おはようございます!地主の婿養子大家です!

前々回から

私のRC物件購入から売却までの事例全てを紹介するシリーズを書いています。

テーマは、『駅歩5分RC5階建てを購入した結果!』です。

今日は、3日目。

1.購入時編【1日目】

2.運営時編【2日目】

3.売却時編【3日目】

 

テーマは『必死で運営したEV付物件を売却した理由』です。

前回の最後に書きましたが、私は危機感を持って自主管理をしていたからこそ

リスクの顕在化シグナル

に事前に気づくことが出来ました。

そして、

売却シミュレーションを行い、売却活動を開始します。

 

過去のコラムで一度書いたことがある内容もありますが、

今回は

売却シミュレーションの一例

をお伝えすることを目的に書いてみようと思います。

構成は、

1.リスクの顕在化シグナル

2.売却シミュレーション

3.買主の特徴

4.おわりに

以上で書いてまいります。宜しくお願いします。

 

1.リスクの顕在化シグナル

購入してから、15年返済で腹をくくり、

経費の最小化≒減点の最小化

に奔走を続けてきましたが、ついに売却を決心します。

その理由が、

リスクの顕在化シグナル

です。

以下に、売却理由と気づけた理由を書きます。

 

①EV部供給停止決定

⇒これは、EV業者から勝手に知らせてきます。最低5年以内にはフルリニューアルもしくは部分リニューアルの検討が必要になってきます。

 

②屋上携帯アンテナ基地局撤退リスク

⇒設置するはずの時期を過ぎても工事が一向に始まらない。未着工のまま2年以上経過しました。調べたわけでもありませんが、受託会社営業とのやり取りでカマかけをしました。

私「知り合いのところで、工事せずにそのまま解約したところがあったけど、うちは大丈夫?」

業「確認してご連絡します!」

後日、

業「同時期に同じ電波エリアでかなりの数の契約が増えており、その精査に時間がかかっているようです。」

私の持論では、

お役所キャリア以外は経費削減の意識が高く契約後ほどなく工事をします

※本件はお役所キャリアではありませんでした。

 

このやりとりで、私の物件は

単なる電波争いで他社への妨害が目的だと

判断し、おそらく近く解約してくるだろうと予測しました。

※後日、別のキャリア受託会社にヒアリングしたところ、当時8割9割の契約がダミーだったようで、他社からの申し出を断った大家が被害にあったことをしりました。

 

③外壁修繕リスク

⇒外壁タイルなので、劣化も見られず非常に優秀でしたが、経年的には5年もすれば、大規模修繕も検討する必要があると判断しました。

 

④需給バランスの変化

⇒事前に客付け会社への営業していた努力もあり客付けで大きな数字には表れていませんが、4年目以降には、今の横浜のようなワンルーム系の需給バランスの変化を感じていました。業者へのヒアリングをしていても、明らかに新築建売アパートの影響を受け始めると判断しました。

 

⑤退去原状回復以上のリフォームリスク

⇒6/12戸のリフォームは終わりましたが、まだ、半分は終わっていない状況でした。簡単に試算して、約200万円はかかると判断。

 

⑦既存不適格になってしまうリスク

⇒ここでは、詳しく書きませんが、隣地との兼ね合いで既存不適格になってしまう懸念がありました。偶然にも、隣地からの引越してきた入居者が出たことで、その可能性が大きくなりました。仮に、既存不適格になると資産価値は激減してしまいます

 

これらを理由に売却を決心いたしました。

 

2.売却シミュレーション

<売却時の物件状況>

時期:2016年5月売却

■借入残高:92,500,000万円(2015年12月末時点)

■家賃年収:1,400万円(2016年1月時点)

■売却想定:①表面利回り7%の場合 1,400万円÷0.07=20,000万円

      ②表面利回り8%の場合 1,400万円÷0.08=17,500万円

      ③表面利回り9%の場合 1,400万円÷0.09=15,555万円

      ④表面利回り10%の場合 1,400万円÷0.10=14,000万円

※資産ドックによる査定額17,000万円

上記①~④の間で売れることはほぼ間違いないと判断。

■期首簿価:約12,000万円・・・・・・・・A

■仲介手数料:  約600万円~450万円・・・B

■銀行違約金:  約300万円・・・・・・・・C

■損益計算と譲渡所得税計算:

予測最高手残り額予測最低手残り額を算出しました★

 

