皆様、こんにちは。ミカンです。

今日の主役は…どちらかと言うと若山伊代です。

 

 

若山伊代の叔父・有田は、不動産賃貸業を営んでいる。

有田から声を掛けられ、税理士である伊代は不定期でお手伝いをしている。

彼は、マンションやビル、駐車場を複数所有する大家さんだった。

 

カタカタカタカタ…

 

伊代は、有田の所有するビルの一室でパソコンに向かい

家賃の入金管理をしていた。

 

「伊代ちゃん、今日もおつかれさん。これ、よろしくね。」

有田が領収書の綴りを持ってきた。

 

有田の不動産賃貸業の経費は、毎月だいたい一定である。

管理、修繕、保守、光熱費、通信、税金…

それと、時々発生する交際費

 

領収書の綴りを一枚一枚めくりながら、伊代が内容の確認をしていく。

 

 

しばらくして、

ある領収書のページで、伊代の手が止まった。

 

 

「叔父様」

 

「何だね?」

 

「この交際費なんですが…ちょっと高額なのが気になって…

 

 

この、

『〇〇〇〇〇』(←カタカナの店名)って、何のお店ですか?

 

 

一瞬、事務所の空気が凍り付いた。

 

 

有田は石のように固まっている。

 

 

伊代は向こうのデスクに視線を移した。

 

他の従業員達は、自分のパソコン画面をじっと見つめているが、

何かを必死でこらえている様子。

ひとりだけ、下を向いて笑っている女性がいた。

 

 

私は何か、いけない事をしたのだろうか。

でも、嫌な予感がする。

 

伊代は手元のパソコンで、その店名を検索した。

 

 

…………!!!

 

 

『〇〇〇〇〇』(←カタカナの店名)が

何のお店かを知った時の衝撃を、

彼女は一生忘れることができないだろう。

 

そして、

その地域では誰もが知っている

その店名を、

皆の前で口に出して言ってしまった恥ずかしさも、

一生忘れることはないだろう。

 

 

有田が、大好きなお店の領収書を間違って入れてしまったらしい。

 

 

皆が大笑いする中で、

 

穴があったら入りたい っていうのは、

こういう事を言うんだな…と伊代は思った。

 

「けっ、経費には出来ないと思います…」

そう言うのが精一杯だった。

 

 

有田は、まだ笑いが止まらないようだ。

「そうか…伊代ちゃんは…こういうのは知らないんだな。

これも勉強のうちだよ。

オジサンが今度、連れて行ってあげよう。

でも姉さんには、内緒だよ。フフフッ。」 (注:姉さん=伊代の母親)

 

気を取り直した伊代は、

聞こえないふりをして領収書の確認を続けた。

 

※この物語はフィクションです

 

ミカンからの一言:

先にネットで調べることは出来たはず。にも関わらず、

それを怠った伊代の失敗事例です。