投資用築古建築物の入居率の改善目的でリノベーションを行うことがあります。

このリノベはリフォームなどと同意語として解釈されることがありますが、

基本的にリフォームは原状回復的な意味で、

壊れたものは直し古くなったものは取り換えるといった感じでしょうか。

リノベに関しては原状を元に、

ニーズに合わせた改良を加えるという行為を言います。

例えば壁紙の張替えや穴の空いた壁を塞いで補修するなどはリフォームです。

2つの隣り合った部屋の壁を取り払って1室にする行為はリノベです。

以上のことからリフォームを行うことにおいては基本的に問題ありません。

(エレベーターの更新など一定の行為に関しては確認申請が必要)

しかし、リノベの際には注意が要る場合があります。

 

まずはリノベで多い作業は、上記にも挙げたように壁を変更する行為です。

壁を増やす場合はほとんど問題ありませんが、

壁の撤去や壁に扉を増設する場合は注意が必要です。

壁には単なる間仕切壁と構造に影響する壁があります。

例えば木造や鉄骨造では壁内に筋交いやブレースという斜材が入っています。

この斜材は建物の耐力において非常に重要な役目を果たしています。

地震時の横揺れに対して建物の損壊を防ぎます。

そのためこの壁を撤去したり、

壁に開口部を設けるけることは絶対にやってはいけません。

反対にRC造建物において、

木で作られている壁に関しては撤去しても大丈夫でしょう。

この辺りは専門家の判断が必要になります。

基本的に軽量鉄骨造に関しては、

ほとんどの壁にブレースが入っていることが多く、

壁撤去や扉の設置などのリノベは困難なことが多いです。

 

稀に前述のような構造的なことを把握せずにリノベを行っている大家が居ます。

普通は工事業者も知識があればやって良い工事かそうでないか判断はできます。

しかし、建設業許可も持たず技術者も居ないような業者も存在します。

500万円以下の工事であれば無許可であっても違法ではありません。

そのため、ろくに建築知識の無い業者が増えてきています。

そういった業者は何も考えずに何の躊躇もなく問題工事を行います。

 

更にはアパートなどの建築物は建築基準法上「集合住宅」となります。

この集合住宅は「特殊建築物」に属し、

戸建て住宅と違って様々な制限が課されます。

そのため、大規模修繕などによる一定の工事では、

建築確認申請が必要になるのです。

よく某TV局のリフォーム番組で、

骨組みだけ残して原型を留めない改修を行いますが、

あれは戸建て住宅だから簡単にできてしまうのです。

あのTV番組のノリで集合住宅の大規模修繕を行うには、

申請が必要だということを留意してください。

 

DIYが趣味の方、DIYによる修繕に興味がある方は多いと思います。

私も時間のある時にはできる範囲でDIYによる修繕を行います。

これは建物を知る上で意義があることであり、経費削減にもつながります。

そして自分の手で作った部屋への入居が決まると嬉しいものです。

こうした感動を得るためにもDIYはお奨めではありますが、

リノベに関しては法的にも安全性にも問題が出る場合がありますので、

工事前に十分な調査及び検討が必要になりますのでご注意下さい。

 

戸田 匠