こんにちは、元資産税課職員KSです。

今回を入れて4回にわけて書いてきた、私が熊本地震の災害派遣で体験したことを元にした罹災証明書のシリーズについて、今回でまとめたいと思います。

家屋の居住者、賃貸経営している所有者ともに、発行の可能性がある罹災証明書なので、もし自分や知り合いが罹災証明書発行の機会に遭遇してしまったら、こんなことを言っている人がいたなと思いだしていただけたら幸いです。

そもそも罹災証明書とは

いままで書いてきたことは以下のようなことでした。

・罹災証明書は公的支援の入口であり、この証明書の被害程度によって受けられる支援が決まる

・証明書の発行、その前段に必要な被害認定調査は市町村が行う

・被害程度は経済的な損失を基準に、全壊:50%以上、大規模半壊:40%以上50%未満、半壊:20%以上40%未満の損害割合で判定される

・調査は外観だけで行う一次調査と、内部まで二次調査があるが、二次調査を申請すると証明書発行までに時間がかかる

・調査内容としては明らかにその家屋が使い物にならない場合は全壊となるが、そうでない場合は傾斜や各部位の損傷率を点数化して損害割合を算出する

・自治体によっての独自ルールが発生することがあるので、もし被災者となった場合は独自ルールも含めて制度を調べておき、早く発行してもらうことを選ぶか時間をかけてでもより被害程度が高い結果を狙えるかも検討する

とはいっても急に自分がそのような目にあってもそんなことを考える余裕はあまりないとは思います。

もし自分の知り合いが被災を経験したら、このような知識を元に協力してあげてください。

もし被災したらすべきこと

これから書くのはあくまでも罹災証明書に関係することの個人的な意見ですのでその点をまずはご了承ください。

 

【自治体職員などに感謝の気持ちを】

これは単純に私の願いという意味合いも強いです。

被害認定調査を行っている職員、罹災証明書の発行窓口の職員など、多くの職員に接することになるかと思いますが、彼らも人間です
彼ら自身も被災している場合もありますし、遠方から派遣されて頑張っている場合もあります。

やり場のない怒りをどこかにぶつけたい気持ちは十分すぎるほどわかりますが、建設的な考えを持って、感謝の気持ちを持つようにしてください。

相手も人間なのでそうすることでより親身になってくれたり、微妙な判定結果の部分で無意識的な加点が入るかもしれません。

 

【正確な情報収集をし、支援を十分に受けられるように】

これがしっかりできるというのは難しいことだとは思います。

しかしながら、地方自治体などに確認すると得られる貴重な情報は必ずあり、親身になって相談にのってくれる職員は必ずいるはずです。

決してあきらめないでください。

 

【被害状況を写真に残しておく】

被災してから被害認定調査が来るまで結構時間がかかる場合があります。
そのため、それまでに片付けや修理をしたりして状況が変わってしまうことがあるかと思います。

そうなってしまっても判定結果に影響が出ないよう、被害状況は証拠として細かく残しておくと良いでしょう。
また、その証拠が証明書発行の際に、ちゃんと詳細まで見てくれていたかの確認情報として重要となる場合もあるかもしれません。

 

【屋根にはブルーシートを全面に敷いておく】

これは書いてしまっていいものかどうか迷いました。

屋根が損傷していたら雨漏りとかがしないよう、ブルーシートを敷いておくといいというのは自然な考えでしょう。
「全面に」という点が、被害認定調査を意識した話です。

罹災証明書のための被害認定調査で、屋根の部位を点数化する時に屋根が全面ブルーシートで覆われていたら、損傷率は100%になると考えられるでしょうか?
それとも0%と考えられるでしょうか?

これは職員側の立場になり、役所の考え方を知っているとわかるのですが、ブルーシートで覆われた部分全てを損傷とする運用だった実績がかなりあります。
つまりは・・・。

いや、、、雨漏りの予防のためですってば!!!

ちなみにこれは屋根を外観から確認できる瓦、スレートなどの傾斜屋根の場合で、陸屋根の場合はそもそも見えないと評価しようがないので話が変わってきます。
また、屋根の配点は低いので、屋根の損傷率が100%だったとしても他にほとんど損傷がなければ、前々回のコラムに計算例を書いたように半壊にも至らず一部損壊止まりです。

先に書いたよう、被害状況は写真で残しておいてください。

 

【素人判断で建物を壊したりしない】

ブルーシートの件が内情をしっている私が書くかどうか迷い、書いてしまった罹災証明書の被害程度を上げることを意識した裏話で、制度と運用を知ってしまえば他にも何か対策したい人は多いのかと思います。

私が災害派遣で罹災証明書の被害認定調査に行ったということを知った不動産仲間の友人は(決して私の内面の黒い部分ではないです!)、

「じゃあ被害程度を上げるためにはどこを壊しちゃえばいいの?」

と真っ先に言ってきました・・・。
まぁ私もそんなことは考えてしまいましたけどね。

ゼッタイダメですそういうことは!
いろんな意味で危ないです!!!

 

以上4日間にわたって罹災証明書に関して書いてきましたが、内容がマニアックすぎていたらすみません。

ここで得た知識は今後皆様の役には立たないことを切に願っておりますが、心構えだけはしておいてそれが無駄になってくれるのが一番良いと私は思っています。