皆様、こんにちは。ミカンです。

空飛ぶ大家さん(7)の続きです。

 

 

(これまでのあらすじ)

若山伊代の叔父・有田は、不動産賃貸業を営んでいる。

有田から声を掛けられ、伊代は不定期でお手伝いをしている。

 

伊代が、有田の所有するビルの一室で家賃管理をしていたところ、

突然、ビルの火災報知器が作動した。

 

有田と伊代は、現場のお部屋に急行。

警備会社の男性Aも駆けつけてきたところだった。

インターホンを押しても、ドアを叩いても、反応はない。

「〇〇さん!入りますよ!」

有田と警備会社の男性Aとで、ドアを開けた。

すると…

 

 

室内から煙は出てこなかった。

 

有田とAは、どちらも室内に入ろうとせず、

玄関で呆然と立ち尽くしている様子だった。

 

どうして…? 火事じゃないの…?

 

一番後ろにいた伊代が、中を覗き込もうとすると、

 

「伊代ちゃん、見るな!」

 

有田が手で制してきた。

彼の険しい表情は、伊代がこれまでに見たことのないものだった。

 

 

まさか…

 

 

入居者さんが…

 

 

有田の肩の向こうに、少しだけ室内が見えた。

室内は、電気がついているようだった。

 

 

…伊代が目にした光景は、ここまで。

 

なぜならば、

 

「伊代ちゃん、見るな!」

 

「伊代ちゃん、あっちへ行きなさい!」

 

有田が伊代を両手で、部屋とは反対方向に

強い力で押したからである。

彼の必死の形相から、只事ではないことは明らかだった。

 

伊代も身の危険を感じ、

慌てて事務所に戻って行ったのだった。

 

 

聞くところによれば、

 

室内には

女性1人を含む、3人の人物がいたとのこと。

 

 

そして、ある撮影が行われていたとのこと。

 

 

天井には、撮影用に、特殊な照明器具が設置されており、

その照明器具の熱のせいで、火災報知器が作動したのだった。

 

ドアを開けた時は、ちょうど撮影の最中だったらしい…

 

 

「伊代ちゃん、頼む! 姉さんには黙ってて!」と有田。

 

こんな事が、有田の姉である自分の母親に知れてしまったら

もうお手伝いは出来なくなるのかな。

でも、不動産業って…本当に色々あるんだなぁ。

 

そんな事を考えながら、

伊代は有田の会社を後にした。

 

 

※この物語はフィクションです