元資産税課職員KSです。
前回の課税ミスはどこかで必ず発生しているという話に続いて、今回は自分でできる簡単なチェックは何かという話をします。

念のためいっておきますと、課税ミスは発生するものといってもごくまれなケースであり、ほとんどの人はそんな目にはあいませんのでご安心ください。

なお、対象が住宅なのか事務所などかといった用途によってよくあるミスの傾向は異なってくるのですが、楽待コラムを読む層が多く関係してくるであろう住宅(賃貸アパートやマンション)についてのチェックポイントをふれていきたいと思います。

これだけはおさえておくべき住宅用地の特例

課税ミスとしてもっともみつけるのが簡単で、税額が目に見えて下がるのに、結構な頻度で発生している課税ミスとしては、土地の住宅用地の特例だと思います。

【そもそも住宅用地の特例とは何か】

固定資産税では、課税年度の1月1日時点で土地や家屋といった資産の状態がどうなっているかによって価格(評価額のこと)に対する課税標準額が変わってくるのですが、土地は上物として建っているのが住宅だと特例によって課税標準額が安くなります

固定資産税、都市計画税は「課税標準額×税率=税額」で計算され、例えば小規模住宅用地と分類された土地は固定資産税上の課税標準額は価格の1/6、都市計画税上の課税標準額は価格の1/3となり、特例が適用されていなかったら固定資産税が60万だったものが10万円ですむなど非常に大きいものです。

ではその住宅用地の特例関係でどんなミスがよく発生するのかというと、システムへの入力ミス、評価者の認識漏れ、家屋担当と土地担当の連携漏れなどのさまざまな理由で、特例が効いていなかったり特例の効き方が不十分だったりというミスが発生します。

【住宅用地の特例の効き方】

住宅用地の特例が適用される基準としては、以下の表がポイントです。

※アパート、マンションなどの場合は戸数×200平米を基準に判定
※住宅の総面積の十倍までの土地面積に対して適用される

例えば1戸あたり50平米が8戸で延床面積400平米のアパートであれば、400平米×10=4000平米まで住宅用地の特例が適用されるうち、8戸×200平米=1600平米以下の土地は小規模住宅用地と区分され、1600平米を超えた4000平米までの面積は一般住宅用地と区分され、それぞれの減額率で課税標準額が減額されます。

ちなみに併用住宅(居住用部分と店舗等の部分が混じっている家屋)は居住用床面積割合によって特例の効き方が異なって以下表のようになります。

自分でチェックすべきなのは条件に合致する住宅用地の特例が適用されているかが納税通知書の課税明細で見るべきポイントで、例えば全ての土地が小規模住宅用地と区分されるはずならば課税明細上の価格と課税標準額の関係が6000万円に対して1000万円になっているかといったことがチェックポイントです。

住宅用地の特例は大量件数の課税ミスが発生してニュースになった自治体があったり、私の知人でも二世帯住宅だから2戸分での判定をされるべきなのに1戸分で判定されていたことがあったりなど、固定資産税の課税ミスではメジャーなものかと思います。

課税ミスとは違う話ですが、住宅と分類される家屋の新築時で固定資産税や不動産取得税の軽減制度に面積要件があるのに、それを意識した調整をせずに建ててしまって軽減が十分に適用されないということもたまに見ました。
建築士などがそういった税金の知識を持っていない場合があるようで、いずれそういった話題についてもふれたいと思います。

その他のチェックポイント

他にあまり固定資産税の仕組みについて詳しくなくてもチェックできることとしては、素人でもちょっと確認すれば明らかに違うとわかるという点がまれに発生しているのでそれを防ぐことです。
たとえば、

・最新の家屋の状態として増築、附属家の新築、取壊し、一部取壊しが発生しているのに固定資産税上はそれが認識されていない(変化分を未登記でやっていると発生しがちで、固定資産税として家屋分は増えるけど土地分が減るなどが発生することがあり、差引での計算が必要)
・木造なのに鉄骨造となっている、などの初歩的なミス(システム的な入力ミス、システムのデータ移行ミス、複合構造の家屋なのに雑な評価をしたためのミスなどがごくまれに発生します)

といったことは確認すればすぐにわかるので、最低限自分が登記などで把握している情報と課税明細の情報が異なっていないかは確認しておいた方がよいでしょう(課税床面積は不動産登記法での床面積の考え方と固定資産税上での考え方に違いがあるため、少しは面積が異なっていても問題ない場合があります)。

課税ミスは税額が多く取られ過ぎている場合と少なくなってくれている場合があるので、多く取られ過ぎていることがわかったらすぐに役所に連絡して指摘しましょう。
もちろん税額が少ない場合は、「気付かない」状態を続けていれば良いだけです。

税額が増える場合も減る場合も時効が存在し、地方税法上では時効は5年で、それ以上の年数についてはどういう原因でどの自治体で発生したかによって変わってきます。

ほかの事例については、マニアックなものはたくさんあるのですが、説明が難しくなるのと、汎用的ではない説明になってしまうので、まずは基本的なことだけにしました。
今後場合によっては紹介していきたいと思います。