こんにちは。元資産税課職員KSです。

役所の職員になる前の、「公務員なんか効率化してもっと減らしてしまえ!」と思っていた時代は、税はいろいろと種類がありすぎて複雑だから消費税一本に統一していろんな役所の徴税に関わる職員を一気に減らしてしまえばいいんじゃないかと思っていたものです。

今でも税金を払うのは嫌いですが。

今日はそんな、いろいろある税のなかで賃貸経営をしている人が大嫌いな固定資産税とはそもそも何かにふれてみたいと思います。
基礎の基礎といった感じの内容ですが、少しでも知らないことが書かれていたならば幸いです。

そもそも固定資産税とは

固定資産税とは、毎年1月1日の状態で対象の市町村で所有している固定資産(土地、家屋、償却資産)に対して、その価格を元に市町村に納める必要がある税金です。
固定資産税と同様にかかるもので、都市計画税は市街化区域内に所有する土地、家屋に対して課される税金です。

賃貸経営をしてると国(税務署)には確定申告をして所得税などを払い、、、県には不動産取得税や住民税(県民税など)などを払い、、、市町村には固定資産税や住民税(市民税など)などを払い、、、と、「どんだけ税金をとられるんだ!」と怒りを覚えたことがあるでしょう。

地方自治体側の立場で考えると、住民税と固定資産税が財源の大部分を占めるなかで固定資産税は景気に左右されず安定した収入となる重要なものです。

安定税収である固定資産税は地方自治体にあてにされていて、なかなか減らないよう設計されているとかいないとか・・・。

よく会社では来期の予算のために予想を立ててその根拠はこうだと説明資料を作ることがあると思いますが、役所で予算のために固定資産税の来年度の予想を立てるのは、システムからデータを抜いてちょっと修正すれば済む簡単な作業です。

税額

固定資産税の額は「課税標準額×税率=税額」で決まります。
固定資産税の中でも土地・家屋については市町村の評価員が総務大臣の定めた「固定資産評価基準」に基づいて評価を行い、市町村長がその価格(評価額)を決定し、この価格を元に課税標準額を算定します。

評価額は例外的な場合や、土地の利用形態の変更、家屋の新増築が発生した時を除き、3年に一度やってくる基準年度のタイミングのみ見直しを行います。
直近では平成30年度が基準年度にあたり、平成31年度、平成32年度は基本的には評価額が据え置きとなります。

ちなみに同じ自治体内では少しずつしか物件を保有していない人は申告していない人が多いのかもしれませんが、固定資産税の中でも償却資産については毎年1月1日時点での状況を1月31日までに申告する必要があります。

アパートにだって償却資産は存在し、家屋として課税されている建物部分は二重課税にならいないようにほとんど償却資産ではないですが、例えば駐車場部分の費用や後付けの太陽光発電設備などは本来償却資産の申告が必要です。

免税点

なぜ賃貸経営している人で固定資産税の償却資産を意識していない人がいるかというと、免税点があって免税点未満だと課税されないからです。

土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円が免税点で、課税標準額がそれ未満だと課税されません。

なお、本来は償却資産の申告は免税点未満でもする必要がありますが、申告していない人が多いようです。
申告してもしなくても課税されないのに違いはありませんし、免税点未満でも申告していないと罰則が発生するなどと規定している自治体は自分の知る限り聞いたことはありません。

自治体の職員としても当然課税対象となっている人が申告していないかどうかの調査にリソースを割いていきます。

税率

税額は課税標準額×税率で決まるとふれましたが、税率の部分が実は自治体によって変わってきます

地方税法では固定資産税の標準税率を1.4%、都市計画税の制限税率を0.3%と定めていて、各市町村はこの規定の範囲内で条例を定め課税を行っています。

実際の税率としては固定資産税はほぼ1.4%と思ってさしつかえありません。
都市計画税は0.3%が普通だと思っても良いのですが、それ以下にしている自治体も結構あります。

いろんな地域で物件を持っている人はその違いを比較してみると面白いかもしれません。

納期限

さまざまな地域で固定資産を持っている方はもちろんご存じでしょうが、納期限は全国で一律で決まってはおらず、地方公共団体によって差があります。
納税者の立場としての私は、賃貸用物件8棟と自宅区分マンション1戸とでほぼ全て別の自治体で資産を持っているため、どこがいつの納期限かを管理しておくのが少し面倒です。

クレジットカードからのnanacoチャージでポイントを稼ぎたいとかいう人は別ですが、そういうことに興味がない人は口座からの自動引落しにしてしまってもよいでしょう。
払い忘れて滞納すると延滞金がかかってしまい、延滞金の金利は1ヵ月間だけは安いですが、1ヵ月を超えるとアパートローンよりは間違いなく高い金利の延滞金をとられます。

そんなことはしないとは思いますが、滞納が続くと役所の徴収を行う部署の人からお尋ねがあり、長いこと無視し続けると差し押さえなんてことにもなりかねません。

ちなみに私が所属していた地方公共団体では資産税課と徴収を行う課が隣にあり、滞納者と徴収担当の職員のやりとりが聞こえてしまって面白くてしょうがなかったです。

真剣にやっているはずなのですが、真剣だからこそ滞納者の言い分とともに対する職員の返しが面白く、「笑ってはいけない役所」が定期的に開催されていたものです。

税金を徴収する部署は比較的不人気部署ではありましたが、配属されている方々は武闘派の人であったり、煽りスキルの高い人であったりと、いい人材そろっていました。