<①利回り7%で売却のケース>

 20,000万円-(A+B+C)=譲渡所得7,700万円

(7,700円-特例1,000万円)×短期譲渡所得税22%≒譲渡税1,470万円

■売却後の税引き後手残り:

 20,000万円(売却価額)

-  9,250万円(借入残高)

-   600万円(仲介手数料)

-   300万円(銀行違約金)

- 1,470万円(譲渡所得税)

  8,380万円・・・予測最高手残り額

 

<④利回り10%で売却のケース>

14,000万円-(A+B+C)=譲渡所得1,250万円

(1,250円-特例1,000万円)×短期譲渡所得税22%≒譲渡税55万円

■売却後の税引き後手残り:

 14,000万円(売却価額)

-  9,250万円(借入残高)

-   450万円(仲介手数料)

-   300万円(銀行違約金)

-   55万円(譲渡所得税)

  3,945万円・・・予測最低手残り額

 

<注>借入残高は引渡日により確定するので、残高が減れば手残りは増える

 

【シミュレーション結果】

8,380万円・・・予測最高手残り額

3,945万円・・・予測最低手残り額

 

そしてこの数字と、

あと5年間所有してから売却した場合を比較しました。

5年間の税引き後CF

年間CF300万円×5年間=1,500万円

エレベータリニューアル:約800万円

修繕費:年間100万円×5年間=500万円

つまり、

5年間所有しても、手元にはCF200万円しか増えない可能性があります。

それでも、残債は約4,400万円減ります

ここで、

5年後の推定売却額を予測しなければいけません。

・携帯アンテナ基地局撤退⇒年収150万円減

・既存不適格⇒資産価値2,000万円減(融資が付かないリスクあり)

・築35年⇒長期融資が難しくなり、客先が限られてくる恐れあり

これらの不安要素から

最大でも12,000万円

悪ければ10,000万円

くらいでの出口となる可能性がある。

最悪のケースで比べても、今回は14,400万円で売却出来るなら売ってしまったほうが賢明だろうと判断できました。

しかも、

今回査定額は17,000万円なので、売った方が良いのは間違いないと思えます。

 

3.買主の特徴

上記シミュレーションから、まずは、20,000万円(利回り7%)で売出し、最悪17,000万円(利回り8.2%)までの値段交渉なら応じるつもりで売却活動に臨みました。

結果から言うと、ちょうど17,000万円で成約しました。

出口戦略のシミュレーション通りに考えれば売却成功と言えると思います。

※売却半年後には恐れていた、アンテナ撤退既存不適格も判明しました。汗

 

買主は、

本業経営者、不動産投資歴10年程の方でした。私なんかよりも不動産投資歴も長く経済的にかなり余裕がある資産家です。

決済後に会食をし、色々話を伺うと、

所有物件は全てRC。この頃の利回りは大体9%~8%だったようでした。

最も強く感じたのは、

不動産投資に関して、歴は長いが、ほぼ仲介・管理会社任せで素人に近い感じでした。

また、同時期に

に好立地重量鉄骨造の物件を売却していますが、ともに

不動産投資素人系の資産家

が買主でした。

 

4.おわりに

購入当時は綿密にシミュレーションをし、長期ホールドを目標に運営しましたが、

・懸念していたアンテナ撤退リスクと既存不適格リスク

・部品供給停止によりEVフルリニューアルの必要性が高くなり

・想定以上に需給バランスも変化を感じはじめ

・原状回復以上のリフォーム費用がかかりそうな部屋の存在

・外壁の大規模修繕

これらの懸念から

市況の良いうちに利益確定させること

を選択しました。

売却する時には、きちんと

そのままホールドした時との最終利益の差を計算

して、売却した方が良いと判断しました。

私はこのシミュレーションを『出口戦略』だと思っています。

仮に、

アンテナと既存不適格リスクがなければ、他のリスクを考慮してもホールドした方が最終利益は大きくなっていたと思います。

違いは、

すぐに6,000万円のキャッシュを得るか、リスクをとって経営を続け、それ以上のキャッシュを生むまでホールドするかの選択肢になっていました。

 

今回のシリーズで確認したかったことは、

①RC物件でも保有期間によっては他の物件とコストに大差がないこと

②EV付でも、ランニングコストは大したことなく、部品供給停止後がリスク大

③『出口戦略』は重要で、売却かホールドかできちんと最終利益を比較すべき

そして

④危機感をもって必死で運営をしたから成功できた投資であること

です。

シリーズの一部分でも読者の方のお役に立っていれば幸いです。

 

最後までお読みいただき本当にありがとうございました!