短い期間で物件数を急拡大させた大家さんが使っている1法人1物件1金融機関スキームですが、出口戦略はどうするのかといった問題がありました。

このコラムでは、このスキームの説明と出口戦略に関する私見について2回に分けて書いていこうと思います。

 

1法人1物件1金融機関スキームとは

このスキームは1つの物件ごとに1つの法人を設立し、他の金融機関で融資を受けていることを隠しながら物件を買い進めていくというスキームです。

新設法人で融資を受ける際、金融機関は物件の担保力と融資を受ける法人の代表者個人の属性や資産背景で融資可否を審査します。

このスキームでオーバーローンを組み続けていたり、新設法人で実施する大家さんが多い消費税還付を行っていたりすると、個人の金融資産を減らさずに次々と物件を購入することができるため、短い期間で物件数を急拡大することができるというわけです。

 

1法人1物件1金融機関スキームのデメリット

このスキームのデメリットは、複数法人の維持コストが高いことです。1つの物件で1つの法人なので、税理士報酬、法人税を物件の数だけ支払う必要があります。

当然法人の収支は悪化しますし、複数法人になるので、管理の手間がかかります。

また、最大のデメリットは出口戦略が大変難しいということだと思います。

 

なぜ出口戦略が難しいのか?

①消費税還付を受けているため。

新設法人で実施する大家さんが多い消費税還付を受けていると、3年間の課税売上割合が50%以上にならないと還付を受けた消費税を返納しなければなりません。

したがって、消費税還付を受けた新設法人は物件を取得してから3年間は、どんなに不動産市況が活況でも物件を売ることはできません。

 

②事業実態がなくなるため、物件を売ると会社を清算する必要があるため。

このスキームで物件を売却して、仮に3000万円の売却益が出ると売却益に対してまず約33.5%の法人税などの税金がかかります。

その後に、事業実態がなくなりますので、会社を清算すると50%の所得税などの税金がかかるため、手元に残るのは、1000万円弱になり、利益が67%も目減りします。

 

最後に

1法人1物件1金融機関は、最初に金銭的に楽をした分、出口で利益が目減りするということを伝えさせていただきました。

次回は、出口戦略についてさらにお伝えできればと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。