こんばんは、サバイバル大家です。
いつもコラムを読んで頂き、ありがとうございます。

 

前回の続き(第17話)

仕事をサボりながら原状回復のリフォーム会社を探索する
少しずつ不良サラリーマンとなっていくサバイバル大家

リフォームの一括見積もりサイトを発見し申込をするも
わずか数分で返答があるリフォーム会社に悪い予感を察知する

 

週末に穂田栗(中堅 没田栗リフォーム営業)と会ったとき
数々のトラブルを巻き起こした尾崎(不動産サンタメワン営業課長)

そっくりの歪んだ爽やかな笑顔がそこにあった

 

 

サイコ退去部屋に入っても歪んだ笑顔を崩さず
意味不明なリフォーム専門用語を繰り出されたとき

サバイバル大家に偉人の言葉がこだまする

 

 

知者を装おうとするから
いつまでも無知から
抜け出せないのだ

by フィリッポ・ブルネレスキ

 

 

言葉が理解できないままのやりとりに不安を感じながらも
ボリュームディスカウントの可能性を感じホッとするサバイバル大家

しかし、

それはリフォーム業界の闇に首から突っ込むプロローグに過ぎなかった。

 

 

見るな、修繕が増える…聞くな、単価が増える…言うな、見積りが増える

数々のリフォーム専門用語を並べられチンプンカンプンだ
営業のノートは見積対象の数字と文字でびっしり。

 

穂田栗(中堅 没田栗リフォーム営業)

「大変お待たせいたしました。この案件は90平米近くとボリュームあるし、2部屋同時に施工に入れるので見積はだいぶ勉強させてもらえると思います。お見積もりに10日ほどお時間頂けますか。」

 

また、歪んだ笑顔でにこりと笑った。

 

サバイバル大家

「そうですか!概算だけでも結構なんですが、大体どのくらいに収まりそうですか?」

 

おもむろに電卓を取り出し、ノートを見ながらカタカタと弾き出す

 

穂田栗(中堅 没田栗リフォーム営業)

「そうですね、、、ざっくり概算ですが

900万弱

といったところです」

 

 

 

は、はい!?

 

きゅ、きゅうひゃくまん?

 

物件価格の1/3やん!

(ワタクシ年収2倍以上)

 

いや、こりゃ無理だ。

 

なんでクソ売主のせいで
自分がこんな思いを…

 

あと1ヶ月で2部屋が空室になるのに、
こんな原状回復にお金がかかるんなんて
払えなれければずっと空室のままなのか

 

このままだと破産?

 

負の感情が奥底から湧いてきそうだったが懸命にこらえた

 

穂田栗(中堅 没田栗リフォーム営業)

「あの…予算感、大丈夫そうですか?」

 

歪んだ笑顔のまま、覗きこむように見つめられハッと我にかえる。

 

そうだ、泣き言を言っても始まらない

 

だけど、とりあえずこの金額は無理だ。今は情報収集に徹しよう

 

サバイバル大家

「あ、あはは!いや思いのほか高い見積だったのでびっくりしてしまって。えーと、今回の予算が一応ありまして・・・修繕箇所は全て網羅してもらいたいんですが、予算は600万円が上限なんです。設備のスペックは下げても構いません

 

 

少し歪んだ笑顔が明るくなった

 

 

穂田栗(中堅 没田栗リフォーム営業)

「ああ!そうでしたか!!それは失礼いたしました。では、修繕箇所は全て網羅した上で、予算上限が600万円…と。それ以外に何かありますでしょうか」

 

 

うーん、つい出任せで予算上限とか言っちゃった。

情報収集に徹するとすれば…修繕の内容は知りたいし、相見積もりは取りたいよな。いつも営業でお客さんから要望されることを言ってみればいっか!

