<はじめに>

 ミニ隠居です、私のコラムをお開きいただき、誠にありがとうございます。

 前回まで、バブルの崩壊で失われた20年不況に至った主原因は、不動産価格の崩壊より、むしろBIS規制に対応する銀行の貸し渋り、剥がしにあると、コラムしました。今回は、銀行の貸し渋りを解消すべく、銀行が自己資本増強を図って合併した事についてコラムします。バブル崩壊によって会社を去る決心をした時、悔しさで調べました。

 なお今回も、前回までも、あくまでミニ隠居の私見です。

<銀行が合併したら資本増強されるワケ>

 報道番組では、銀行の合併の理由を、大体「店舗網の合理化」と説明します。銀行のIR発表そのまんまですが、(それも理由の1つでしょうが)TV局も人がいいねえと感心します。理由の本命は資本増強でしょう。資本さえ増えれば①BIS規制に対応でき、②損失処理も可能で、③貸し渋りを止めて本来の銀行業務の貸出が再開できるのですから。

 では、なぜ合併しただけで資本が増えるのでしょう?A行の資本をA、B行の資本をBとすれば、合併したらA+Bになるだけでは、と思いませんか?

 合併は(超例外的に対等合併もありますが)どちらかが、他行を吸収する吸収合併となります。よく企業IRでは対等の合併と、美しく発表しますが、本当はほとんど吸収合併です。

 吸収する銀行の資本は、合併前と同じですが、吸収される側は、合併時の時価で再評価されます。つまり合併後の資本は、A+(B+Bの再評価による上昇分)となり、資本が増えます。(A行がB行を吸収合併した場合)

<カケフさんの大豪邸>

 わかりやすい例です。昔の大阪の笑い話に、甲子園球場の帳簿価格(本来は数百億超でしょうねえ)は、掛布さん家の購入価格(おそらく数億円)より安かったというのがあります。銀行も含めて、企業の資本はこれほど安く計上されているのです

 うーんと、もう1つ、わか※※銀行の例です。逆さ合併と呼ばれてます。 

<ここからサラリーマン大家の大量発生が始まった>

 わか※※銀行は、親会社の三井住友銀行(以下S※※)を吸収合併して、日本有数のメガバンクになった銀行です。(ちょっとイヤミな書き方しました。)

 実際は、資本金1兆3千億あまりのS※※は、資本金200億あまりのわか※※銀行と合併します。日本中が驚いたことに、わか※※銀行を(登記上)存続企業としS※※が消滅企業となりました。まさにギネス級の逆さ合併です。

 これによりS※※の巨額な資産・負債を時価評価して資本増強することができます。持っていた含み益2兆円が計上でき、8千億円と言われていた株式その他の減損損失を相殺して、なお余ります。2003年のことです。

 実はこれが、我々サラリーマン大家にとって、重要な歴史になりました。

※ この資本の余裕からS※※がサラリーマン向けアパート・ローンを、メガバンクで初めて打ち出す事になります。年収500万の一般人に億単位の貸出を行うメガバンクが誕生し、サラリーマン大家が大量発生する最初になりました。他の地方銀行なども、大いに追随します。先進国に例をみない、サラリーマン大家という稼業は、ここから本格化したと、私は見てます。

 さらに、S※※その他の銀行からフルローンを引き出すノウハウを学ぶ塾(伝説の塾みたいに言われています。)ができ、塾出身のカリスマ大家が、多数、誕生します。

 2000年代の金持ち父さん貧乏父さんブームともマッチングしてしまいました。日本にとって良かったのか、それとも、悪かったのか? 

<銀行の合併が進んだ結果>

 バブルの不良債権の処理と、銀行の合併が進み、やっと銀行が本来の融資業務を行えるようになりました。

※しかし、不動産価格が本格的に回復し始めるタイミングでリーマンショックが発生します。

 つくづく、日本はついてない国ですね。

<銀行は激変しました>

 本来の銀行業務に戻ったとはいえ、その環境は激変しています。

・貸し渋りを経験し、企業は借金少なく経営する体質をつくりました。これにより金の流れが細くなり、経済成長しづらい国になったのです。

・国、地方の発行した巨額な債権市場を守るため、日本は低金利から抜けられなくなりました。

・銀行が積極的に自ら紹介する融資案件は、あまりの低金利(収益の少なさ)のため、無くなりました。

<銀行を中心にバブルを>

 我々サラリーマン投資家に重要な銀行を中心に、バブルを3回もコラムしましたが、これで終了です。

 ふー、大変でした。