こんにちわ、サラリーマン大家のTAKAです。

今回は、9月26日に公表された「金融行政のこれまでの実践と今後の方針」という今後1年間の金融庁の金融機関監督の方針についてコラムを書いていきたいと思います。

個人向け不動産融資への影響という観点から個人的な印象を書いていきたいと思います。

1.公表資料の位置づけ

この公表資料については、ざっくりいうと金融庁が今年1年間こんな感じで金融機関などを監督していきますよという資料です。

昨年度までと少し資料のテイストは変わっていますが、資料の意味合いはそんなに変わってはいないと思っています。

資料自体は150ページ以上の大部な資料で、読むのに少し骨が折れます。

内容もメガバンクから仮想通貨取引業者までさまざまな対象に対する監督の観点が記載しており、監督する内容も、国際的な金融規制がらみの話題から、金融教育の推進まで多岐にわたります。

その中で、今年は、「投資用不動産向け融資」という項目を新たに設けて記載がなされています。

2.投資用不動産向け融資

「投資用不動産向け融資」については、課題と本年度の方針がそれぞれこんな感じで記載されています。

課題

アパート・マンションやシェアハウス等を対象とした投資用不動産向け融資については、以下のように、顧客保護等の観点から問題のある事例が確認されている。

・ 金融機関及び悪質な持込不動産業者の双方が関与した、入居率や賃料、顧客の財産や収入の状況等についての改ざん

・ 借り手にとって経済合理性のないその他の融資商品・預金・保険商品等の抱き合わせ販売また、融資対象の不動産について相対的に高額の価格設定がなされ、顧客がその収入や財産状況に比して過大な債務を負うケースや、賃料を保証する不動産業者の経営状況が悪化することにより顧客への賃料保証が行えず、顧客が返済不能となるケース、その結果金融機関において損失が発生するといった信用リスク管理上の問題が確認されている。

本年度の方針

投資用不動産向け融資に関して以下の点を中心に、横断的なアンケート調査を行い、検査も活用しつつ深度あるモニタリングを実施する。

・ 融資審査・管理態勢

– 賃料収入や顧客の財産状況等、返済可能性を考慮した融資実行時の審査

– 持込不動産業者が提示した価格の妥当性の検証等、持込不動産業者の管理

– 空室率や賃料水準の推移の把握等の期中管理

・ 顧客保護等管理態勢

– 顧客が不動産を購入する目的と照らし合わせた、顧客にとっての借入の合理性の検証

– 空室率の上昇・賃料の低下等、将来の賃料収入に関するリスクの説明

・ 法令等遵守態勢

– 顧客への不当な抱き合わせ販売を防止するための態勢

(金融庁「金融行政のこれまでの実践と今後の方針」P.120より抜粋 )

 

3.私見

ざっくりいうと、金融庁としてまず、投資用不動産融資について、金融機関を対象とした実態調査を行い、もし、延滞率や破綻率が高い場合には個別の案件まで踏み込んで調査しますよということかと思っています。

今年はまずは実態調査までは行い、個別の案件は実際調査を踏まえて来年以降どうしようか考えますという感じかととらえています(本年度の方針に、信用リスク管理という点をいれていないのでそう思っています)。

個人的には、「空室率の上昇・賃料の低下等、将来の賃料収入に関するリスクの説明」は銀行がやることなの?とつっこみたいところですが、これはまさに金融庁として、問題のあった不動産融資は、「事業」ではなく「投資」としてとらえているということをよく表しているのではないでしょうか。

4.終わりに

今回の投資用不動産融資の件のもととなったかぼちゃなどの件は大きく報道されたことを受け、金融庁としてもなんらかやらないといったとことかなと思います。

しかし、この件が記載されているのは、150ページ以上の資料のうち、1ページほどの部分であり、金融庁としては、国際的な金融規制への対応や地銀の収益力強化のモニタリング、マネーロンダリング対策、Fintechなどもっと優先してやるべきことがてんこ盛りということは意識しないといけないかなと思っています。

実態調査の結果、不芳な事案がそれほど多くなく、延滞率もそれほどでなければ、多少の影響はあるものの、不動産融資自体の規制もそれほど厳しくならない可能性もありえるのかなと思っています(かぼちゃの銀行にはそれなりにおしおきはすると思いますが)。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

(もし、ご質問等があれば、コメントいただければ極力回答しようとは思います)。