おはようございます!地主の婿養子大家です!

 

今日は、『破綻しない為の土地から新築の豆知識』です!

 

以前に、私が買いそびれた土地の話をコラムに書きましたが、その購入者から相談を受けた事例を紹介します。

進め方を間違えると致命傷を負う事例だと思います。

 

構成は、

1.土地から新築の最大のリスク

2.建蔽率ケーススタディ

3.容積率ケーススタディ

4.経験したことしか身に入らない

5.リスク防止の処方箋

以上で書いてまいります。

 

1.土地から新築の最大のリスク

過去のコラムでも書きましたが、土地から新築には下記のようなリスクがあると思います。

・土地購入から建物完成まで時差リスク

融資条件が悪化したり、金融機関の融資姿勢そのものが悪化するリスク

⇒土地購入から建築中に、新たに競合が増えてくるリスク

・地中埋設物撤去費用リスク ※土地購入時に特約にて処理しておきたい

・近隣住民によるアパート建築反対クレームリスク

予定のボリュームが建たないリスク

⇒接道条件や斜線制限、その他条例等から、当初予定していた建物のボリュームが建てられないリスク。

今回は、

予定のボリュームが建たない事態が発生した事例を紹介して、私見を展開いたします。

つまり、

対象不動産を購入した計画の破綻リスク

です。

※今回は幸い致命傷に至りませんでしたが、素人・初心者なら(相談者はコネも強いので)なら破綻しかねないリスクです。

 

2.建蔽率ケーススタディ

<ケーススタディ1>

建蔽率:60%(建築面積の敷地面積に対する割合)

容積率:160%(延床面積の敷地面積に対する割合)

前面道路:両面幅員4m

下図は、対象不動産の大まかな形状です。

一見、

綺麗な角地に見えますよね?

※4mの建築基準法上の道路に2面接道した角地

 

今回の相談者のケースでは、投資の大前提に

『認可保育園の誘致による安定収入の確保』

がありました。

それも、私が計画していたよりもかなり厳しい利回りを強いられています。

つまり、

普通の投資家なら失敗は破綻に直結するくらいのギリギリラインでした

この前提条件を満たすためにクリアしなければならない条件は、

賃貸建物床面積100坪の確保です

そして、

土地購入前に、ゼネコンと打ち合わせで、

角地緩和により建蔽率60%→70%にUP

・この前提条件で100坪クリア

となる建築計画が大前提の投資でした。

 

ここで最大の落とし穴が潜んでいます!

建築基準法においては、

角地は、見た目で判断されるものではなく

・街区の角にある敷地

・またはこれに準ずる敷地

・特定行政庁が指定するもの

が角地に該当することになります。

つまり、

お役所が角地と認めてくれなければ

角地緩和の恩恵が受けられません!

非常に重要です

そして、

自治体によって角地と判断する条件は異なります!

本件は、横浜市なので市の条件を満たさなければならないんですよね。

対象不動案は、隅の部分が120度以上ありました。

すると、

角地とは見なされません!

横浜市角地緩和の適用要件には、ざっくり言うと

・敷地境界線の外周の長さの3/10が道路・道・空地などに接する

・隅の角度が120度以上を除く

上記の赤字数字部分などが自治体によって異なったり、自治体によっては高低差が関わったり、風致地区ではそもそも角地緩和が受けられなかったりしたと思います。

 

これによって、相談者は

土地を取得して確認申請に入った時に初めて、予定していた建物面積が確保できないことが判明しました!怖

プランニングから打ち合わせを重ねたゼネコン営業マンは、

この道30年のベテラントップ営業マン

でした。。。もちろん社内に建築士にもいます!

※私も恥ずかしながらぱっと見で角地緩和が受けられると思ってました。

しかし、

私なら同じ失敗を絶対していません!

なぜでしょうか?後程、書きます!

