前回までのあらすじ

前回の記事では、

「入居者の死」について、

記事に書かせていただきました。

 

私が7年前のちょうど今頃。

不動産オーナーとなって体験した、

実際の出来事です。

 

部屋に入ると、布団の中で、

眠るように亡くなられていたそうです。

 

警察が立ち会いで実況見分が行われ、

幸か不幸か「事件性は無いもの」とされました。

単純に病死だと判断されたのです。

 

そして、「これで一件落着」となればいいのですが、

大家業というのはこれで終わりではありません。

 

むしろここからが始まりと言ってもいいかもしれません。

ここからが大変なのです。

 

入居者が亡くなっていた場合の退去手続き

入居者が亡くなっていた場合、

退去の手続きがとても大変になってきます。

残置物を勝手に処分するわけにもいきません。

 

しかも私は当時、東京に住みながら、

日立のこの物件を自主管理していました。

 

(ブログを読んで知っている方もいらっしゃると思いますが、

 訳あって当初は管理を引き受けてくれる会社がなかったからです。

 しかし、ようやく地場で管理会社が見つかり、

 入居を決めてくれた部屋から管理を委託していっていました)

 

そこで、まず最初に、

身寄りを探さなければならないのですが、

入居者さんに身寄りがいるということを、

一切聞いていませんでした。

 

はて、困った・・・と思っていたら、

なんとっ、立ち会ってくれた管理会社さんが、

身寄りを探し出して連絡してくれたのです。

 

この部屋はまだ管理を依頼していない部屋なのですが、

何も言わずに進めていてくれて、

この対応には感動しました。

 

親戚の方が駆けつけて原状回復

その後、兄弟や親戚の方でしょうか!?

60歳〜70歳の男性女性5、6人の方が、

部屋の残置物をすべて片付けて、

綺麗に掃除をしてくれていたのです。

 

僕が退去立会いのために部屋に着いた頃には、

すでにまるでクリーニングしたかのように、

綺麗になった部屋になっていました。

 

そして、あらかた部屋が片付け終わると、

1つ部屋に集まりました。

退去精算について話しをするためです。

 

この建物は、もともと、

元◯翼のボスの所有していた物件です。

 

当時は、釘穴1つでもあろうものなら、

凄まじい退去精算費用になるため、

誰も退去できないんだよと聞いたこともありました。

 

それが今回は死亡までしてしまっています。

「この大家はいくら請求してくるのだろう・・・」

みな不安な表情をしています。

 

請求した退去費用は?

大家である私が退去精算について話すことを、

入居者の親戚の方々は固唾を飲んで待っていました。

 

しかし、私は原状回復費用など、

もともと一切請求するつもりはありませんでした。

 

この入居者さんとは、所有者が僕に移った時点で、

すでに預かり敷金が無いことを確認していました。

 

原状回復といっても、

競売で落札した時点で築30年ですから、

どんな原状だったかも分かりません。

 

しかも、この入居者さんには、

毎日物件周辺の掃除までしてもらっていました。

 

ですから、残置物を撤去してもらい、

ここまで部屋を綺麗にしてもらったので、

いっさい費用を請求するつもりはありませんでした。

 

上記のような説明をして、

「原状回復費用は一切いただきません」

と伝えたところ、

一同がみな胸をなでおろしていました。

 

そして、みな安堵の笑顔を見せながら、

「これまでお世話になりました。」と、

感謝をして帰っていかれました。

 

その後・・・

事件性もなく病死で、発見も速く、

しかも部屋の状態も綺麗だったこともあり、

すぐに入居募集をすることができました。

 

家賃は変えずに、

病死については告知しようということで、

募集をスタートしたところ、

幸いなことにすぐに入居が決まったのです。

 

それから7年。

この物件は、何度か退去があったものの、

現在は満室です。

この部屋にも長く住んでくださっています。

 

亡くなられた入居者さんが、

今でも見守ってくれているのかもしれませんね。

(完)

 

※実際のお部屋です。