こんにちは。サラリーマン大家の良波直哉です。
棚板の位置などをフレキシブルに移動できる収納システムを知り、取り扱いの商社を訪問するなどして情報を収集し、この収納システムを使うことで入居者に喜ばれる収納になると考えていました。しかし私の個人的な考えだけでは入居率がダウンする恐れもあることに気付かされ、もっと多く方の意見を伺うために「収納システムについての意見交換会」を開催しました。

意見交換会の概要

参加者は、整理収納アドバイザーやルームスタイリストの方、「収納と生活動線」セミナーの講師をされていた1級建築士の方、賃貸アパートの大家さんなどの5名です。当初は10名を予定していましたが、参加者の方に事前に背景など説明したところ多くの反響があり、より密度の濃い議論の場とするために人数を絞って5名までとしました。結果はやはり最初の自己紹介だけで1時間ほども話し込んでしまい、意見交換会は4時間以上になるほどの盛り上がりで、次回もぜひ開催しましょうという話になりました。

当初の目的としては、設置する場所や、ハンガーラックや棚の選び方、「見せる収納」と「隠す収納」のどちらがよいか、などの点についてざっくばらんな意見がもらえたらと思っていました。
しかし、現役の整理収納アドバイザーや、設計で施主と何度も対話してきた1級建築士など、実際にプロとして活動されている方の視点はまったく違うものでした。さらに、参加者の方の大家さん業の経験や、主婦目線、小さい子の保護者目線も加わり多彩な意見交換が繰り広げられました。

「見せる収納」と「隠す収納」への意見

意見交換会でまず話題になったのはコラムでもご紹介した「壁面収納」や「飾る収納」についてです。コラムへのコメントや周りの意見はまとめると下記のようなものでした。
・趣味のものを飾るといった「見せる収納」は難易度が高くお勧めできない
・「見せる収納」と「隠す収納」は、両方のバランスが大事
・もっとも困るのは隠したくても見えてしまうこと

これらを元に意見を聞いてみたところ、まず男女で意見が分かれました。自分の持ち物や収納を見られたくないという女性陣に対し、男性陣は見られても気にならないというのです。
この議論のなかで、参加者の一人が参考までにと見せてくれたのがハンガーラックはあるが片付けられていない部屋のイメージ画像です。そしてこのようにつなぎました。「収納は現在の暮らしをイメージして部屋を選ぶことが大切です。現在の持っている物の片付けがイメージしやすい部屋が好まれるのではないでしょうか」。

自分の部屋の収納をパイプハンガーで再現

イメージ画像を見て私は驚きました。散らかり具合をデフォルメしているかもしれませんが私の部屋と大差ないからです。私の部屋にも収納はありますが、シャツはハンガーに掛けずラックにそのまま引っかけたり、ズボンは床に脱ぎっぱなしにしたりしています。
言葉での説明はうまく伝わらないので、後日、私の普段の生活をパイプハンガーで忠実に再現してみました。それがこの画像です。

このような自分の現在の暮らしを思い浮かべて壁面収納の部屋への引っ越しをイメージしてみると、脱いだ服の片付け方は部屋が変ってもおそらく同じではないかと思います。違うのは現在住んでいる部屋は他に収納があり、来客時はそこに服を押し込められる点です。
そう考えると、収納を見られても気にならないと思っていたのは男性陣の誤りで「やはり収納は見られたくない」という結論に達しました。

そして頭の中のイメージと実際の暮らしはまったく違うものであることに気付かされ、このような視点からの意見を頂けたことに、整理収納アドバイザーという仕事の奥の深さを実感しました。

収納システムでの入居率UPに向けて

「現在の暮らしをイメージして」の言葉は大変参考になりました。そして単純に収納システムさえ設置すればきれいに片付けられ、入居者の方が喜び、入居率もUPするだろうと考えていた自分の浅はかさを痛感しました。もしそのまま収納システムを設置していたら、女性の入居は見込めず男性は入居しても暮らしにくい部屋になっていたかもしれません。
今回のことで、入居率をUPするには、入居される方の事を本気で考えなければと改めて思いました。