前回の話で、この入居者(逮捕者)とは任意の明渡しは不可能と判断し、
裁判にて合法的に荷物の撤去をすることにしました。
今回は、入居者は逮捕され家には住んでいないのですから、
裁判の種類は『訴訟』になります。
まずは、裁判所へ訴状の提出です。
訴状を作成し、裁判所へ提出する書類を集めます。
大まかな必要書類ですが、
1、訴状
2、建物登記簿謄本(法務局で取得)
3、法人の現在事項証明書(法務局で取得)※貸主が法人の場合のみ必要
4、建物の固定資産税評価証明書(物件所在の市役所で取得)
5、切手・印紙
こんなもんです。
全てを1日で集め、翌日には裁判所へ訴状を提出しました。
今回の事案では、もう改善の余地が無いわけですから、
1日でも1時間でも1分でも早く訴状を裁判所へ提出すべきです。
だって1日提出が遅れると1日分の家賃を損するのと同じです。
ココで訴状のワンポイント!
今回、入居者は警察に逮捕拘留されているわけですから、
訴状に被告の住所地は、
被 告
〒999-0000
大阪府○○市○○町1丁目1-1
田中 一郎
(居 所)
〒111-2222
長崎県○○市○○町4丁目4-4
長崎西警察署内
となります。
※ココでワンポイント
入居者が逮捕された場合は、
刑務所に行く前に対処しないといけません
なぜかと言うと、
警察が入居者を逮捕して間もないときは、
警察署内に拘留されます。
その後、起訴され判決が出るまでの間は、
身柄を警察署から拘置所へ移送されます。
その後、判決が出た後は刑務所へ移送されるのですが、
ドコの刑務所へ行ったかは、大家さんは知ることが出来ないんです。
(弁護士なら職権で聞けるかもしれませんが、当然お金がかかります)
なので、大家さんが自力で裁判して追い出す場合は、
逮捕者の判決が出る前の拘置所にいる間までに退去判決をとらないといけません。
拘置所→留置所の移送先は警察に事情を話せば教えてくれます。
明渡し訴状を裁判所へ提出すると、
後は判決まで意外と早く進むんです。
なぜかと言うと、
被告は警察署に逮捕されているわけですから、
訴状も警察署宛に送るんです。
といことは、絶対1発で訴状を受け取るんです。
なので、法廷に出廷することはなくても、
訴状受け取る=スムーズな裁判進行となります。
ところがところが、
今回の私の話では、入居者から答弁書を山の様に送ってきました。
少し紹介すると
1、自分の部屋の荷物をチラシ1枚でも捨てたら刑事告訴する
2、自分は生活保護で社会的弱者であり、その社会的弱者を裁判でいじめるな
3、賃貸借契約書の自分の名前の部分にフリガナを書いているが、
(変な読み方のため鉛筆で私がフリガナを書いた)
自分はフリガナを書いていない。有印私文書偽造である。
4、証拠書類(内容証明や賃貸借契約書)に不審な点がある
A:ホッチキスが外されているかもしれない
科学捜査の必要がある
B:内容証明の印鑑が不鮮明である
郵便局に詳細な状況を説明させよ
5、退去させるのであれば、それ相当の立ち退き料を支払うべきだ
などなど、支離滅裂な要求が何十ページにも渡って送られてきました。
次は法廷の開廷です。
次回につづく・・・
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