 

3.容積率ケーススタディ

<ケーススタディ2>

建蔽率:60%(建築面積の敷地面積に対する割合)

容積率:200%(延床面積の敷地面積に対する割合)

用途地域:一種住居地域

前面道路幅員に乗じる数値:40

前面道路:両面幅員4m

 

ついでなので、

容積率の制限についても簡単に書きます。※建蔽率は緩和。容積率は制限

容積率の制限は、

①都市計画で定められた容積率の最高限度

②前面道路の幅員によって算出される容積率の最高限度

①②のうち、

いずれか小さい方の値によって制限をうけます!

上の例で計算しますと、

①法定容積率:200%

②道路幅員制限:前面道路4m×乗数40=160%

200%>160%

したがって、適用される容積率は160%になります。

そのまま、

200%でもりもり建物が建てられると収支計算していると危ないですよね。

ご参考まで。

※これ以外にも容積率が緩和される要件を満たせば緩和されたりもします。

 

4.経験したことしか身に入らない

今回、

お伝えしたいことは上記のケーススタディの内容の勉強ももちろんですが、

以下の2点についてお伝えしたいと思って書いています。

①建築のプロが間違えたという事実

⇒経験したことがなければプロでもうかっり見誤る

②どうやって防げたのかその防止策

⇒知識は重要ですが、人間の記憶力には限界があります。

従って、

知らなくても大丈夫な進め方が重要だと考えます!

 

5.リスク防止の処方箋

本件、どこでリスクの防止が出来たかを考えます。

■知識・経験として角地緩和の条件がわかっている

これはどうでしょうか?

一見、良さそうですが、2点注意。

①自治体によって条件が異なる

条例や規制は変わることがある

特に②は注意ですね。去年大丈夫でも来年大丈夫とは限りません。税法と同じ感覚で毎年確認が必要です。。。

 

■建築会社・ゼネコンにきちんと確認をさせる

これはどうでしょうか?

本件でも相談者は計画段階できちんと確認をしており、本件の落度は完全にゼネコン側にあるといえます。

しかし、

責任追及をすると考えても

建蔽率60%の土地を購入する為に『参考プラン』を出してあげたスタンスをゼネコン側はきっと取るでしょう

つまり

購入予定の土地におおよそどんな土地が建てられる可能性があるかを提供してあげたに過ぎないということです。

ゼネコン側の逃げ道は無限大のように思います。

 

なので

 

■土地購入時点で重要事項として不動産仲介業者に建築審査課で裏を取ってもらうべき

だと思います。

本件では、

調査は未実施だと考えられますが、重要事項説明書には単純に建蔽率60%としか記載がなく、そもそも角地緩和についての説明がありませんでした。これだけの事実では、仲介業者に重要事項説明義務違反を訴えるのは困難だと考えます。

なぜなら、

・悪い条件(建蔽率60%)で説明されている

・買主は消費者ではないから消費者法で守られていない

からと考えます。

でも、

そもそも重要事項とは、

契約当事者(買主)が対象不動産を購入するにあたり、知っておくべき重要な事項すべてのことです。

であるならば、

土地⇒新築の計画であることを、仲介業者も勿論認知しており、対象不動産が角地と誤認される形状をしていることから、対象不動産の建蔽率が緩和を受けられるのか否かについて、行政に調査を実施の上、重要事項として説明をする義務が十分に考えられます

なので、

消費者であれば十分、重要事項説明義務違反を訴えても良さそうですが、

大家は事業者であり、しかも、相談者は経験値も十分すぎるくらいある。

私なら、

絶対に、本件の投資目的を成就させる必要条件である

建蔽率の角地緩和の適用可否は

契約前に、仲介業者に調査の依頼します。

※併せて容積率についても、正確に何%なのかまで裏を取りたいところです

 

どれだけ取引になれても

やっぱり、原点にかえり

重要事項説明書の着眼点は大切

だと思った一件だったので、共有いたします!

過去にバックナンバーNo39で重要事項説明書について書いたことがありますが、その時は表面だけなのでまたニーズがあればいつか一項目一項目大事に深堀りしたいと思います!

 

本日も最後までお読みいただまき本当にありがとうございます!