても追加工事が発生する場合は、

必ず施工前に見積もり提出を義務付けましょう。

これを無視して勝手に工事を行い、後日請求された場合、

きっぱりと「これは認めません!」と言ってしまって大丈夫です。

私は本職でも不動産事業でもこの方法で失敗したことはありません。

私がプロであるから相手も従うということもありますが、

プロでなくても構いません。

この対策は別にプロ的な技術内容は全く含まれません。

「私の友人の建築士からこう指導されました!」

と言ってしまっても良いでしょう。

 

業者の中には、ここまで言うと引いてしまう業者もいます。

それはそれで選定のふるいにかけられて良いことです。

もしそのまま安かろうで発注していたら、

大変なことになっていたかもしれませんので。

実際私の例でも、

あまり安かったので契約前に前記したような一切を含む旨確認しました。

その時点でその業者は想定外な追加が出た場合、

採算が合わなくなることを懸念しました。

もう最初から追加工事を事前に想定していたのです。

一度は工事から降りると言っていたのですが、

結局やらせて欲しいということになりました。

そして工事終了後、想定外なことは起こりませんでしたが、

最初の見積もり時点で見落としていたものが有ったので、

追加が欲しいと言ってきました。

私は、やはり来たか!と予想していました。

もちろん答えは「それは認めることができません。最初にお願いしてあります。

追加工事の請求は一切認めません」と。

更には追加工事の見積もりは事前に提出することも付け加えました。

もちろん、追加費用は一切払わずに納得してもらいました。

この事例では私が鬼のような発注者のように思われてしまうかもしれませんが、

これはビジネスです。

人情に負けてしまうと大変になりますので気を付けたいところでしょう。

でもこの業者さんとは今では良いお付き合いしていますよ。

 

ひとつ気を付けることがあります。

追加工事の請求には応じるべきでないと申しましたが、

追加工事でも施主側の要望で契約外なことを要求した場合は別です。

この場合は工事前に早急に「別途見積もり」をしてもらい、

ちゃんと支払いは行わなければなりません。

当然と言えば当然ですがここは勘違いの無いようにお願いします。

 

戸田 匠