先日、スルガ銀行に関するコラムを綴りましたが、そのスルガ銀行から封書一通が自宅に届きました。ダイレクトメールです。
また何かの案内かな?と思いながら開封しますと、
詐欺に関する注意喚起の内容でした。
タイトルは「個人再生詐欺にご注意ください」です。
個人再生?詐欺?
封書でわざわざ送り付けてくるとは、どういうことと思いながら読みますと、
昨今、不動産ローンの利用者に対し、個人再生や任意整理等を持ちかけ、任意売却の斡旋をするなど約束して、アドバイザリー報酬を搾取する事例が発生しているとのことです。
さらに読み進めてみると、
被害者は、毎月の不動産収入をアドバイザリー報酬の名目で事業者に徴収され続け、銀行への返済が滞り、ついには返済不能(債務不履行)に陥り、期限の利益を失ったあげく、所有不動産を搾取されるという被害を受けているということです。
弁護士さえもグルである可能性があり、弁護士が介在しても必ずしも安全ではないとしています。
では、個人再生とはいったい何なのか?
早速、個人再生を調べますと、ある条件を満たせば、自己破産のように家や車を手放すことなく、最大で80%の債務を免除できるという個人の(債務整理)再生制度でした。
2001年に制度化された債務整理の一種で、将来にわたって一定の収入がある場合、かつ5000万未満の債務に対して、適用されます。例えば、借金が4999万あれば最大で4000万近い借金を削減でき、残りの1000万を3年で返すことが最低条件とされています。
1000万円を3年で返すとなると、ひと月28万弱を返済しなければならず、一般人の年収ではたちまち困窮するレベルです。現実的な手段とは言えません。
でも自己破産と違って、家が残るなど自分の「最後の領域」を守ることができるこの制度は、いま静かに注目されつつあるとされています。
ちなみに住宅ローンを含まない債務の上限が5000万未満なので、一億円以上もあるシェアハウスや一棟マンションのローン債務者は利用できないのです。
さいごの領域は守りたいという心理を突く
恐ろしい新たな手口
スルガ銀行に不動産投資ローンの残債があり、藁をもつかもうとする人たちに、債務を圧縮させるこの制度の存在を悪用し、最後の領域を守りたいと思う心理を言葉巧みに操る輩たちがいるということです。
債務者たちに蝟集する黒い集団の影を想像するだけで、薄ら恐ろしいです。
偽弁護士までもが登場する個人再生詐欺は地面師詐欺顔負けの詐欺手口なのでしょうか?
ところで、
社会的制裁を十分に受けたスルガ銀行としても、これ以上波紋を広げるのは得策ではないと詐欺の手口を開示して、不動産ローンの利用者に注意を促した様子です。
これ以上痛くない腹?を探られたくはないというのが本音でしょうか。
人の弱みに付け込む、こうした詐欺はさらに手口が巧妙化して、実体社会に溶け込もうとする事実を見逃すわけにはいけません。
スルガ銀行から1億7千万円を借りた男としては、少し心に引っかかりましたので、
スルガ銀行ネタの続きとして書かせていただきました。
ありがとうございます。
大友カツトシ
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