新築か中古か?

「ななころさんは、新築と中古だったら、
 どちらから始めるのが良いと思いますか?」

読者やセミナー参加者の方から、
こんな相談を受けることがあります。

これは統計を取ったわけではないので、
正確ではないのですが、

お兄さんお姉さんがいる人は、
幼い頃に「お下がり」をあてがわられた経験からか、
「新築がいい」と答えることが多い気がします(笑)。

さて、冗談はこのぐらいにしておいて、
あなたが不動産投資を始めるとしたら、
新築と中古はどちらが良いでしょうか?

※今回はあくまでも”これから始める”という前提です。

 

中古から始めた方が良い

質問してきた方の経験、資産背景、価値観、目的によって、
答えは変わってきてしまいますが、

一般的な回答として、
私は「中古から始めた方が良い」と考えています。

 

なぜなら、大きく2つの理由があります。

1.「中古に比べて新築はレベルが高い」

2.「中古よりもレベルが高い割に、中古よりも儲からない」

と考えているからです。

私は不動産投資を10年以上の経験がありますが、
それでも新築は難しいと考えています。

それは、今回問題になったTATERU購入者の、
インタビュー記事からも分かります。

この記事では、
何重にも巧妙に張り巡らせられた罠にかかり
TATERU社から新築アパートを購入した方が、
赤裸々な告白をしています。

~ 記事一部抜粋 ~

融資資料改ざんのTATERU、契約者が語る営業の実態

 8月31日、日本経済新聞が、アパートの施工、管理を手がける東証1部上場のTATERUによる顧客の預金残高データの改ざんを報じた。TATERUは建設資金の借り入れ希望者の預金通帳を改ざんして銀行に融資申請を行い、審査を通りやすくしていたという。報道を受けて、TATERUの顧客への融資をほぼ一手に行ってきた西京銀行は第2のスルガ銀行になるのでは? とも囁かれている。TATERUで実際に投資用アパートを購入した人に独自取材を行い、そのずさんな営業手法から融資までの一部始終を聞いた(取材・文/中村 祐介)。

(2018年9月4日 JBpress記事より)

~ ここまで ~

新築は難しいと考える理由1

私が新築が難しいと考える理由の1つ目は、

「入居需要が本当にあるかどうかは、
 綿密なマーケティング調査が必要で、
 実際は建ててみないと分からない。」

というところです。

 

飲食店の場合、新規出店する際には、
綿密なマーケティング調査を行うことが、
知られています。

あの資金が豊富で認知度の高い
マクドナルドや吉野家でさえ、
綿密に立地条件を自社で調査しています。

駅の乗降客数や人の流れを見極め、
周辺の家賃相場なども踏まえながら、
店が採算に乗るかどうかを綿密に計画しています。

数ヶ月から数年かけて、
お金と手間と工数をエリア調査を行い、
計画していきます。

 

それでも出店して失敗する例もあります。

 

一時的に成功しても、
何年か経って、客足が遠のくこともあります。

 

大手飲食店がそこまでして調べて調べて、
それでも失敗する場合もあるのに、
新築アパートの場合はどうでしょうか?

果たして綿密にエリア調査をしているでしょうか?

入居需要をどこまで調査しているのでしょうか?

 

ほとんど調査も計画も、
行っていないではないでしょうか。

 

せいぜい人口増減や乗降客数、
周辺の家賃相場や家賃推移などを、
調べる程度では無いでしょうか。

 

なぜ、数十年先まで安定して入居需要があると、
予想できるのでしょうか?

 

初めて不動産投資に挑戦するサラリーマンが、
ここまで綿密に調査&計画できますか?

 

上記記事でも、TATERU社の営業からは、

「新築1年目であれば入居者が殺到し、退去も少ない」

と説明されたとあります。

何を根拠にそのように説明していたのでしょうか?

案の定、記事の中の購入者も、
大きく計画がずれてしまったようです。。。

 

「鈴木さんはTATERUから受け取った事業計画と実績を1年経って比較してみた。結果は、計画には遠く及ばず、年間収入は計画を62万円以上も下回る結果となった。」(記事より)

 

これが、これから不動産投資を始める人が、
新築からスタートするのが難しいと私が考える、
1つの理由なのです。

 

中古も同じなのでは?

「いやいや、ななころさん、
 入居需要の見極めは中古物件も一緒でしょ!?」

そんな風にお考えになった方もいるかと思います。

 

おっしゃる通り、新築でも、中古でも、
入居需要の調査や見極めが必要なのは一緒です。

しかし、調査の難しさや見極めの難しさは、
新築物件よりも中古物件の方が手間もかからず、
信憑性があります。

 

なぜなら、中古物件の場合は、何年か前から、
すでにそこに建物が存在しているからです。

たとえば、購入前の調査では、

「ネットとリアルの両方からの調査」

を私はとても重要視しています。

 

その調査結果の確度が、
新築物件と中古物件とではまるで違うのです。

入居需要調査では、まずは、
ネットで周辺の家賃相場や家賃の推移や
入居募集状況を調べていきます。

中古物件では、
現在の募集状況も調べることができます。

 

さらに、ちょっとしたコツがあるのですが、
中古物件であれば、その物件の、
過去5年の募集家賃を調べることもできます。

新築物件ではこうはいきません。

 

続いてリアルでの調査を行っていくわけですが、
周辺の物件の空室状況や募集状況を足で調べるとともに、
もう1つ重要なことがあります。

それは、必ず、

「周辺の賃貸専門の不動産業者を3社以上訪問して、
 ヒアリングする。」

ということです。

さらには、

1.地場の業者

2.大手の業者

3.客付け専門の業者

に分けてヒアリングしていくようにします。

このように調査していくことで、
おおよそ入居需要が分かります。

 

中古物件の場合ですと、
ある程度、「過去に入居を決めた」などの、
経験値から回答をもらうこともできます。

しかし、新築物件ですと、
すべてが「あくまでも業者の意見」に、
なってしまうのです。

意見と事実とでは、大きく異なります。

以前にもお話ししましたが、
投資では「意見と事実」の見極めが、
非常に重要となってきます。

ですから、新築からスタートするのは、
難しいと私は考えているのです。

 

新築は難しいと考える理由2

その他に、新築が難しいと考える理由として、
「融資が引きやすい」というのがあります。

「えっ!?融資が引きやすいのは、
 新築物件のメリットじゃないの?」

と思われるかもしれませんが、
実はこれは逆なのです。

長くなったので、次回に続きます。

(つづく)