こんにちは。不動産投資家兼FPのくりちゃんです。

先日に引き続き、相続をテーマに描きます。

FP相談をしていると、よく相続に関する相談もあります。

先日のあるお客様からの紹介で、相続対策でアパートを新築しようと検討している友人(地主の息子)がいるから、話を聞いてあげてほしい。と言われました。

 

場所は、名古屋駅から徒歩数分の住宅街。(名古屋駅では、徒歩圏内で住宅街が密集している地域があります。)

 

確かに立地はとても良いです。その方曰く、

『土地が1億円の価値があって、相続税で1000万円は持っていかれるだろうから、それならアパートを建てようと思っている。』

と言われました。

その土地には、築50年以上経った長屋3部屋。家賃5万円×3=15万円。

これを解体し、アパートを建てる予定です。

約70坪の土地。確かに名古屋駅から徒歩圏内の70坪の土地だと、坪150万円程度と考えても、10,000万円を超えます。

確かに1憶の土地を相続する可能性がありました。

でも、ちょっと待ってください!1億円の価値。

それは、相続税評価での価値ではないですよね??

 

不動産の基本ですが、不動産には4つの価値があります。

1)実勢価格(市場価格)

2)公示価格

3)固定資産税評価額

4)相続税評価額

一物四価と言われる所以です。

 

1)実勢価格(市場価格):その名の通り、実際の取引で売買するときの価格です。『時価』ですね。売主さんと買主さんがマッチした金額です。近隣の取引事例や、皆さんが価格を算出するときに使う、建物を建てたときの収益還元や原価法などで算出したりします。

 

2)公示価格:これは、国土交通省が、一般土地取引の指標とし、毎年、1月1日を基準にして3月に公表するものです。よく、銀座4丁目の土地が今年も全国トップでした!とか、名古屋駅前の土地が上昇率トップ10に入ってます!とかいうニュースは、この公示価格が元になっています。

 

3)固定資産税評価額:これは、皆さんなじみのある、毎年支払っている固定資産税を算出するための評価額です。各市町村が、固定資産税の課税のため、3年ごとに基準年度の前年1月1日を基準にして、春に公表します。概ね、公示価格の7割と言われます。

 

4)相続税評価額:これが今回のテーマになってくる相続税の課税のために参考にされる評価額です。概ね公示価格の8割と言われます。また、相続税路線価というものが国税庁のホームページで確認できますので、自宅の相続税評価額の概算もこちらで確認できます。

 

今回のケースでは、大体の市場価格は150万円/坪で取引されているケースでも、相続税路線価を確認すると、前面道路の路線価は20万円/平米。約67万円/坪となることが分かりました。

1)実勢価格=150万円/坪×約70坪=10500万円

4)相続税評価=67万円/坪×70坪=4690万円

です。今の土地が上がっている世の中では、実勢価格と相続税評価額の乖離が2倍以上あることはよくあることだと思います。

さらにすでに長屋が立っているので、貸家建付地での評価圧縮もあり、先日ご説明した、相続税の基礎控除枠内に抑えられることが分かりました。

具体的な試算はもちろん税理士との協力が必要になってきます。

 

結論としては、不動産の営業マンの出してくる相続税評価額が正しいのか??なかなか自分で調べることは難しいと思いますが、それを鵜呑みにすることで、子、孫の代まで借金をすることになります。

今回のケースでは、築年数が古いので、もし解体したいのであれば、相続が終わった後(お母さんが亡くなられた後)に、更地にして、駐車場経営でもしたらどうですか?とアドバイスしたのですが。。。

 

今回の場所がとても良い地域なので、自分がこの地主だったら、アパート経営をやるだろうなぁと思える土地でした。

しかし、新築アパート業者(かなり大手)が持ってきた提案では、

建物だけの利回りで7%程度。。

相続対策でアパート経営をやる、やらないは別として、その業者では、アパート経営はやらないほうがいいのでは?と伝えました。

 

後日談…結局、不動産業者に、『もうすぐ地震がきて、長屋が潰れたら、損害賠償で多額のお金を請求されますよ』と言われ(脅され?)、そのアパート業者と契約したと報告されました。。。いろんな営業トークで来ますね。流石です。