以前に課税ミスは少ないながらも必ずどこかで発生していると書きました。
では納税者側は税額を少なくするのに何ができるかを今回は書いてみたいと思います。

対策できるタイミング

固定資産税を少しでも少なくしたいと思った場合にできることは、

・家屋を建てる前の対策
・家屋評価が発生するタイミングでの対策
・建った後に3年に一度可能な、評価額に納得がいかない場合の審査の申出
・建った後に常に可能な課税誤りの指摘

といったことがあります。
固定資産税の制度に精通している場合、建てる前に対策してしまうのが一番簡単で効果も高く、それ以降にできることは運の要素も強くなってきます。

確率こそ低いものの一発あてるとでかいのは、建ってから時間がたった後に評価額に納得がいかないと審査の申出をしてそれが通った時や、課税誤りが判明した場合で、過去複数年が一気に利息相当の還付加算金付きで還付されます。
この場合は今まで取られ過ぎていただけなのですが、一気にお金が入ってくるので得した気分になるでしょう。

実はでっかいビルなどを複数持った納税者に対し、「審査申出を代行するので税額を下げることが成功したら報酬をください!」と営業をかけ、商売をなりたたせている業者もいます。

私も不動産投資仲間の友人に、「役所辞めたらそういうことやって稼げば?」と言われたこともあるのですが、そういう営業をかけるのが面倒なのでやりたいとは思いませんでした。
一発当てるとでかいのですが、ハズレばかりでストレスたまりそうですし。。。

建てる前にできる対策

評価額を決める過程の細かい内容については今回は書きませんが、基本的な軽減の制度を把握することで税額が大きく変わる場合があります。

賃貸物件を新築する際にファミリータイプとするのか単身者用とするのかは、その場所の賃貸需要や今後の計画をどうしたいのかによって変わってくるでしょう。
実はここでちょっと面積が違うと固定資産税、固定資産税と似た制度が適用される不動産取得税が大きく変わってくることがあります。

それは3回目のコラムに書いた、よくある課税ミスで住宅用地の特例が効く効かないというのと似た話で、新築の住宅には軽減措置があり、面積要件があるということです。

まず固定資産税ですが、住宅である家屋は新築後一定期間は固定資産税が2分の1に減額される制度があります。
これが適用されるために重要となるポイントですが、

専用住宅および居住部分が50%以上の併用住宅である
居住用床面積が50平米(一戸建以外は一戸につき40平米)以上、280平米以下である
・減額範囲は一戸あたり120平米相当分までが対象
減額期間は通常3年で、3階建以上の準耐火・耐火建築物は5年
 (認定長期優良住宅は申請により通常5年、3階建以上の準耐火・耐火建築物は7年)

という要件です。
不動産取得税に関しても、住宅は評価額×3%が税額なのですが、固定資産税と似たように軽減制度があり、

50平米(一戸建以外は一戸につき40平米)以上、240平米以下のもの
一戸につき評価額から1200万円が控除(認定長期優良住宅は1300万円)

といった条件などで適用されます。

これらは意外なことに建築士とかがこの要件や、住宅とみなされる部分の基準を知らないで、ぎりぎり軽減が適用されないような家屋ができてしまう場合があります。
各戸専有の面積に対し、共用部分がどう按分されて各戸の面積が何平米になっていくかなど、基準ギリギリの面積だと計算をしっかりとしていないと大きな差がでます。

知らないと固定資産税と不動産取得税であわせて100万円以上の差が出てしまう、、、なんてことは簡単に発生します。

あとは本末転倒になってしまう場合もありますが、固定資産税を安くするための設計というのも評価の仕組みがわかっていれば可能で、評価額が安くなる部材の選び方とか、小ネタがたくさんあります。

建った後にできる対策

建ってしまった後はよっぽど固定資産税の制度に詳しくない限りできることは少なってしまいます。
そして詳しかったとしても建てる前の方が圧倒的に対策は簡単です。

まず新築後に役所の職員が評価させて欲しいと、資料借用や現地調査のお願いをしてくるのですが、協力的に情報を渡して正確に評価してもらいましょう。

もともと地方税法に「徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権」などとあって調査について法的根拠はあるのですが、非協力的で十分に情報を渡さないで正確性にかける評価となる場合もたまにありますし、職員も人間なのでそこらへんは察してください

評価額が決まった後であれば届いた納税通知書をみることで内容が正しそうか確認することはもちろんのこと、機会があれば「縦覧帳簿の縦覧」や「課税台帳の閲覧」といった制度も活用してみましょう。

納税通知書が届く日程は自治体によって違っていて、新しい年度の評価額が確定した直後の4月1日すぐにというわけではないですが、この制度を使うと納税義務者は納税通知書が届くより前の4月1日から新しい年度の名寄帳という課税明細に相当するものが2か月間無料でもらえます
そして縦覧帳簿というもので近隣の土地や家屋と評価額を比較して評価額の妥当性を確認することもできます。

もっとも縦覧・閲覧ともに本来の意図とは違った目的で利用している人も多いです。

課税内容を確認した結果、課税されている内容に明らかな誤りがあればすぐ問い合わせることで課税の誤り分を還付される場合がありますし、評価額に不服がある場合は評価替と言われる3年に一度のタイミングのみ不服の申出ができます。

ちなみに地方税法では税額更正ができる期間を5年間と規定していますが、それ以上は自治体によって要綱が異なっていたりしますが20年まで還付可能だったりします。
そこらへんは前にも書きましたが、どんな理由でのどんな課税誤りか次第なところでもありますね。