こんばんわ、サラリーマン大家のTAKAです。

本日は、日本銀行の金融システムレポートに不動産投資に関する記載があったことから、この記載をもとに今後の融資の動向についての私見をコラムに書いていきたいと思います。

金融庁の動きについてのコラムはありますが、日銀の考え方も把握しておきましょう。

1.金融システムレポート

実は、2018年4月下旬に書いたコラムでも日本銀行の「金融システムレポート」について、書いていますが、10月22日付で最新の同レポートが公表されており、今回はこの最新のレポートの不動産融資に関する部分を中心に見ていきたいと思います。

おさらいですが、このレポートは日本銀行が行う考査(金融庁でいう検査)や個別金融機関の指導・助言にも活用されるため、金融機関でも注目しているレポートです。

また、調査対象も銀行だけでなく信用金庫も含まれている点からも金融機関の融資の動向を知るのに有効かと思われます。

 

2.不動産業向け貸出の動向

金融システムレポートの「不動産業向け貸出の動向」にかかる記載を一部抜粋してみます。

 

P.19~

・最近は、貸家市場の調整リスクや与信の業種集中などを意識し、不動産賃貸業向け貸出を慎重化させる一方、その他の業種向けの貸出に注力する地域銀行が増えている。この間、信用金庫の中には、その他業種向け貸出の伸びが低下している一方で、不動産賃貸業向け貸出をより積極化させる先もみられ、地域銀行とはやや対照的な動きとなっている。

⇒ 信用金庫の不動産賃貸向け貸出積極化に言及(最近当局が信用金庫に不動産賃貸業向け貸出を抑えるよう釘をさしたとのうわさも・・・)

 

・不動産業向け貸出は、このところ新規実行額(フロー)が前年を下回るようになっているが、残高(ストック)ベースでは、前年比 5%台の伸びとなっており、全産業向けの伸び(2%程度)を引き続き上回っている。国内銀行の不動産業向け貸出の残高は、2018年 6月末時点で約 77 兆円に達し、かつてのバブル期を上回る過去最高の水準にある。

⇒新規実行額は減少しているものの残高自体は過去最高水準に!

 

・不動産業向け貸出の内訳を業態別にみると、大手行では、不動産投資信託(REIT)を含む中小企業等向けを中心に、貸出残高は前年比 3%台の伸びとなっている。地域銀行では、大手行に比べて残高の伸び率は依然として高いものの、個人による貸家業向けの減速を主因に、2016 年末をピークとして伸び率は低下傾向にある。この背景として、供給側では、与信の業種集中への意識や、業者からの持込案件の質の悪化等から貸出スタンスを慎重化させる金融機関が増えていることが挙げられる。また、需要側では、空室率が一部エリアで上昇するなど貸家市場の需給に緩みが生じていることや、収益の見込める好立地の投資物件が減少していることなどが寄与しているとみられる。

⇒地域銀行の貸出スタンス慎重化を指摘

 

ただし、既述の通り、信用金庫の中には、不動産賃貸業向け貸出をより積極化させている先もみられる。

 

P.56 

・不動産業向け貸出残高は、1980〜90 年代のピークを上回って増加を続けており、対 GDP比でみても水準が既往ピークを更新し、トレンドからの乖離幅も拡大している。

・金融機関においては新規実行を抑制する動きもみられるが、残高(ストック)をみると、他業種との対比でなお高い伸びを続けている。その結果、不動産業向けの貸出比率は依然として上昇しており、地域金融機関の中には、同比率が 3 割を超えてもなお伸びを拡大させている先もみられる

⇒ 婿さんのコラムで指摘のあった3割という数字が引き合いに出されている点には要注目。

 

・長期的にみて、不動産価格がバブル期をなお大幅に下回っている中で、不動産業向け貸出がバブル期を上回っているのは、近年、大型の不動産取引業向けよりも、不動産賃貸業向けの貸出が増加していることが背景の一つと考えられる。

・不動産業向け貸出のリスクプロファイルは、バブル期とは異なってきており、一件当たりの小口化と貸出期間の長期化が進んでいるとみられる――小口の貸出であっても、長期貸出が蓄積していることが、不動産業向け貸出残高の増加トレンドの持続性を生み出している――。貸出の小口化によって、リスク分散に寄与する面もあるが、一件一件の貸出が賃貸需給によるより長期の共通リスクファクターに晒されるようになっている。

・例えば、地域金融機関の不動産賃貸業向け貸出に関して言えば、人口減少による賃貸アパートの需給緩和というストレスが全国各地で共通かつ慢性的にかかり続けるもとで、借り手の返済原資である家賃収入が長期間にわたって共通リスクに晒される。また、借り手に損失吸収力の小さい家計が含まれていることにも留意が必要である。

⇒バブル期の大型の不動産案件増加による融資残高増加と異なり、不動産賃貸業むけの小口の融資が積みあがっている旨を指摘。

 

・こうしたなかで、地域金融機関からは、最近の融資申し込み案件で、借入主体の属性劣化(利払い能力の低い投資家層の増加など)や賃貸物件の期待利回りの低下、借入期間の長期化など、質の悪化傾向を指摘する声が増加している。

・案件の質の悪化を意識している金融機関は、総じてみると不動産賃貸業向け貸出を慎重化する傾向にあるが、それでもなおかなり高い伸びを維持している先もある。

⇒案件の質の悪化の一方で融資を積極化している金融機関がある旨を指摘。

 

・現状では、不動産賃貸業向け貸出の延滞率は低位で推移しているが、不動産賃貸業向け貸出比率の高い金融機関でも、十分な人口審査や中間管理ができているとは必ずしもいえない。金融機関は、こうした長期間に及ぶ貸出の特性も考慮したうえで、適切な引当率の設定や審査・管理の改善等を通じて、リスク管理の実効性を高めていく必要がある。

⇒入口の審査の厳格化や融資後の管理状況の改善を提言

(黒字は日本銀行の「金融システムレポート」から抜粋)

 

3.おわりに

今回のレポートは、現在の融資が閉まってきている状況を非常によく表している点には注目であり、最後の部分で融資審査の厳格化や融資実行後の管理について提言している点が今後の監督の方向感を示唆しているように思えます。

一方で、不動産融資に積極的な金融機関(特に信用金庫)について何度も言及している点や貸出比率「3割」という具体的な数字を示している点については、暗に「やりすぎるなよ」というメッセージを発しているように感じるのは私だけでしょうか。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

(もし、ご質問等があれば、コメントいただければ極力回答しようとは思います)。