物件の稼ぐ力はどのくらい?

こんにちは! 埼玉サラリーマン大家です。

昨日のコラムでは、物件の稼ぐ力についてスポットを当てました。年収●千万円!なんて言っても、それは今だけの収入であり、未来永劫続くものではありません。物件が使用できる状態にある期間だけの限定された収入なのです。

 

その稼げる期間で借金を返さなければならないのが不動産投資です。よく言われる指標のキャッシュフローでは、この点を無視しているので注意が必要となります。キャッシュフローは今だけを切り取っていますから。

 

 

よく、物件の生涯年収を考えます。これが、その罠を回避するための考え方として優秀です。

 

たとえば、こんなスペックの物件があったとします。

 

価格:5000万円
表面利回り:10%
構造:木造
築年数:25年

 

まぁ、よくあるようなスペックですね。満室に近い運営ができるような立地だと仮定します。

 

すると、この建物を購入して稼いでくれる金額はどのくらいになるでしょうか? ちょっと計算してみましょう。

 

まず、築何年になるまで建物がもつかを設定する必要があります。木造アパートとはいえ、15年程度でしっかりと外壁塗装などの修繕をしていくのであれば築50年まではもつことが多いでしょう。

 

ということで、築50年が建物の寿命だとすると残された期間は25年です。そして、残りの変数も仮定していきます。

・賃料は年間で1%下落
・大規模修繕を2回、500万円実施
・空室率5%
・通常の経費率25%
・税率は25%

 

こんな感じの運営状況だったとします。

すると、25年間の税引後キャッシュフローは5500万円となります。1年あたり220万円の税引後利益が出たということです。

 

でも、これは融資を使わずに現金買いした場合の想定です。

 

 

もし、このような耐用年数越えの木造アパートに30年の融資期間でフルローンを組んだらどうなるでしょうか?

(最近になって、よく聞くようになってきましたが、、、このような融資がどんな意味を持つのか考えてみましょう。)

 

金利が3.5%で30年ローンを組むとしたら、
30年間での金利の支払総額は3000万円以上となります。

 

 

昨日もお伝えしたように、建物の寿命以上の融資期間であるという問題点もありますが、それを置いておいたとしても厳しい投資です。

 

儲かる投資なのか?

融資が終わった30年後のことを考えてみましょう。

最初の25年間は融資返済をなんとかできたとしても、残りの5年厳しいです。築50年で建物の寿命がきた後も毎月22万4千円の支払があります。残りの5年間、総額1350万円の支払をしないといけません。

 

25年間で約6000万円の利益を出して、その中から約3000万円の金利を払って、最後の5年間は融資の返済を1350万円支払うことになります。

※融資をひいた分、25年間の税引後利益は上がります。金利も経費なので。

 

結局、30年間で残った利益は1650万円です。

 

でも、ここで見逃しているのが資産価値の下落です。購入時は5000万円でしたが、建物がボロボロになって使えなくなった物件が建っている土地です。当然ながら価値は下がります。解体費用を引いた金額で安く買いたたかれることでしょう。

 

それを考えると、よくてトントンの投資です。ひいき目に見てもプラスマイナス0といったところです。

 

 

満室に近い運営ができて、大きな不運も無い運営ができると仮定したシミュレーションでも、収支がプラスマイナス0にしかならない投資だということです。

 

少しでも想定外の事象が起これば、大きな損失が出る投資だということです。また、10~15年後くらいにはキャッシュフローはマイナスとなります。

 

最初の頃はキャッシュフローがでる。

それでも、最初の数年はキャッシュフローがいっぱい出ます。例えば、この物件でも最初の数年は数十万円のキャッシュフローが出ます。それを成功だと勘違いしてはダメなのです。

 

最近は、無理やり融資期間を長くとって見せかけのキャッシュフローを出すような感じで物件を売るケースが多く見られます。最初の頃に儲かるような気がするシミュレーションとなっていても騙されてはいけません。

しっかりと、物件が寿命までにどれだけ稼ぐことができるかを考えてみましょう。その物件の生涯年収を考えてみることが重要です。

 

それを考えれば、感覚的に儲かる投資なのか、儲からない投資なのかをつかむことができます。キャッシュフローとか、表面利回りとか、そんな指標に振り回されるよりも、しっかりと全体像をつかむことができると思います。

 

まずは、長期的に儲かる投資なのを確認してから、その次がキャッシュフローなど資金繰りの確認です。この順番を間違うと、当初の資金繰りだけに惑わされてしまいますから。

 

以上、物件の生涯年収からの投資判断についてでした。今日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。