こんにちわ、こんばんわ

オカリロ人です。

 

今日はいよいよ売るときの税金の話です。

出口戦略の収支を想定できるようになりましょう。

 

メインテーマの短期譲渡税および長期譲渡税はあくまで個人の税率の話です。

法人には適応されませんので、誤解しないでくださいね。

 

短期譲渡税と長期譲渡税の違い

 

個人が不動産を短期間で転売し、儲けるということに対し、

お国(税金)は前向きではありません(税率が高い)。

新たな産業や価値を生み出さないテンバイヤーを、お国は嫌いなんです。

 

そのため短期間で売買した場合は、

短期譲渡税 39%! (+復興特別所得税)

(所得税30%+住民税9%)

という鼻血が出そうな税率がかかります。

 

長期間保有した人は、

 長期譲渡税 20% (+復興特別所得税)

(所得税15%+住民税5%)

と株や銀行預金の利子における税金などと同じ、よくある税率がかかります。

 

長期的に保有していれば、事情も変わるでしょうし、

売ることもあるでしょう?と考えているのでしょう(適当)

 

5年を過ぎてから売ると税金が得!

というのはこの税率の差(19%)のことを言っています。

 

19%しか違わないと考えるか、19%も違うと考えるか。

重要なのは絶対値、すなわち税率差19%による税額差ですよね。

 

簿価(帳簿上の不動産価格)が高い場合は、

 売却益が出にくいので、税額差に小さいかもしれません。

逆に減価償却費を多くとり、簿価が下がっている場合や、

 想定以上の高値で売れた場合は、かなり大きな税額差になります。

 

 

短期・長期の区切り

長期譲渡所得は

譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える土地や建物を売ったとき

と決まっています。

(国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算)

 

売却が何月であろうとも

売却した年の1月1日時点で5年です。

 

2013年10月に買った物件を、

2018年12月に売ると・・・

5年2か月保有していますが、

2018年1月1日時点では、4年2か月なので短期譲渡所得です。

 

チョーっと待ってーとお願いし、1か月遅らせ

2019年1月に所有権移転登記を行うと、

2019年1月1日には5年2か月なので、長期譲渡所得になります。

 

これだけで譲渡所得の19%税金が違ってきますので、

年をまたぐ取引では、非常に重要です。

 

売却の日って?

ところで売却の日っていつですか。

買付を入れた日なのか、売買契約の日なのか、登記をしたときなのか。

 

2013年10月に買った物件(売却契約・登記)を、

2018年12月に売却の売買契約をして、

2019年1月に引き渡し、所有権移転登記

この場合、どうなるのでしょう??

 

売買契約日なら、短期譲渡所得

登記日なら、長期譲渡所得 という事態が生じます。

 

売り買いが逆のパターンもあり得ます。

2013年10月に売買契約(購入)

2014年1月に登記

2019年1月に売却契約(売却)・登記

売買契約時であれば、長期譲渡所得

所有権移転登記時であれば、短期譲渡所得となります。

 

実はこの場合、

納税者の選択で確定申告OK

自分の都合のいいほうで税務計算しましょう。

 

注)

実際に売り買いするときは、所管の税務署・税理士に確認してください。

年をまたがない場合は、関係のない話です。

新築の場合は所有権移転登記時に限ります。

 

まとめ

売却した年の1月1日時点で5年経過していれば、長期譲渡所得

(感覚的には6年ぐらいたっていればOK)

 

 

築古木造での節税スキーム

 

この長期譲渡所得の低い税率に目を付けたのが、

築古木造での節税スキームです。

今回のコラムでは、築古木造による節税スキームを

 減価償却費の理解の題材に取り上げます。

(節税指南をしたいわけではありません

 ただ節税スキームは極端な税率差を扱うので題材としてちょうどよいのです)

 

ポイントは

 減価償却が短期間で終わること

 建物価格が高いこと

です。

 

築22年以上経過した10000万円の木造物件

建物価格 6000万

土地価格 4000万 

建物価格が高い売買契約を結びます。

 

あまりに実態と異なる価格設定をすると、

 税務署からツッコまれますので、

各案件については税理士のご意見を聞いてくださいね。

 

単年度で見た場合

減価償却が4年ですので、毎年1500万円

 利回り8%の場合、家賃収入800万

 運営費用25%で 経費200万

帳簿上 800-200-1500=-900

大赤字です。

 

個人で保有した場合、総合課税ですので

給与所得と合算し、給与所得を圧縮します。

個人の税率が50%なら、900万×50%=450万円の節税です。

(税率50%以下の場合でも、下がった税率だけ節税効果が減るだけで、仕組みは同じです)

 

単年度で見た場合、

 物件を買ったことで450万円の節税と家賃収入が丸々(赤字なので税率0%)で手に入ります。

 

キャッシュフローから見ると重要な観点ですが、

冷静に考えると家賃収入に税金がかからないのはおかしな話です。

 

複数年度で見た場合

 

単年度で見た場合は

 物件を買った場合 vs 物件を買わない場合 の税比較をしていて、

 売却時の話が含まれていないから、おかしな話になるのですね。

 

しっかり理解するには、売却時まで想定する必要があります。

 この節税スキームは

大幅な減価償却費による所得の移し替え」であり、

 物件購入(減価償却あり)vs 物件購入(減価償却なし)の税比較

が必要です。

 

 

5年が経過し、長期譲渡所得になる段階で売却します。

減価償却がありの場合、帳簿上は

 建物価格   1円(0円にはならない、忘れないように)

 土地価格 4000万(不変)

となり、

 仮に同額10000万円で売却すると (*注 )

 長期譲渡所得は、10000万―4000万=6000万!?

この6000万円に20%の税金がかかり、税金1200万

目玉が飛び出すような譲渡所得と税金です。

(注釈:不動産価格の下落分だけ、家賃収入があったとお考え下さい)

 

しかし保有中に

 減価償却1500万×税率(50%)×4年=3000万 の節税効果を得ていますので、

 3000-1200=1800万の節税効果

  が得られるスキームとなっています。

 

すなわち建物割合が大きい築古不動産を持つことで、

給与所得を長期譲渡所得に移し替えているのです。

 

 建物価格の6000万円分、税率差30%(50%→20%)

 1800万円分の減税効果が得られるのです。

 

ややこしくなるのは、

 保有中の家賃収入がある点と

 売却時に価格が下がり、売却損が出る点

です。

 

通常の不動産投資では、

家賃収入>不動産価格下落 となる物件を買いますから

家賃収入+節税効果>不動産価格下落 なら余裕がでてきます。

 

減価償却費がない場合、

 減価償却費 0円 × 所得税率(50%)=0円

 簿価は購入時と同じ10000万円ですから、

 売却額10000万 - 簿価10000万= 売却益0円

 売却益0円 × 長期譲渡税20%=0円

 節税効果0円 となるわけです。

 

また個人の税率が20%の場合、

長期譲渡所得との税率差がないため、

節税効果=0となってしまいます。

 

十分な節税効果を狙うには、もともと税率が高い必要があり、

お金持ちの節税策、という印象になるわけですね。

なお国内で、条件に合致する物件が多くないため、

ハワイやカルフォルニアの木造を買うお金持ちが続出したわけです。

 

投資家の背景や、投資目的によって

合った物件が変わってくることが理解できましたでしょうか?

 

まとめ

税金は逃れられないが、税率は変えられる。

 そう、長期譲渡税ならね。

 

以上、オカリロ人がお送りしました。

次回は「法人のメリット」を取り上げます。

それではまた次回のコラムでお会いしましょう。