 

 

サバイバル大家

「そうですね、今回は高額のリフォームになりますので見積精査のために

・設備の品番、オプションは必ず記載

・設備と工事費用の分離記載

・可能な限り修繕項目は細分化する

という形でお願いできますでしょうか?それと相見積もりでのコンペとなりますのでご了承ください」

 

 

穂田栗のメモをするスピードが遅くなり、

歪んだ笑顔がみるみる暗くなっていく。

 

 

サバイバル大家

「あ、ただ穂田栗さんが一番丁寧に現地調査をしてくれたし、今のところ最有力ですよ。あと少し予算のところだけですね」

 

 

再び歪んだ笑顔がみるみる明るくなっていく

 

あれ?

 

今の発言って結構いい感じ?

 

 

穂田栗(中堅 没田栗リフォーム営業)

「そうですか!はい!是非とも頑張らせて頂きます!」

 

 

たぶん、その予算だと発注はしないですが…すいません。
と心の中で謝罪し、初のリフォーム現地調査は終了した。

 

見積をすることは、恋愛で口説くことに似ている

さて、予算外の見積もりが出てきちゃったけど。これっていくらまで下がるんだろう?というか、そもそも全預金が

 

…200万円もない

 

こういう場合はリフォームローンとかでやるしかないのかな

 

 

色々と考えないといけないことが多かった。物件近くのコンビニでコーラを買ってゴクゴク飲みながら、宙を眺めた

 

 

問題は…

・原状回復リフォームの見積の妥当性を確認

・妥当な原状回復リフォームをコストダウンする

・払える現金ないしローンなどで資金調達

 

この目星がつけば、苦しいながらも何とか希望をもって前に進むことはできそうな気がする。

 

 

サバイバル大家

「でも、クソ売主から自分が払うお金をもらえるのだろうか…」

 

 

嫌な未来を考えてしまった。満室で年間100万くらいの物件なのに、数百万円も原状回復費用がかかったら

 

 

クソ売主の尻拭いのために
数年間は頑張ることになる

 

 

そんな嫌な未来を想像してゾッとした

 

 

サバイバル大家

「いや、今はクソ売主からお金を返してもらうことは考えるのはやめよう。まずは時間制限があるこの問題の目処をつけなきゃ、早く解決しないと空室分をずっと補填することになる」

 

 

飲みかけのコーラを一気に飲みほした。

 

そうだ、今は選択と集中。

 

全てを一気に解決することはできない

 

 

(…12日後)

 

 

没田栗リフォームの見積もりは項目が多く、少し遅れていたがようやくメールで提出された。最終的な金額は

 

「583万円」

 

何とか予算と伝えた600万円は切ってくれたようだ。修繕項目も細分化されているし、品番も記載され設備と工事の内容も分離されている。

 

 

サバイバル大家

「とはいえ、この見積もりの妥当性ってどうなんだ。項目と金額を出してもらっても自分では判断がつかない」

 

 

うーん、と悩みながら児里(中小製造ナニワコーポ職場所長)が来て、自然体でサッとPCのウィンドウを隠す。

 

 

児里(中小製造ナニワコーポ職場所長)

「おう、サバイバル大家。こないだ●商事から頼まれてた同等品のリプレイス案件な。見積いつ出るねん。あれ、うちで金額追えそうなやりたい案件なんやからな!●商事と飲みにでもいって受注できる金額の情報もらって、はよ、かましたれや!頼むで!」

 

 

催促だけするとゴリラのようにのっそのっそと立ち去った。

 

ん?

 

あ、そっか

 

 

受注する立場からするとスペックが一定で、金額が追えそうな範囲で、

注ができそうなら見積がんばりたくなるのか。

 

 

なんかダメ元の高嶺の花に多大な労力かけるより付き合えそう付き合いたい異性には告白がんばりたくなる恋愛と似てる

 

 

サバイバル大家

「よし、没田栗リフォームには悪いけど…出た見積を改造して、うまいこと他のリフォーム業社用の資料にしてみよう」

 

 

全然わからなかったリフォーム見積の世界に突破口が見えて
…ホッと僅かに安心したのも束の間

この時は原状回復見積が衝撃の結末になるなんて思いもしなかった。

 

毎週月曜サバイバル大家、告知エンディング1、漫画